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クuroが目を覚ましたとき、

彼は**宙に浮かんでいた**。


体がふわりと軽く、

まるで何か見えない力に支えられているようだった。


背中にはまだ鈍い痛みが残っている。

だが――

それ以外は、**まったく問題ない**。


クuroははっとして、自分の両腕を見た。


確かに、あの時――

必死に攻撃を受け止めたはずだ。


**完全に折れていた。**


それなのに今は、

まるで何事もなかったかのように元通りだった。


「……師匠の魔法、ですか?」


下で腕を組んでいるアカリが、不機嫌そうに答える。


「ああ。」


「だがな……正直、がっかりだ。」


「人様の屋敷に忍び込んで騒ぎを起こし、

挙げ句の果てに半殺しにされるとはな。」


クuroは頭をかきながら、苦笑した。


「だって……気になっちゃって……」


ふと、思い出したように顔を上げる。


「そうだ師匠、

あの時使った技って……重力で相手を吹き飛ばしたんですか?」


アカリは首を横に振った。


「違う。」


「**覇気**だ。」


クuroの目が大きく見開かれる。


「覇気……? 重力と何が違うんですか?」


アカリは空を見上げ、淡々と語った。


「重力は肉体に作用する力だ。」


「だが覇気は――

**相手の細胞一つ一つに干渉する**。」


「自分より弱い者は、

脳が勝手に拒絶反応を起こす。」


「恐怖、生存本能、意志の崩壊――

それらすべてが、戦う意思を否定する。」


「十分な覇気を浴びれば、

魔法すら発動できん。」


「だからあやつは……

和解を選ぶしかなかった。」


クuroは呆然と口を開けた。


「す、すげぇ……

師匠、めちゃくちゃカッコいいじゃないですか!」


そして勢いよく言った。


「じゃあそれ、教えてくださいよ!」


アカリは冷たい視線を向ける。


「……愚か者め。」


「罰だ。」


「今日から、

次の国に着くまで**俺を背負って歩け**。」


クuroは一瞬固まったが――

すぐに満面の笑みを浮かべた。


「それでいいです!」


「でも絶対、覇気は教えてくださいね!」


アカリは小さく鼻を鳴らした。


---


翌日。


アカリはクuroを、まったく別の場所へ連れていった。


巨大な闘技場。

観客の歓声と笑い声。

貴族たちの退屈を満たすための空間。


アカリが言う。


「ここは**金を稼ぐための闘技場**だ。」


「傭兵、冒険者、魔術師……

命を賭けて戦い、

金持ちの娯楽になる。」


彼はクuroを見下ろした。


「お前も出ろ。」


「今のお前が、

どの程度の実力なのか――

確かめる。」


クuroは一切迷わなかった。


その瞳が、静かに燃える。


「……出ます。」


金のためじゃない。


名誉のためでもない。


ただ――

この残酷な世界で、

**自分がどこまで強くなったのか**

知りたかっただけだ。


---




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