小さい頃からの夢
「なに!?その言葉は本当か!?」
「はい、本当ですわ。」
「かかかかか、考え直してくれないか!?」
「いいえ、ずっと前から決めてましたもの。」
「なぜだ!金も名声も権威だってあるのになぜやめるのだ!」
「あら?私、別にそんなもの興味ないですわ。」
「そんな!Sランクだぞ、Sランク!国どころか世界でも片手で数えられるあのSランクだぞ!」
「ええ、けどやりたいことがやっとできるのでもう必要が無くないですわ、それに自由が効かないこのランクは邪魔でしかないですもの。」
「そんなこと言う冒険者Sランクは君だけだよ、しかも登録から最短記録を塗り替えたんだ。君にはみんなの憧れなんだぞ!それに君には自分、自ら時期グランドマスターに指名する気だったんだが。」
「私に面倒押し付けるのはやめていただきませんか?それにいい加減しつこいですわよ。」
「すすす、すまない!自分が悪かった!そうか決意は固いか………、最後に一つ聞かせてくれ、Sランクの冒険者よりやりたいこととはなんだ?」
「私、お花屋さんになるのが小さい頃からの夢ですの。」
そう、お花屋さんにやっとなれるのだ。
これは私が小さい頃からの夢のお花屋さんになるまでの物語。
始まりは死んでまだ間もない頃から、始まる。
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『貴方は亡くなりました』
突然の宣告である
「そんな‼ まだ夢だったお花屋さんになってないのに‼」
そうまだやりたいことしてない‼
と言うか挑戦すらしてない‼
なにこれ‼なんで‼どうして‼
『まぁまぁ 落ち着いて』
落ち着いていられるか!
それから色々時間がかかったが、私は異世界に行く事になった。
説明によると余りにも不憫だから、生き返らせることはできないけど異世界になら生きる事ができるということそしてその際に簡単に死なれては困るからチートをくれるらしい。
『では、どのような力をお望みですか?』
そんなの決まってる!
「お花の関することよ!」
『かしこまりました、ではこちらはいかがでしょう?』
ん?なにこれ?あぁなるほどね!確かにこれは私にピッタリね!それでいいわ。
私はなんとかこの状況を飲み込みチートをもらい異世界に旅立った。
その後なぜ私がお花屋さんになるのにあんな英雄みたいな真似しなければならないのか、今でも疑問に思う。