27話「甲斐機関」
SCARLET27:甲斐機関
・4月24日。日曜日。
さっそくキーちゃんがブラックカードを使って甲斐機関を買収した。
ブラックカードは甲斐アンナの所有となる。
「これで自由に生きればいいよ。」
「・・・・・はい。」
「本当に行くんだな?」
「ああ。俺が定年するまではまだ。」
「そうか。・・・・ライル・ヴァルニッセ、今度は試合で勝負だ。」
「・・・・望むところだ。」
「式を挙げるときは連絡しろ。」
そういって3人は再び海外へ去って行った。
無事甲斐機関は買収できたけど実質まだ結婚してないから
キーちゃんがオーナーということになる。
「じゃ、まずは廉君の怪我から治そう。」
「頼むよ。」
最新技術の医療カプセルの中に入る。
中に入るだけで生物の自然治癒能力が活性化されて
傷の治りが速くなる。
昨日あれだけ殴られたのにもうほとんど痛みがなくなっている。
「ものすごいエネルギー消費だから一日に2時間しか起動できないんだ。
それでも一週間くらいで昨日の傷は治ると思うよ。」
「ありがとう。」
ふと値段を見るとこのカプセルは一台30億もするらしい。
・・・・とんでもないな。
「けどここってお金の管理がすごいね。
今までで一度も赤字になってないよ。」
「・・・・あの子を管理人として残した方がよかったか?」
「あ、でもあの子からメッセージで管理方法のアドバイスがある。
・・・・・あはっ。」
「ん、どうしたの?」
「あの子がね、僕のことお姉さまって。」
「へえ、」
紆余屈折あってキーちゃんのことを認めてくれたようだな。
「けどここってほとんど人間がいないんだよね。
業務とかみんなロボットがやってるみたいだし。」
「なら、一人くらい人間がいてもいいかな。」
「?」
あとで牧島さん辺りを雇ってやろう。きっと喜ぶだろう。
ここは家からも近いし、確かに便利だな。
「廉君廉君、」
「ん?」
「今データを見てみたけどその右足、
とりあえず日常生活に問題ないレベルにまで回復するのに
一か月かかるって。で、完全に治すのにさらに一か月かかるって。」
「そうか。やっぱりまだ本格的には治せないかな。」
6月の赤羽の試合。それを見るまでは安心できないな。
別に赤羽のことを信頼していないわけではないが。
一応学校に連絡したところ7月はほとんど授業がないから
7月の頭から入院できるそうだ。
それなら8月中旬の清武会を見ることもできる。
今の赤羽の実力なら清武会にも十分通用するだろう。
そういえば久遠も8月の清武会に出るって言ってたな。
ならもう一度二人の戦いを見ることができるかもしれないな。
「そういえばさ、廉君は足が治ったらどうするの?」
「どうするのって?」
「空手だよ。指導員辞めて現役選手に戻るの?」
「そうだね。そこは大倉会長次第だけどどうだろう。
赤羽もそろそろ普通の道場に通わせた方がいいのかもしれないし。」
いつまでもあんな小さな道場に
居座り続けていられるほど小さな器でもない。
赤羽には才能がある。久遠ほどではないにせよ俺の手には余りそうだ。
どのみち7月8月は俺は入院して稽古はさせてあげられないから
大倉道場で稽古を受けることになる。そのあとだな。決めるのは。




