白猫は。
俺は大雨が降っている日
気分も優れなかった。
一匹の猫を拾った。
それは
そのときは神様しか知らない
運命の出会いだった。
俺は学校帰り
傘を忘れて走って帰っていた。
「あぁぁっもー!傘忘れるとか…!」
ん?あれ、猫だよな。
捨て猫か?
「にゃぁ~」
切なそうにこっちを見て
泣く真っ白な猫。
…ちょうどいいか。
俺一人暮らしで寂しいしな。
俺は猫を抱き上げてまた走り出した。
―ガチャッ、バタン
「とりあえず…体拭いてやるか。」
俺は洗面所に行って猫を拭く為の
タオルを持って猫を拭いた。
「にゃおっ…!いてて…」
…え。
今喋ったか?
「あ。…猫が喋るなんて
気持ち悪いだろ?なれてるから、捨てていいぞ。」
そりゃぁ、驚いたけど…。
捨てるわけない。
「捨てるわけないだろ?
逆に誇りに思うよ。喋る猫なんて。」
「…そんな風に言われたの、初めてだ。
じゃぁこれでもそう言える?」
―ボンッ
え…。
俺が抱いていた猫は猫じゃなく
一人の美少年だった。
「これでも俺を捨てない…?」
その少年の目は切なそうだった。
「…あぁ、言えるよ?とりあえず…名前は?」
「…っ!…俺は…浪合白。よろしくねっ…!」
「俺は小波大河!よろしくな、ハク!」