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このままでも

 次回は、登場人物紹介スカスカだよ。キャラが増えたり、性格が良く解ったりし始めたら、追加するよ。

 あと、近いうち気が向いたらあらすじを変えるかも。


 前回のあらすじ:一義たちは、能力の制御のため、伝説の魔剣を探すことを新たな目標に、歩き出す。あらすじ飽きてきた。

 マイはまた、少し離れた場所に居るカマキリを睨み付けている。

「あ、ちょっと…」

「ナイフを出して」

 一義は、やはりスキルを使った方が良いのではないだろうか、とその背中に手を伸ばしかける。しかし、マイがカマキリから視線を外さぬまま、一義の言葉を遮るようにスキルを要求してきたために、一義の手は空気を掻くだけに終わった。

「……」

 一義は、彷徨っていた手をケータイに添えて、とにかくこれでカマキリに対抗できるようになるかもしれない、とスキルを発動させる。


『SOUL CUTTER』


 瞬きほどの間に、マイの手の中には、以前と同じ飾り気のないナイフが握られていた。

 マイは手のひらに吸い付く感触を確かめると、再び真っ直ぐにカマキリの下へ駆けて行く。

 その背中を何とも言えない気分で見送り、一義は最初にスキルを使ってから動きのない少年を探す。勿論マイ達の方には常に気を配りながら。

 一義よりも更に戦いから離れた場所で、少年はケータイを片手に戦いを見守っている。だが、不思議と一義は、少年の方が戦いの近くに居るように感じた。

 少年は一義の視線に気付くと、戦いから目を離さぬままゆっくりと近づいてくる。

 その余裕に溢れたような態度に、一義は腰が引けたが、後ずさればそれだけ戦っている場所にも近くなる、そのため距離を取ることも出来ずに、少年が近くにやって来るのをただ見ているしかなかった。

「どうも」

「…ど…どうも」

 今戦っている相手と対峙している、とは思えないような普通の調子でいきなり話しかけてきた少年に、一義は得体の知れない不気味さを感じながら、軽く頭を下げる。

 少年の態度の理由は、自信か余裕か、それともこの戦いをあまり重要と捉えていないからなのか、一義には判断がつかなかった。

「何か戦う理由ってあるんですか?」

「えっ?」

 少年のいきなりの問いに、一義は咄嗟に返すことが出来なかった。

 以前一義も似たような言葉を、戦いを挑んだ青年に投げかけたことがある。

 少年が何を思ってそんな質問をして来たのかは一義には判らない。或いはただの暇潰しの好奇心かもしれない、必ずしも答える必要はなかったのかも知れない。だが、今の一義はその言葉はとても重要なことに思えた。

「…特に、無いよ」

 一義の返した答えもまた、いつかの青年と似通ったもの。

 本当は、無いわけではない。パートナーを見殺しにしたくないから、と言う理由とも言えない様な理由ならある。だが、一義は少年の聞いていることはそんな事ではない様な気がした。何より、今更迷っている自分が、それを戦う理由として口にするのは憚られた。

「…ふーん」

 どうでもよさそうな少年の相槌に、一義はやはり今の質問に、大した意味は無かったのだろう、とどこか安心したような心持で息を吐く。

「あのパー…」

 少年が再び口を開きかけたとき、マイ達が戦っているほうから金属同士がぶつかるような甲高い音がして、一義は慌てて振り向く。

 一義たちの居る場所からだいぶ離れたそこでは、マイとカマキリが正面から向かい合っていた。

 マイがわざわざ正面からカマキリに向かっていくのは、前脚のほうが動きが読みやすいからだろう。

 マイは、カマキリの繰り出してくる前脚を避けながら、隙あらばナイフを突き刺そうと腕を伸ばす。だが、その度に前脚のどちらかに阻まれ、甲高い音を響かせる。

 どうやらあのスキルは、ただ触れたものを切れるようにするだけでなく、まるで金属のように身体を硬くする効果もあるようだ。

「……くぅっ!」

 マイは苛立たしげにナイフを振るっては、迫り来る鎌を避けようとする。しかし、リーチも手数も勝っているカマキリに、ナイフ一本で立ち向かうのは限界があり、傷は絶えず増えていく。1つ1つは大きな傷ではないが、すでにいくつも刻まれたそれは、彼女の姿を斑に染め上げていた。

