【第10回東方ニコ童祭】 ニコ童祭探訪記
霊夢はある祭りの開催に向けて準備に明け暮れていた。その祭りには幻想郷中だけでなく外部の人間も参加するといった大がかりな祭りだ。
大量の菓子に酒を人里から買ってくるのはもはや日課になりかけている。なにせ妖怪は酒が好きだ。もちろん子供は飲まないが。
毎年行われている創作物を展示するイベントには凝った作品も多く外部にも名が知れ渡るほどのものもいる。そのほかには、弾幕勝負やコンサートもあり昼夜大盛り上がり。
そんなイベントも今年で気づけば早10回目である。祭りとは準備はとても地道な作業で挫折しそうになることもあるが、始まってしまえばそんなことも忘れるくらい楽しく、一瞬で時間が過ぎてしまうものである。
今年はどんなものが見れるのだろう?そんな期待と成功するかの不安に挟まれながら霊夢は準備する。もちろん彼女だけが準備しているというわけではないが、博麗神社で行われる大宴会は、幻想郷を代表する妖怪や人里でもよく名の通った妖怪が一堂に会し去れを飲みかわしながら祭りの話や武勇伝について語り合うのである・
そのため、霊夢がどれだけ資金を調達して酒を買おうがすごい勢いで尽きてしまい各自持ち寄るのが恒例となってしまっている。今年も、自分のために溜めた貯蓄も少し崩してみたものの十分ではなさそうだ。
はあ、どこかに酒を生み出してくれる奴とかいないのかしら?そんなことをぼやきながら彼女は次の大仕事に取り掛かるのであった…
人里では、今年も祭りがあるというチラシをよく見かける。人間は多いとは言えないが里中の者もまたこの祭りを楽しみにしている。人間は最近幻想郷に入ってきた窓’sソフトXPというインターネット技術やそこから入手したソフトを使って音楽を作ったりアニメーションを作ったりするのである。
人間が作り出す音というものは幻想郷では特異的な存在で組み合わせによっては妖怪退治までできてしまうのである。そのほかにも人間でありながら特別な能力を使えるものもいる。そういう者は個性を生かした傑作作りに専念するものも多くはない。
その作品の中には酒やお菓子も含まれていて毎年旨さやクオリティが上がっており妖怪たちも大注目である。今年はどんな酒ができるんだろう…?そう考えながら酒蔵のうえで取材という名の隠し撮りをする天狗の姿がそこにはあるのだった…。
天狗は毎年この祭りの前後に文々。新聞という新聞の特別号を発行して収益を上げている。この収益は取材に当てられたり祭りの運営チームに寄付されたりと使われている。この新聞は普段は妖怪のスクープや新発見をメインに書いている。
祭りの特別号には一番売れた酒や菓子はもちろん注目の創作物を取り上げその年の目玉の発行紙となっている。最近は、紙面に感動したという理由で創作チームに志願する人間も増え今は人間の記者も少なからずいてこれまでよりももっと人里での取材が可能となってきた。
創作物といえば河童の創作物の発表会が毎年開かれ目を疑うような高性能マシーンからガラクタまで幅広く展開している。
各々創作に開発にと何日も、何か月もかけて準備を重ねその時もまたィ俊のように過ぎていき、明日は祭りの開催日となっていた。
人里では祭りの開催を宣言するためのお立ち台や発表会会場、酒の試飲会の準備など人員を総動員して着々と準備が行われている。博麗神社には前夜祭と名を付けてすでに妖怪の大宴会が始まっている。
魔理沙に紫にレミリアに…名立たる妖怪達が集まって酒をかわしちょうど今は魔理沙がある異変解決に立ち会った武勇伝を自慢気に語り始めるのであった。そのころにはすでに霊夢も酒を飲みはじめ酔いつぶれている妖怪までいた。
祭りはこれからなのに困ったものね…ぼやきながらも彼女も今年の祭りの開催に心を弾ませるのだった。
祭り当日、運営チームによる開催の宣言と共に各地でイベントが開催されていた。
タイムスケジュールを各自確認しながら今まで作ってきたもの、開発してきたもの、練習してきたこと…を精一杯出し切り、時には感激し、刺激を受け新たなひらめきを受ける。
そうして、幻想郷はさらに発展していくのだ。
そんな本当に理想郷の姿がそこにはあった。
外から流れてくるものの多くは人里で一緒に発表されているものが多いが、ものによっては妖怪に交じって公表されているものもある。酒がそのうちの一つだ。霊夢の大仕事というのはこの外部との結界をぎりぎり限界まで緩めることで外部との情報や物品のやり取りを可能にするというものであった。
一歩間違えば幻想郷自体が崩壊しかねないという危険と隣り合わせの作業でいつも祭りの準備の最後に紫とこっそり行うのである。もっぱら結界の操作などは博麗の血筋のものか紫くらいしかできないのだが万が一を考えて幻想郷から離れたところーつまり外部に出てこの操作は行われる。
祭りは二日間休むことなく行われ、二日目には妖怪同士のお披露目対決という名の弾幕勝負が空中で行われ妖怪はもちろん人間も楽しみにするビックイベントである。これには原則として強すぎる紫や退治する側の霊夢など参加しない妖怪がある程度決まっており、
今年の対戦カードはレミリア対フランというまさかの姉妹対決である。このカードを知った者は驚きながらも姉妹対決を楽しみにするのである。
弾幕勝負というもののそう見えているのは外側の人間や弾幕を使えないものくらいで、妖怪や本人たちは弾幕ごっこと変わらず楽しんでいるのである。普段と違うことがあるとしたら、普段はどちらかが降参、または疲れ果てるまでやり続けたりするのがいつもだけど、
この勝負ではどちらかに弾幕が被弾した時点で終わり、当てた側に賞杯が渡るというものである。そのためあまりにも強すぎるものだと一瞬で決着がついてしまうのも出場禁止の理由である。今年はどちらが勝つのであろうか…?
外部では特に人気のある二人のためその会場はより大盛況である。
しかし、お祭りという楽しい時間はすぐに過ぎ去ってしまうものである。夜通し行われたお祭りも花火の音と共に終わりを迎えようとしている…。皆笑顔で、充実した三日間であったのだろう今は酒盛りをしているようだ。
祭りが終わると次は夏が始まる。今年はどんな夏になるのだろうか?そんな期待に胸を膨らましておこう。そして、セミが鳴き終わり鈴虫の声が騒がしくなったころにまた彼女らに会えることを楽しみにしておくとする。
作業時間が短くうまく表せることができたか不安もありますが、お祭りの楽しそうな雰囲気やそれを待ち望む妖怪たちのワクワクが少しでも伝わったなら幸いです。このお祭りは昨日から16日月曜日(祝日)まで開催されている東方ニコ童祭が物語の舞台となっています。様々な動画や生放送、音楽を楽しむことができます。少しでも気になったら下記のリンクから公式ページへと飛ぶことができます。さあ、あなたも一緒に楽しみましょう!
第10回東方ニコ童祭公式サイト
https://nicodosai.com/10th/