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Losers  作者: ビーナ
1章:這い上がる者、蹴落とす者
6/49

追跡中

「……今、何だって?」

 角弓突破の言った内容を理解できずに、ルーザーは唖然とした様子で訊ねる。

「ですから、私達と一緒にご同行を願いたいのですよ。あの『死神』が潰した研究施設の本拠地である場所まで」

「そんな……はずない! だって、あれは……皆、リンネ、さんが――」

「あの施設の職員は抹殺されました。ですが、あなたの製造にあの程度の人数しか動員されていなかったはずがないでしょう? あなたの製造にあの程度の規模の施設しか使われなかったはずがないでしょう?」

「…………………っ!!」

 まだ終わっていなかった。まだ平穏を迎えるには早過ぎたのだ。

 だというのに、さっきまであんなにも浮かれていた会話をして自分が恥ずかしい、苛立たしい、嘆かわしい――悔しい。

 もっとやるべきことは、心配するべきことはあったはずなのに――どうして、自分は自由になれたと思っていたのだろうか?

 どうして、自分は――

「俺は……」

「不思議ではありますね。どうしてもっと遠くに逃げなかったのでしょうか? 確かにどこまで逃げたとしても、あなたを組織の者が追跡するのは当然ですし、そういう意味ではそう遠くない位置に身を隠すことは私達の裏を掻くようで納得できるのですが……あなたは意外にも働いていた。ですが、あの『死神』が行動を共にしていたならば、もっと容易に、そして捜索も困難なほどの逃亡生活を送ることもできたはず」

 思案しつつもハンドル操作をこなす器用さを見せる角弓だったが、それ故にルーザーの表情をもっとしっかり見ておくべきだった。

 彼女はルーザーがまだ組織の魔の手から逃れ切れていない事実を前に心を折られ、絶望しているのだと思っていた。実際、かつての仕事の中で、似たような場面はあり自暴自棄になって自殺を図る者もいたくらいだ。

 ましてや、今までまともに生活を送ってきたわけでもない、精神的にも未熟児なルーザーに耐えられるはずがない。

「そういえば、あなたはリンネ・オルタナティブに連れられて、今はとある雑貨屋で働いていると聞きましたね。普通の日常を体験して、自分が普通の人間になれたと思いましたか?」

 施設から脱出したルーザーについては知り合いの調査で既にある程度は掴んでいる。職員達を鏖殺おうさつしたリンネ・オルタナティブについてもこの世界にどっぷりと浸かっていれば自然と耳に入る存在だ。だからこそ、分からなかった。あの完璧な『何でも屋』がどうして完璧な仕事をしなかったのか。

 完璧な仕事の元で、鏖殺が為されたのであれば、そもそも自分達に仕事が舞い込んできていない。

 施設のスポンサーを全て壊滅させるくらいの苛烈さはあっただろう。その上で、ルーザーを国外へ逃がせばもう追われる可能性など皆無だっただろう。

「あの死神が情にほだされたのでしょうかね? それとも、あなたの方が離れたくないとせがんだのでしょうか?」

 その辺りの事情は結局のところ、角弓達の知るところではない。現在の質問も他愛のない暇潰しに過ぎないのだし。

「どのみち、あなたに日常なんて有り得ませんし、似合わないのですが。所詮しょせんは『実験動物モルモット』。失敗したら、即廃棄される程度の価値だったのでしょうし……」

 それはいつも通り、誘拐され、依頼者の元へ運び出される商品と交わす言葉に過ぎなかった。「お前は商品であり、荷物なのだ」と催眠術師が暗示を掛けるような、その程度の意味でしかなかった。

(……どうして私はここまで感情的に?)

 そんな疑問が浮かんだ直後だった。

「角弓!」

 犬猿の仲でありながら、ビジネスパートナーとしての役割はしっかりと果たす歩谷の叫び声だった。

「前だ! 前を見ろ!」

「な!?」

 その驚きは角弓ではなく、ルーザーの方だった。

 座席の背もたれに使われている布地からニュッと男の顔が飛び出していた。

 そして、顔だけが飛び出した男――歩谷唐比等の言葉通り、車の前方に一人の立ち姿があった。

 その姿をルーザーは辛うじて一瞬だけ視認できた。

 深緑のコートで顔のほとんどを隠しているが、それでも見知った仲であればすぐに看破できる。

 端正な顔をコートで隠しながらも、宝玉のように美しい両眼が隙間から覗いている。加えて、長い白髪も見える。

「……! リンネ・オルタナティブですか――正体不明の『殺し屋』としての顔も持つ『何でも屋』!」

(殺し屋……? リンネさんが――)