 今まで見てきた中では接近戦しか出来ていないマイと、近づくだけで傷の増えていくカマキリの相性は、かなり悪いのではないだろうか。

 2体の戦いを、ケータイのスキルのカーソルをインパクトに合わせながら、息を呑んで見守る一義に対して、一義とは違い、余裕のある態度で戦いを眺めながら、一義の横までやってきた少年が口を開く。

「あのパートナー、強いんですか?」

「……ん、え?」

 戦いから目を外さぬまま、一義は少年に気の無い返事を返す。そんな一義に、少年は先ほどより少し大きな声で、似たような質問を繰り返した。

「だから、今戦ってるあの子、強いんですか?」

「…え?強いかって、それは……」

 一義は少年の問いにどのような意図があるのか解らず、横に立つ少年を、目だけ動かしてチラチラ確認しながら、戸惑ったように言葉を探す。

 実際、マイがどの程度力を持っているのか、一義には解らなかった。マイが言うにはスキル以外は大したことが無いようだったが、それでも2回は勝って来た。どちらも楽勝とは言えなかったが、マイの力で勝てた、もしかすると彼女は言うほど弱くないのかもしれない。

「よく判らないけど……2回は勝てたよ」

「へぇ…そうですか」

 隣で、どことなく侮っているような響きを持つ相槌を打っている少年に、一義は訝しげな視線を向ける。

 今まで戦ってきた二人は、戦っている途中に無駄口など叩いてはいなかった。

 一義はなんとなく不快に思い、少しだけ少年から身を引く。

「さっきから思ってたんですけど……」

「……?」

 今までとは違い、少し言いづらそうに言葉をためる少年に、一義は戦いから目を外し首だけ振り向いた。

「パートナーはともかく――」

 少年は、口の端を少しだけ持ち上げていて。


『SPINE STICK』


「――大したことないですよね」

 少年の言葉と、ケータイから発せられる電子音声に、一義が戦いから離していた目を戻そうとしたその瞬間。

「つあぁっ……!」

 少女の声が響く。いや、声というより悲鳴と言ったほうが正しい。

 一義がマイに目をやると、少女は赤く染まった右腕を押さえ、カマキリから距離を取ろうとしている。しかし、脚はふらつき、何時もの動きとはかけ離れた頼りない足取りだ。

「……!」

 一義は、マイの腕を視界に納めると息を飲み、隣にいる少年を軽く睨み付ける。

 彼が悪いわけではない、そういう戦いなのだから、自分も今まで傷つけ倒して来たのだから。しかし、理屈ではそう判っていても、あんな少女を平気で傷つけられる少年に一義は嫌悪感を隠せなかった。

