23話 人見知り、魔法試験を受ける。
お昼の休憩も終わり午後の魔法実技試験だ。初級魔法の簡単なものしか出ないらしいが、油断はしていない。
「それではこれから、第三班の魔法実技試験を始める。試験方法は簡単。どんな魔法でもいいからあの的を破壊すれば良いんだ」
と言って監督官が指を差した先にはただの的があった。ここから見ると木で出来ており、射出魔法ならば破壊するのは容易だろう。当たればだが。
「この学園の魔法試験は、威力よりも精度重視だ。あくまで近接戦闘の補助だからな」
つまり近接戦闘試験の方が評価点が高いと言うわけだ。だからみんな試験官に対して梃子摺ったり負けたりしていたのかも知れない。まぁあのディオスとか言う男は雑魚だったけど。
「それでは41番から45板はここに並んで!」
その五人の前には木の的がある。距離は30メートルあるそうだ。それは魔物や人間相手に牽制したり注意を逸らすときの距離だ。
「それでは…………………はじめ!」
監督官がそう言うと、その五人は直ぐ様魔法を発動した。41番から順に炎球、雷刃、土球、風球、氷刃だ。だが誰一人当たっていない。
「魔法発動は一人3回までだ。でないとここらの空中魔力が無くなってしまうからな」
空中魔力というのは空中に漂っている魔力のことだ。この魔力に自身の魔力を流し反応させる事で、魔法陣を出現させ魔法を発動させる事が出来る。
それからあの五人は2回違う魔法を発動させたのだが、一人を除いて誰も当たらなかった。普通に考えて当たらなかったら不合格だろう。
「次!46番から50番はここに並んで!」
次の五人も二人しか当たらず、その次の五人は誰も当たらなかった。そして56から60番。つまりクレアとシルヴィの番だ。クレアは余裕そうにしていたがシルヴィはかなり緊張していた。
「それでは……………はじめ!」
監督官がそう言うとクレアは明月を的に向け、基本魔法に含まれていない魔法陣を出現させた。その魔法名は【雷弾】。その名の通り雷が大き目の弾丸の形になって射出される魔法だ。当然、球型の【〜球】よりも円錐型の【〜弾】の方が速く破壊力がある。
そしてその魔法陣から射出された弾丸の形をした雷の塊が的の中心を捉え、風穴を開けて破壊した。みんなその事に口を大きく開けて絶句しているが、シルヴィもきっちり風刃を使い一発で的の上半分をちょん切った。
そして試験を終えた二人はこちらに来て一言。
「イネス、頑張って!」
「……………頑張れ」
二人から激励の言葉を貰った僕は自然とウキウキした気持ちに見舞われながらも、横に並んだ。
「それでは……………はじめ!」
今回は僕を含め3人しかいなかったが、別にそんなの関係ないしどうでも良い。取り敢えず当てなければいけないので、一番得意な水刃を使う事にした。
「……………【水刃】」
魔法陣から射出された水の刃は、モノの見事に中心に命中し、的を左右に両断させた。




