その1
冬童話2016への投稿です。
12月22日 終業式
2学期が今日で終わる。
ボクはヒロと云います。小学校4年生。10才。広島県安芸郡安芸町に住んでます。
学校は温品小学校。今日は半日で終了。てっちゃん や ゆうじ君と帰ろうか?とも想ったけど、1人で、真っ直ぐ帰ろうかな。家は急いで歩いて40分。間所に有ります。
童話「まどころきつね」って知らない? ハッピーエンドの「聞き耳頭巾」の方が好きだけど。
道路は危ないので、川土手の道を帰るんだけど、キラキラの水面がボクを誘う。笹の葉を取って 両端を折って1cm位3つに裂いてまん中に差し込むと、舟が出来る。
でね、小魚に「ゴメンね」って退いてもらって舟を浮かべる。そっとね。
舟は流れに押されて進み出す。
舟はクルクル回りながら他の草や石を避けて、避けれなくてぶつかってクルクル クルクル回る。
舟が引っ掛かっても助けない。時間はゆっくり流れてく。ほら また進み出す。
真っ直ぐ舟と一緒に進むと最初の橋。この橋を右に行くと郵便局。左に行くと山が有って、山に神社と幼稚園。
下は通り抜け出来無いので一回 川土手に上がる。
ぐるっと見回すと誰もいない。ちょっと淋しいけど全部独り占めもちょっと良いかな。
こんな時は注意しないと「引っ張られる」コトが有る。悪い気配がする時は強く「帰る」気持ちを持って(舟とか忘れて)帰る。
悪い匂い(雰囲気)はしないけど、寒さが少しピリピリするので真っ直ぐ帰るに変更。
2つ目の橋の前。川土手の右手に文房具屋さんがある。エンピツ削り用の「肥後守」、そろそろ研ぎ直しが必要かな?
ここで道路を渡って畦道に入る。待って、ネコの声。「ヒー」と「ミー」の間の声はSOSだね。
あぁ居た居た ほら あの門の上。2m位上で踞る茶虎。
たまにイリコやると「ふにゃふにゃ」云いながら食べる野良猫。さて 手は届かない。
ここは阿部さんの家。よく町内会の集まりで大声で話してるおじさん。
ピンポンして事情を話して脚立を借りる。「わしが やったろうか?」と前のめりの阿部さんに「猫が恐がるから ええです。(遠慮します。)」と断る。
門の横に脚立を立てて手を伸ばす。「ほら見い(そらみろ)。たやーせん(届かない)。」阿部さんウルサイ。
さすがに隣でガタガタしてたので、茶虎 ガン見してくれてる。
手の平上にしてスッと差し込むと肘まで進んで、しがみついてくれた。爪ちょっと痛い。恐かったんだね。
用心しいしい脚立を降りて茶虎を放す。シッポ立ててボクの脚に2回スリスリ。お礼かな? ボクも脚立を片してお礼を云おう。
家まで後半分。お腹がすいた。少し急ぐ。
コッチ見てる あのお爺さん。誰だろう? 嫌な匂い(雰囲気)しないけど。引っ越しかな?
まずは挨拶。「こんにちは。」「はい こんにちは。」声が若い。
「あんたぁ(貴方) ちいと(ちょっと)てつどうて(手伝って)もらえん?」ウ~ン1回帰らないと。
「1回帰らんと親が心配するけん。お腹もすいたし。」ゴメンねお爺さん。
「ほーねぇ。気ィ付けて帰りンさい。」おし。帰ろう。
あれ。道が少しオカシイ。「行くな!」サインを感じる。道を間違えた時のイメージ。
辺りを見回す。アッと猫発見。じゃなくて。 いや正解かな。
あの三毛猫は青原さん宅のチャコかな。「チャコ」お 来てくれた。
「一緒に帰って」撫でながら お願いしてみる。チャコもう少し撫でて欲しそう。手に頭グリグリと。
3分くらいで満足したのか、尻尾フリフリ歩き始めた。えっソッチ? 戻って右? 遠回り?
アレ? アレ?って思っる間に ここは青原さんち。道は覚えてない。
「チャコありがとう。」ここからなら5分で家まで帰れる。
主人公を(例えば)妖精や妖怪に会わせてやろう!と考えるのですが、カレイにスルーされます。なんで?
次回後半戦。