 だが、一義は少年の表情を見て、平気で傷つけている訳ではない、と解った。

 笑っている。

 一目見て解るほど笑っている訳ではない、むしろ解りにくいだろう。軽く目を見開き、近くで見なければ解らないほど口の端が震えている。

 まるで、ゲームか何かで、苦労して敵を追い詰めたときのように、心地よい緊張と、手の届く場所に勝利のある優越感に浸っているような、そんな表情だ。

 そこまで考えて、一義は先日岡崎に聞いた『ゲーム感覚で参加している奴ら』という言葉を思い出す。

 彼もそんな中の1人なのではないだろうか、と一義は少年の表情を見ながら考える。

 もしかすれば、先ほどまでやたらと話しかけてきたことも、策士気取りで一義の気を戦いから逸らそうとしたのかもしれない。

 だが、仮に注意を逸らされていなくても、一義には何も出来なかっただろうが。

「……」

 一義は、唇を軽く噛みながら、視線をマイに向ける。

 カマキリに追い立てられ、先ほどより一義たちの近くにやってきたマイは、よく見ればナイフを持っていなかった、恐らく先ほど腕を怪我した時に落としたのだろう。

 マイの腕からは絶えず血が流れ出しており、それが傷の深さを物語っていた。

 一義は、何が出来るわけでもないのだが、とにかく傷の状態を確認しようと、カマキリの様子を窺いながらマイの下に駆けて行く。

「大丈夫!?痛い?」

 痛いに決まってる、そう思いながらも、一義は言ってマイの腕を取ろうとする。

「いい……!」

 一義が腕に触れようとすると、マイは怪我を抑えていた方の腕を外し、一義の手を押し返す。

「……っ!ちょっと!すごい怪我だって!」

 血の溢れ続ける腕を押さえつけていた手で触られたために、一義の腕にも血が付いてしまっているのだが、それに構わず一義はマイに詰め寄る。

 抑えていた手がどけられ現れた傷は、深い。赤い液体と肉に隠れ良くは見えないが、太い何かを突き刺したような傷は、腕を貫通しているように見えた。

「うっ……。と、とにかく一旦逃げて、血を止めるだけでも……!」

 嗅ぎ慣れない生臭い臭いと少女の腕の無残な有様に、唇が振るえて、のどの奥から何かが込み上げて来そうになるのを感じながら、一義はマイの怪我をしていない方の腕を取って逃げ出そうとする。

「……いいっ、このまま戦う……」

 マイの腕から溢れる血は、既に腕だけでなく右半身を赤く汚し、反対に少女の顔は急激に色を失っていく、痛みに歪められた顔からは汗が噴き出し、全身が小刻みに震えている、そんな状況でありながら、マイは一義の手を振り払った。

「そんな顔色で……!」

 頑なに引こうとしないマイに、一義が声を荒げかけたとき、それを遮るようにマイが一義から顔を背けながら口を開く。

「逃げてる…余裕なんてない……!」

 一義がマイの視線を追うと、そこには、片方の鎌を酷く血で汚したカマキリが、すぐ近くまで迫っていた。

「…あっ」

 止め様とする一義の手をすり抜けて、マイは再びカマキリに向かって行く。カマキリとの戦いが始まってしまえば一義は割り込むことも出来ない。

「……ん」

 あまり近くに居ると邪魔になってしまうだろう、と一義は再びマイとカマキリから距離を取る。だが何となく少年の近くには寄らない。

 一義はケータイに画面に映るスキルを見ながら時間を確認する、今はここに入ってから5分ほど、逃げるにはまだ足りない。

 マイはといえば、先ほどナイフも落としてしまい、完全に丸腰の状態でカマキリと対峙している、当然ながら逃げ回るだけしか出来ず、先ほどから傷は増えないが、状況は追い詰められていく一方である。

 腕を押さえながらカマキリの脚を避けていくマイだが、その動きは今までと比べると雑であり、身体にも頭にも、力が入っていないことは明らかであった。距離を開けて逃げに徹しているから何とかなっているものの、反撃など出来るようには見えない。

「…っぁ」

 いずれやって来るべき限界が来たということなのだろう、マイが脚を引っ掛けてバランスを崩したのは。

 幸いカマキリの攻撃が直撃するような事はなかった、だが、マイが倒れこんだ先にはカマキリの細い脚があり、その脚に触れれば、マイの身体はいとも容易く切り裂かれてしまうだろう。

 一義もそれが解っていたから、目を見開いてケータイをかつて無いほど強く握り締めた。

「……え?」

 しかし、カマキリの脚に触れたマイの身体の一部が宙を舞うことは無く。

 マイはとにかく立ち上がらなければと、片方だけしか動かせない腕に力を込め、身体を引きずるようにフラフラと立ち上がる。

 一義は、何故切れなかったのか、スキルの効果が切れたのか、と少年の方を確認するが、少年は至って余裕な顔を崩さずに、戦いに目を向けている。ここまで追い詰めれば、後はスキルが無くとも問題ないと考えているのかもしれない。

