今週の出来事?
スマホでのテスト投稿になります。
問題があれば、後に修正いたします。
金の鍵を手に入れた秋良の日常が変わった。
何故かシキ達に付け狙われるようになり、目下銀の鍵を持っているとされているリユではなく、秋良に勝負を挑んでくるようになった。
月曜日
VSヤス
「な、なにぃ〜!?
シャリとネタの比率の美しさだけじゃない!
全てのシャリの量はほぼ同じ、しかも女性の事を考慮した心遣いまで…!!
と、とても素人とは思えん!」
「寿司なんか握ってねぇよ?!」
火曜日
VSノエ
「全ての声質を使いこなし、かつ透き通るようなその歌声…
ま、負けませんわよ!
ワタクシにはまだ、奥の手が有りましてよ!?」
「声はほっとけ!つか歌ってねぇぇ!!」
水曜日
VSトメ
「お待ち!
ここにまだ、こんなに埃が残っているじゃないかい。
埃まみれのところに押し込めて、アタシを殺す気かい!!」
「嫁姑問題ならヨソでやれぇぇぇ!!」
木曜日
VS(?)早希
「あ、神代くん、週末皆でテスト勉強しよう?
待ち合わせは、午前10時に学校前で!いいかな?」
「首を洗って待ってろ!!」
「え」
金曜日
VSカハ
「ば、ばかな!?
まさか、この、私が!
と、吐血勝負で敗れるとは…ぐ、ぐぁぁぁぁぁぁ!!」
「勝負した覚えがねぇぇぇぇ!!」
土曜日
VSルフ
「ふっふっふ、オイラこそ大賢者と名を馳せし…って、そこー!
オイラはリユに呼ばれやんだぞ!
勝負しに来たんじゃないやい!」
「あ、すまん。」
ノったルフもルフだが、訳のわからない勝負に挑まれ続けていた秋良は勢いだけで受けていた。
「ルーフ〜!久しぶりなー!」
「リーユ〜!久しぶりやー!」
青くて上半身キツネで下半身が蛇?の姿をしたルフというシキがリユと抱き合い、久しぶりに会ったのだろう再会を懐かしむ。
ルフの髪型はリユと違ってツンツンと逆立っているが、上半身だけを見ればお互いよく似ている。
その背中から少し離れた位置にあるペナントのような三角のヒラヒラしたものは羽根だろうか。
「なあ、リユ?」
「なにかな?」
「ルフって言ったっけ。お前ら似てないか?」
秋良の言葉にリユとルフは顔を見合わせると、互いに頷いて説明をしだした。
「それはオイラとリユは生まれが近いかやね。
あ、生まれが近いの意味は、場所と年代のことや。」
「僕たちは生まれてすぐの頃は、生まれた場所からあまり離れないけど」
「近くに同じ生まれたばかりのシキがいると、引き合う性質があるんやよ。」
「引き合ったシキ同士の見た目はよく似るし」
「人間の家族みやいな、絆生まれるや。」
「でもシキとしての能力は違うんなよ。」
「そう、オイラは知識と鉾、リユは空想と盾。」
「でも違うからこそ、生まれの近いシキ同士は強いなよ?」
「そう、生まれの近いシキ同士近くにいれば、相手の能力が使えるんよ。」
「ここまでで何か聞きたいことあるー?」
似ている理由を語り出したルフ、とリユ。
交互に説明する二匹?のシキを見て
「リユが賢い!?」
「え?そこ!?」
リユと出会ってから今までで、初めてまともな説明を聞いた秋良であった。
おそらく、先ほどのように二人?交互に話す為、一人で説明しようとするとぎこちなくなるのだろう、と秋良は納得した。
「じゃあ、いいか?前にリユから聞いた事も含めて」
と質問を開始していく。
・シキの能力には『知識』『空想』『払拭』のいずれかを持ち、三竦みの性質を持つ。
余程の能力差が無い限りは覆せない。
・『鉾』と『盾』はアードの事を指す。
鉾と盾のアードの見分け方は、銀色なら鉾、金色なら盾。
・シキの能力とアードを如何に使いこなせるかで、三竦みの性質を覆し自分の得手不得手が変わる。
・生まれの近いシキ。
相手のシキとしての能力もリスクなしで使える。
今代生まれのシキでは、リユとルフ以外に生まれの近いシキはいない。
リユとルフは近くにいる事で、リユなら『知識』をルフなら『幻想』と二つの能力を扱える事になる。
・シキ同士の連絡手段は、全てのアードには意識伝達の機能があり、近くにいるシキか、自分に繋がりの強いシキに交信する事が出来る。
先日の緑のタヌ戦はこれを利用して会話していた。
ちなみにリユから連絡を受けたルフは、その時カナダにいたらしい。
・最近の連戦の理由。
緑のタヌが「生まれたばかりのシキがいる」と知らせて回っている、とか。
場所まで詳細に。
・ルフの『や』やタヌなら『ぬ』といった方言のようになる理由は、人間の耳にはそう聞こえるだけ。
現にリユ自身、人間になるまでは分からなかったとの事。
「自分で思った以上に聞きたい事が出てくるもんだな。」
特にシキの能力とアードの関係性は、ある種ゲームに通じる所があるな、と秋良は内心思う。
「じゃあ、質問を続けようか。こっから本命で」
・金と銀の鍵についてルフが詳しく知っているのは、前回の願いの内容と銀の鍵の所在地のみで、他に知っているとすれば「イア」と「ワン」、そして「タヌ」との事。
・前回の願いの内容は「人間になりたい」だった。
願ったシキの名前や願った場所、人間になったその後は不明。
・リユが銀の鍵を手に入れた場所は、アフリカ大陸の荒野にある地下遺跡らしい。
・イアは『払拭』の能力を持つシキで、リユが商店街の屋根の上で戦っていた相手。
シキとしての能力は弱いが、その分アードを使いこなしている。
・ワンは『知識』の能力もアードの扱いもそこそこながら、理不尽なまでの巨体と身体能力を誇るシキ。
巨体ではないが、リユもこのタイプ。
・タヌは『知識』の能力、アードの使い方を熟知しているシキ。
全てのシキがタヌを見つけられなかったが、秋良だけが唯一探し当てた。
「聞きたいのはこれで最後、ルフは願いを叶えないのか?」
「オイラ?」
「銀の鍵の在り処を知ってた訳だし、願いだってあるんじゃないか?」
至極当然の疑問。
願いが叶うと知っていて、片割れの所在も知っていれば、願いがあるはずでは?と。
「あるって言ったや、あるかな?
まあ、リユが人間に拘ってやから、オイラも人間になってみやいかもー、と。」
ルフは秋良を見て「リユから方法は聞いてるかや、もう必要ないけやね。」と言葉を続けた。
「じゃあ、鍵は…」
「君が使っていいんやよ。」
「僕達に遠慮なくなー。」
(リユもルフもいいヤツ過ぎる…)
表情には出さなかったが、秋良は心の中で深くお辞儀をした。
◆
時刻は午前十時四十分。
学校の校門前で時計やスマホを見ている、私服を着た秋良のクラスメイト数人。
何人かは一向に現れない誰かに対してイライラしている。
「神代くん、遅いなぁ…」