 道路の真ん中に立つリンネの手には包丁サイズのナイフが握られている。

 刃先がこちらに向いている。

「このまま轢くべきでしょうか?」

「いや、無理に戦闘になることはない。俺達の仕事は調達と運搬だ」

 そうですね、と頷き、角弓はハンドルを右へと回す。車体はリンネを避け、全力で疾走を続ける。

 角弓突破の運転技術に億に一つもミスは無い。

 たとえ、相手がどれだけの速度と力量で襲い掛かろうとも、角弓のテクニックには通用しないだろう、と。

 歩谷はそう考えていた――厳しく言うようなら、楽観視していた。

 ゾワッ――とシートと一体化した全身の身の毛がよだった。シートとの布と一体化したために、繊維の一本一本に敵意や殺意や害意といった負の感情が押し当てられた。

「なぁっ……!?」

 驚嘆する歩谷。角弓も目を見開き、絶句する。その場で事態を理解できなかったのは、ルーザー一人だけだった。

 リンネの目的はまさにそれだったのかもしれない。救出する対象であるルーザーに余計な恐怖心を植え付けないように、瞬殺を狙ったのだ。

 瞬間移動かと思う程の速度による跳躍。リンネ・オルタナティブの体は美しい弧を描くように、そして、最短距離で車のフロントガラスまで飛び移る。衝撃でフロントガラスに亀裂が生じ、ワイパーが大破しては路上に散らばった。

「チッ……!」

 蜘蛛の巣のようにフロントガラス全体に広がった亀裂のせいで前が見えない。車のガラスは通常のガラスと比べて簡単に割れないようになっているものだが、今のリンネの跳躍だけでこの有り様だとすれば、その常識が通じるとも思えない。ガラスの破片が車内に飛び散らなかっただけでも幸いか――

(いや、違う……あくまでもあの子に被害が及ぶことを避けたのか――なるほど、おかげで私達も即死は有り得ないようね)

 代わりにどれだけ嬲られて死ぬのだろうか?

 考えたくもないことだが、相手のフードの中から射殺すように注がれる視線を見る限り、十分に有り得る可能性だ。

「歩谷さん!」

 サイドガラスが開く瞬間に、むちのように帯が伸びる。シートの布地が変形し、鞭を作り出していた。標的は前方のリンネ。致命傷を与えずとも、路上に叩き落とせば、十分なダメージを与えることができる。

 左右の両方向からの攻撃を、果たして、リンネは見ることはなかった――否、見ることができなかった。

 死角を突いた位置からの不意打ち。狙いは足元で、全力でなくとも効果は大きい。上手く崩せば相当な威力になるだろう。

「――リ、リンネさん……!」

 縛られた状態でルーザーが声を上げる。

 その声に反応して、遅れてリンネは両手のナイフを自身に襲い掛かる帯に向ける。



***



 刃物と帯では、考えるまでもなく前者の方が有利だろう。しかし、それは通常の帯の場合だ。

 歩谷唐比等。

 彼の妖怪としての正体は、一反木綿いったんもめんである。

 白い布で宙を飛ぶイメージが強い、有名な妖怪だが、彼の場合は更に特殊な能力を持つ。

 一つが人間の姿のまま、一部位のみを布に変形するスキル。--『武装飾コーデメイル』。

 そして、布と身体を同化させ、自在に操るスキル--『装飾繊維ファイバーモード』。

 現在は二つのスキルを同時使用している状態だ。しかも、妖怪の体力とも言える『妖力ようりょく』を布化した腕に流すことによって、鋼鉄以上の硬度を得ている。

 かつてはこれにより業物を扱う剣士でさえ無力化させてきた。だからこそ、今回もリンネを打ち負かすだけの自信はあったのだ。

「がっ……!?」

 腕を伝う熱で思わず呼吸を乱した。どうして自分がこんな状態に陥っているのか理解できないし、そもそも理解したくもなかった。

(甘かったのか……)

 端的に言えば、当然のようにリンネのナイフが歩谷の鋼鉄の帯を左右同時に真っ二つに両断したのだ。幸いにも、それが歩谷にとっての致命傷になることはないし、『装飾繊維』で周囲に布や繊維があれば、どれだけの傷であろうとも修復は可能だ。ただし、今回の場合は肉体的なダメージよりも精神的なダメージの方が大きかった。

 一般的に見れば、布が刃物に敗けるのは当然だろう。ジャンケンでいう紙を指すパーがはさみを指すチョキに負けるのと同義であるくらいの常識だった。

 だが、歩谷にはその常識を覆すだけの力があり、経験があり、何より自信があった。

 その自信と経験が粉々に打ち砕かれた。

 しかし、それこそが敵にとっての好機であり、見逃すはずもなかった。右手で裂けた帯を掴み、力強く手繰たぐり寄せる。

「ぐぉ、あ――っ!」

 動揺から反応が遅れた。不幸にも、一反木綿という妖怪の性質上、隙間を通り抜けられてしまう。走行中の車から路上に放り出されてしまえば、ズタズタになるのは目に見えている。

