奇妙な形の肉オブジェクトの憂鬱
あらすじ
バレンタインの日に俺は鈴宮が俺の親友の大月宛てのチョコを持っているのを見つける。
「なな…なんでよりによってあんたなんかにみつかんのよバカッ!」
そんなことを言われてもたまたまだからしかたがない。
「それ。大月にあげないの?」俺はきれいに包装されたチョコを指差して聞いた。
「なによ!私を意気地なしって馬鹿にするの?そうよ。恥ずかしくて結局渡せなかったのよ!」
なんとか強気でいようとするところがなんともいえず可愛いらしかった。
「あーもう今日は本当最悪。いい?この事人に言ったら承知しないからね。あっそうだ。あんたの好きな人を教えなさいよ。交換条件よ。」
いきなり無茶なことを言われ俺は動揺した。
「私にできることがあったら手伝ってあげるから。あっ。勿論あんたにもこうなった以上私の恋の手伝いをしてもらうけどね。さあ誰なの?言いなさい!」
俺は勿論本当に好きな人の名前を言えるわけなんてなかった。
「長戸さんかな…」迫力におされた俺はとっさに長戸裕子の名をあげた。彼女は鈴宮の親友でもある。
「へえー。あんた長戸さんがタイプなの!?あんたなんかに裕子はもったいないわ。」
うるせー。長戸は見た目もよく何よりとてもいい人なので、こいつのハチャメチャな行動にも優しく微笑んで対応してくれると思ったのだ。俺と釣り合うとは最初から思っていない。
「じゃあ早速今週の週末に4人ででかけましょ!ちゃんとセッティングするのよ。」
なんつう行動力だ。なぜチョコを渡せなかったのか理解に苦しむ。
週末、鈴宮が言っていた通り4人ででかけることとなった。
鈴宮は大月の前では、普段俺といるときが信じられないぐらいしおらしかった。
俺と長戸はというと…いつものおとなしめでクールな長門ではなく、明らかに俺を意識して顔を赤らめていた。緊張しているのか普段みられない彼女のドジな一面もかいま見られ、俺は万更でもなかった。
4人で遊ぶことはこれからも度々あった。まさに青春だった。
ある日、俺と長戸の二人きりの時、ふいに長戸が口を開いた。
「朝田君は私のこと…好きですか?」
「え!?いや。そりゃそうだけど…」俺はとんでもなく動揺した。
「私は朝田君のことが好き。」
長戸の目は優しく、恥ずかしそうながら、本気の目をしていた。
「私は最初朝田君に誘ってもらった時、びっくりしたけど本当に嬉しかった。朝田君のことがもっと知りたいと思った。今まで4人でたくさん遊びに行って、朝田君のよいところを日に日に知った。朝田君のよいところの一つは嘘がつけないこと……。朝田君が本当に好きなのは鈴宮さんのことなんでしょ?」
俺は何も言うことができなかった。確かに俺がずっと好きだったのは鈴宮のことだった。でも今は鈴宮と長戸のどっちを選べといわれても選べない。俺は二人とも好きだった。
俺は鈴宮に会わなくてはいけない、会って何かを言わなくてはいけない。そう思い駆けだした。
目の前にあったのはオブジェみたいな奇妙な形と色をした鈴宮だった。
大月「さあお前もこいつを殺すなり殺すなりして殺すんや」
俺は
「なんで両腕ないねん。お前は俺のビーナスか!」とゴキブリの足を脳につっこんだ。
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