 立ち上がったマイは今が好機だと考え、一撃で相手を行動不能まで追い込めるよう、カマキリの頭部を狙おうと震える脚に力を込めた。

「……っ!」

 後数歩、そして飛び上がれば、カマキリの頭に手が届く、そうすれば勝てる、マイはそう思っていた。

 

『SPINE STICK』


 相手の反撃を考えることが出来なかったのは、それだけ頭に血が足りていなかったということなのだろう。

 先ほど腕に傷を負わされたスキル、マイの脚は自然と動きを止め、頭にも力が入らなくなる。恐怖に竦んだ訳ではない、先ほども同じようになったために避けられなかった、そういう効果を持ったスキルなのだ。

「……あ」

 当たる、マイはそう思った。実際、カマキリの血に濡れた鎌の先はマイに向けられており、迫ってきている。とてもではないが避けられえる速さではない。

「……あっ!」

 一義は、今度こそ駄目だと思った。マイは動けない、一義は動かない、カマキリは早い、少年は勝利を確信している、負けたと、そう思った。

 狙いは、頭。普段なら、少し動かすだけで避けることが出来るような場所を狙ってきているにも拘らず、マイは避けようとすることが出来なかった。

 せめてもの抵抗なのだろうか、マイ自身にも良く解らなかったが、頭を庇うように手を翳した。そんなものでは防げない、解っている、ただの反射だ。

 迫ってくる尖った鎌は、翳した手も突き破り、マイの眉間も突き破り、マイの頭蓋も突き破り、マイの命も突き破るのだろう。

 一義がその時感じていたのは、悔しさでも、怒りでも、落胆でも、安堵でもなかった。ただ、少女の身が危険であると、それしか頭に無かった。だから。

 マイの翳した手に、カマキリの鎌が突き立つ。


『IMPACT』


 まるで巨大な風船を破裂させたかのような、小気味の良い音があたりに響き渡る。

「……え?」

 先ほどまでマイの手のひらに、突き立てられていたはずの、カマキリの前脚は今はどこにもない。いや、あった。形が変わっているだけだ。

 カマキリの前脚は、その身体からもげ、元の形が解らないほどぐしゃぐしゃになって、吹き飛ばされていた。

 カマキリは、突然の衝撃のためか、痛みのためか、その身体を大きくぐらつかせている。

 一義は、咄嗟に自分が取ってしまった行動に自分で驚いて、固まっている。

 状況が飲み込めると、マイの視界がはっきりする、痛みは消えないが、脚も動く。

 マイは、血の足りない身体で飛び上がり、ふらついているカマキリの細い首を鷲掴みにすると、力の入らない喉を振り絞って声を上げる。

「スキルを使って!」

 その言葉を言い終わるかどうかという内に、我に返った一義が慌ててもう一度ケータイのボタンを押す。


『IMPACT』


 またも先ほどと同じような音と共に、カマキリのその柔らかい首から上が、消失する。

 カマキリの身体から力が抜けると同時に、マイも自身の脚で立つことが出来ず、へたり込んでしまう。

 あまりにも呆気無い終わりに、一義が少年のほうを確認すると、彼は何が起きたのか理解できていないような顔で、ケータイを片手に立ちつくしている。

 しかし、状況が飲み込めると、今までの余裕のある態度とは一変して、目を見開き声を上げた。

「……はぁ!?いや、さっきまで勝ってたじゃ――」


『YOU WIN』


 世界がその姿を取り戻すのと同時に、マイ達は、まるで溶ける様に消えてゆく。



 世界が元に戻ったとき、一義はまた頭が熱に浮かされたように、上手く物を考えることが出来なくなっていた。

 3度目にして思うが、この頭が重くなる現象は、非日常に触れてきたために呆然としている訳ではなく、あの空間に行って来た副作用なのかも知れない。

 一義が自分の着ていた服を確認すると、先ほどまでべっとりと血糊の付いていた服は、色褪せてはいるが、赤い染みも無く綺麗なものだった。

 虚ろな瞳であたりを見回すと、先ほどまで対峙していたあの少年は見えない、探せばどこか近くに居るのだろうが、会いたいとも思わない。一義は、とにかくこの場から離れようと、逃げるように精一杯早く脚を動かす。まるで、酔っ払いが歩いているかのように頼りないが、流石に転ぶようなことは無かった。