「歩谷さん!」

「構うな! お前は運転に集中しろ!」

 叫び、歩谷は座席の布地に顔を沈め、踏ん張る。角弓はアクセルを踏み締め、速度を上げる。わずかにリンネの表情が曇る。足元のバランスを崩されるも、辛うじて持ち堪える。

「くっ……しぶといですね!」

 亀裂が一杯に広がり、視界が明瞭ではない。それでも大体の位置は把握できる。だからこそ――ハンドルに急激な力を加える。

「……っ!」

 初めてリンネの表情に焦燥が滲む。体の重心はあらぬ方向に向き、意識が自分の身を守るために車から逸らされる。

 急激なスピンの掛かった車体は次いで踏まれたブレーキにより、アスファルトに弧状のタイヤ痕を幾重にも描く。

 対して、リンネの体は空中に弧を描き、軽やかに着地する。

「とりあえずは、振り落すことには成功しました、か――しかし、どうやらあなたを奪還するまではどこまでも追ってくるようで……」

 音も無く、助手席側のサイドガラスに亀裂が生じ、粉々に砕ける。投擲とうてきしたナイフがガラスの急所を的確に突き、角弓の鼻先を掠めて、運転席側のガラスを突き破った。

「……これでも愛車なのですが、やってくれましたね」

「これは警告よ」

 表情を消す角弓を無視して、リンネが語り掛ける。先程までの殺気や敵意を一度抑え込み、静かに諭す。

「もし、ルーザーをこの場で返すようであれば、これ以上の追撃はしない。見逃してあげる――けれど」

 けれど、もしこれ以上手を煩わせるようなことがあれば――そこから先は敢えて口にする必要も無い。その瞬間から、抑え込んでいた感情は爆発し、角弓と歩谷は肉塊へと変貌を遂げる。

 一方で、見逃すという選択肢が存在することに対しての驚きもあった。あの研究施設の職員達を漏れなく抹殺した『死神』が、敵の命を見逃す、という考えを持っているとは――戦力差に大きな開きを感じる歩谷と角弓にとっては甘言ではあるが、しかし、自分達も報酬を貰って仕事に臨む以上、プロフェッショナルとしてのプライドがあった。

「確かに嬉しいお話ではありますが……」

 角弓は交渉に応じる素振りを見せつつ、静かに後方でシートと同化している歩谷に視線を送る。

 ダメージはあらかた修復完了したが、万全とは言えない。

「私達はプロです。依頼者がいます」

 先程受けた心の傷は予想以上に深い。脂汗の浮かんだ歩谷の顔を見れば、どれだけ事態が悪いかは理解できる。

 しかし、ルーザーを言われるがままに差し出して、その後依頼者からどのようにして責任を取らされるか、分かったものではない――ならば、今するべきことはただ一つだ。

「……人質の交換といきましょうか」



***



 時間は30分前まで遡る。ルーザーが歩谷と角弓に拉致され、チラシを配っていた場所から離れた直後だった。

 コートのポケットから振動を受け、リンネはスマートフォンを手に取る。相手は店番をしているルシファーだった。

『ルーザー君はそっちにいるかしら?』

「? いや、今は分かれて仕事してるけれど――何かあったの?」

『私の従者に、あの子の監視を命じたんだけれど、どうも車に乗ってるみたいなのよねぇ』

「誘拐された、ということかしら……?」

 まだ働いて日が浅いルーザーがタクシーやバスに乗れるだけの金銭を持っているとは思えない。

『移動速度から鑑みるに、自動車ね。あ、車種とナンバーも分かったから今から送るわ』

 それから間もなくリンネのスマホの画面に白いベールを纏った女性の姿が映り込む。女性の手にはデフォルトされた便箋があり、開くと中から白いワンボックスカーとナンバープレートの画像が飛び出す。

「こいつらの正体は?」

『さてね。まあ、大方あんたが殺した連中の上の奴らじゃないかしら。あれほど抹殺しろって言ったのに、逃げられてるからこんなことになるのよ』

 いつものように嘲笑うかのようではなく、叱責するようにルシファーが言う。ルシファーからの指示は『研究施設の職員、関係者の抹殺兼ルーザーの保護』だった。確かに研究施設の職員達の抹殺は完了したが、関係者で生き残りが出てしまっている――その結果が、研究施設の幹部達によるルーザーの奪還、研究の再開だ。

