表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/33

025



アカリは、クロを連れて長い道のりを進んだ。


それはもはや旅ではなかった。

**鍛錬という名の地獄**だった。


毎日、休みなく続く訓練。

肉体だけでなく、精神までも削られる日々。


アカリは何度も言い聞かせる。


「楽な人生を望むなら、

まず自分自身を徹底的に痛めつけろ。」


「肉体も、頭もだ。

どちらも例外はない。」


――そして、二か月が過ぎた。


クロは一人で国境を越えられるほどになり、

さらに一か月の旅を続けた。


だが、その時だった。


アカリが、当然のように言った。


「海路で行く。」


クロは知っている。

その国の海軍は、世界屈指の戦力を誇ることを。


なぜ、わざわざそんな危険な道を選ぶのか。

理解はできなかった。


だが――

師であるアカリは、**圧倒的に強い**。


彼らが辿り着いたのは、一つの浜辺だった。


他の美しい海岸とは違い、

そこはスラム街に属する海だった。


ゴミが散乱し、

海水は濁り、

鼻を突く悪臭が漂っている。


アカリは岸辺に立ち、

静かに手を海へと伸ばした。


次の瞬間――

**凄まじい音波が放たれ、海岸一帯を駆け抜ける。**


約十五分後。


海面が、大きく揺れた。


姿を現したのは――

**異常なほど巨大なイルカ**。


その身体は規格外で、

全身には無数の深い傷跡が刻まれていた。


アカリは振り返り、言う。


「乗れ。」


クロが理解する間もなく、

その背に乗せられ――


二人は、一気に大海原へと飛び出した。


「す、すげぇ!!

どうやってこんなことを!?」


クロが叫ぶ。


アカリは淡々と答えた。


「前に調伏した。」


「アステリオンに到着した直後だ。」


「力でねじ伏せ、

無理やり従わせる魔法――

いわゆる“調伏術”だ。」


「なかなか便利だぞ。」


だが、すぐに付け加える。


「ただし、限界はある。」


「無差別に使えばいいというものじゃない。」


「使い魔を成長させたいなら、

最終的には**自らの意思で従わせる必要がある。**」


アカリは、わずかに笑った。


「道中で運が良ければ――

東洋竜や西洋竜に出会えるかもしれん。」


「それを従えられたなら……

何代にもわたって自慢できるだろうな。」


そう言い終えると――


アカリは、**そのまま海へ飛び込んだ。**


クロは言葉を失う。


水中を歩くだけでなく、

アカリは**信じられない速度で海中を駆けていた。**


その声が、水の中から届く。


「これが次だ。」


「――お前に教えるものだ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