 だいぶ、戦った場所から離れただろうか、もう周囲に人は居らず、一義の頭もはっきりしていた。

 一義は、先ほどからずっと手にしているケータイに視線を落とす。今まであれほど彼女と話すことを躊躇っていたが、今回ばかりはそうも行かない。

 以外に迷いの無い動作でケータイを開くと、そこに表示されている数字を確認する。

 

『SP1107』『残り421』


 それを少し眺めた後、コールを押し、ケータイを顔の横に持っていく。

「……居る?」

『…居るよ』

 少女の何でもなさそうな声に、一義はとりあえず安心する。

「えっと、怪我は大丈夫……?」

『大丈夫、戦いが終わればリセットされるから』

 リセット、その響きに寂しさのようなものを感じながら、一義は、良かった、と息をつく。だが、と表情を引き締めて、一義は再び口を開く。

「それであの、……ごめん」

『何が…ごめん…?』

 一義の突然の謝罪の言葉に、マイは戸惑ったような声を上げる。

「あの、色々在るけど、今のは……スキル、勝手に使っちゃったから」

 咄嗟にスキルを使って、窮地を脱せたのは良いが、戦っているときのマイを見ていると、何か悪いことをしてしまった様な、怒られてしまう様な気がするのだ。

 まるで親の持ち物に悪戯でもしたような一義の態度に、少女はケータイの向こうで、困ったように小さく息を吐いた。

『あなたは、変だね。プレイヤーはそんなこと気にしないのが普通だよ』

 変、と呟く一義に、少女は続けて言う。

『いいよ。ああいうのなら、いい』

 戦っているときとは違う、普通の少女のような声に、一義は少しとぎまぎしてしまう。

「あ…うん、……ありがとう」

『ううん、ありがと』

 少女はその言葉を残して、またケータイの向こうから気配を消した。

 また、ありがとう。また、返すことが出来なかった。

 一義は、でも、と小さく息を吐く。

 少しだけだけど、役に立てたかもしれない。

 あの時、スキルを使わなければ負けていた、負けることが出来た。それでも、彼女を助けてしまったのは、ただの同情とは、また違う気がした。

 そんなことで彼女に対する自分の気持ちが、解決できた訳でないのは解っている、少し役に立てたくらいでいい気になるのが良くないのも解っている。

 それでも、もう少しだけ、この中途半端な気持ちで居ることが、許されるかもしれない、許してくれるかもしれない。彼女の声を思い出しながらそう思う、思ってしまう。

「もう少しだけ――」

 少女と向き合う勇気はまだ無いけれど、少し話すくらいなら、自分にも許されるかもしれない。


「――このままでも、良いのかな」

 パートナーの種類は、大きく分けて3つ。

 シーゲルさんのような、無機物をモチーフにした『無機物型』

 メルタ君のような、生物の姿を模した『生物型』

 マイのような、人に近い姿と知能を持った『人型』

 

 知能は、基本的に上に行くほど低くなり。逆に肉体的な強さは、上に行くほど強くなる。

 無機物型は、具体的で細かな指示を出すことで、真価を発揮する上級者向け。

 生物型は、大まかな指示を出して後は好きにやらせたほうが強い、中級者向け。

 人型は、何も言わなくても動いてくれる、初心者向け。



 今日のスキル:スパイン スティク

 例によって、カタカナにすると間抜け。どんな名前にするかだいぶ悩んだ。

 近くにいる相手の動きを、少しの間だけ止めて、攻撃するスキル。攻撃するところまでが、1つのスキル。

 物理的に動きを止めるのではなく、避ける気を起きなくさせる、いやらしいスキル。

 地味な見た目を裏切らず、威力は低いため、頑丈な相手には効きづらい。

 ゲームで言うと、必ず当たる代わりに威力の低い攻撃、見たいなもの。

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