 そして、運悪く今のルーザーに以前のような虚弱や欠陥は無い。連中が臨んだ状態に近いと言える。

「馬鹿か私は……!」

 自身の始末の悪さに怒りと殺意を覚えながらも、今はルーザーの奪還が最優先だ。

『余計な始末を増やさないことね。これ以上連中を図に乗せるようなことは避けるように』

 ルシファーからすれば、それは最も避けたい展開であり、彼女の性質上屈辱の極みだろう。だからこそ、徹底した抹殺をリンネに命じる。

「言われずとも――まずは連中の先兵を殺せばいいのね?」

 そして、僅か30分でリンネは走行中の歩谷と角弓に追い付く。全身からは溢れんばかりの殺気と怒気を振り撒き、握るナイフの柄にひびが入る程に。

「これは警告よ」

 相手に対してそんなことが言えたのはせめてもの救いだった。怒りで道中の記憶がほとんど残っていない程に感情的になるのはあまり良くない。少なくとも、怒りのままに相手を惨殺する姿を、ルーザーに見せたいとは思わない。

「もし、ルーザーをこの場で返すようであれば、これ以上の追撃はしない。見逃してあげる――けれど、もしこれ以上手を煩わせるようなことがあれば……」

 退路は与えた。そこから先の責任を、リンネは負うつもりはない。

「確かに嬉しいお話ではありますが……私達はプロです。依頼人がいます」

 感情の枷が外れる音がする。握るナイフに妖気を通していく。

「……人質交換といきましょうか」

「……何?」

 思考が一瞬だけ飛ぶ。向けるべき怒りが寸でのところであらぬ方向に逸れたようだった。

「私としても、今ここで殺されるというのは避けたい展開です。ですが、このまま何も成果の無い状態で帰っても、先方は納得しないでしょう。そうなれば、私達もタダでは済みません」

「私があんた達の身の安全を心配するとでも? 取引を持ち掛けたいのなら、私にその取引に応じるだけの旨味を提示することね」

 取引を持ち掛ける場合、相手にメリットが無いことを提示しては当然のことながら、取引には応じず、成立しない。

「あなたが殺そうとしている対象……彼らにルーザーさんを諦めるように交渉しましょう」

「角弓!? 何を――」

 目を見開く歩谷の口に手を押し当て黙らせる。

「それに見合うだけの材料をあなたから提供していただくことでルーザーさんの命を保証しようというプランです」

「……………………」

 リンネは僅かに目を細め、黙考する。この女の真意が読めない。この場を切り抜けるためだけの嘘八百か、それとも本当に寝返るつもりなのか。

 後ろで警戒心を露わにしている一反木綿の男は先程の女の提案に驚きを隠せていなかったが、それも演技だと疑い出すといよいよ混乱してくる。

「私がルーザーの身の安全を保障させるだけの材料を持っているとでも?」

「その辺りは結構単純なものでいいのですよ。例えば、あの研究施設で見たもの全てを口外しないと約束する、とか」

「……なるほどね。確かに、あの施設で結構凄い物を見たわね」

 言って、リンネは歩谷を睨み付ける。逆らう様子を一瞬でも見せれば、この場で凄惨な末路を辿らせる、と言外に脅迫する。

 伸縮自在で硬度さえも自在に操れる歩谷唐比等の刃は不意打ちにとても有効だ。しかし、現在リンネの隙がまるで見えず、刃は車内で待機状態にある。

「安心して大丈夫ですよ。彼はこう見えて小心者なので、自分の命をわざわざ危険に晒すような真似はしないでしょう」

「おい」

 リンネに向けられていた歩谷の刃が角弓に向きを変える。気を許し合える関係性なのかもしれないが、見ている分にはなかなかに危うい。

「なるほど。確かにそれでは仕方がありませんね。秘密保持のために、私は仕方無く、脅されてルーザーさんをお返しするしかないのでした」

 わざとらしく大げさな言動でルーザーを車内から出し、リンネの元に帰す。歩谷は角弓の真意を察したらしく、抵抗すること無く拘束を解く。

「……ああ、そうだな。俺達は依頼は失敗したが、同時に守れるものはあった」

 観念したように大根役者の如き棒読みで歩谷も呟く。

「分からないのは、あんたが何をしたいのか、よ――寝返るつもりだったなら、何でルーザーを攫った?」

「寝返るなんて、そんなそんな……」

「似たようなものでしょう。何が目的?」

 角弓は答えない。車体を一瞥すると、所々破損が目立つが走らせるには問題の無いレベルだ。

「それでは私と歩谷さんはこれよりその成果を持ち帰り、ルーザーさんが今後上の連中に狙われないように交渉するとしましょう」

 角弓が指を鳴らすと彼女の体内を巡る妖気が車体の破損した箇所から注がれていく。

「ガソリンと妖気を混ぜることによる魔改造です。まさかとは思いますが、追ってはきませんよね?」

「あんた達がこれ以上何もしなければね」

 そうですか、と短く頷いて角弓と歩谷はワンボックスカーに乗り込み、ルーザーとリンネの前から姿を消した。

 ルーザーの誘拐未遂騒動はこうして幕を下ろした。

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