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推しがうちの玄関にいるけどどう見ても毛虫な件  作者: 乃間いち葉
2章 王太子の食客、メインキャラと遭遇

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21. 推しとわたしと王太子とじゃじゃ馬2

エターナルから逃げるなッ!!!!!

 

「なに見てるんだよブス!」

「オルテンシア」


 レオナルドが疲れたように額に手を当てつつ、わたしに威嚇する第二王女──オルテンシアの名前を鋭く呼んだ。

 部屋に呼ばれたオルテンシアはレオナルドをキッと睨みつけて、「ルシアがいるのに不潔だ!」と指を差して兄を糾弾している。


「その単細胞をどうにかしろと言ってるだろ。そこに座るフィナ嬢は縁結びの達人であり、お前のためにわざわざ宮殿まで呼びつけたんだ」

「僕は結婚はしないと言ってるだろ!!」


 僕っ娘で男装。属性過多すぎて前世のオタクが心で荒ぶっちゃうね。オルテンシアは銀髪を短く切り、男性用の乗馬服に似たデザインの服を着ている。高い身長と足の長さによりそれはそれは似合っており、ハンサムショートのような髪型に涎が出そう。

 わたし、スノウのこと笑えないな。


「結婚しろ。陛下のご命令だ。結婚したら離婚しようが夫を殺そうが構わない」

 そこは構いなよ。腹黒通り越してるよ。


「嫌だよ!! 相手が可哀想だろ!」

 わたしはシームレスにスッ……と合掌をしそうになった。根は良い子、オタク大好き。あとついでになんでこんな濃いキャラなのに原作で出てこなかったんですか、って執念で前世の原作者様の首根っこ引っ掴みに行きそう。


 ブスって言われたのは正直気になりはすれど、根は良い子そうなので嫌いにはなれない。まあ確かにオルテンシアに比べたらわたしなんてブスであるし。


「お前が九回も破談にならなければ私だって口を出していない。父上がお前を三十も上の侯爵の後妻に差し出す前に観念しろ」

「クソ……ッ」

 オルテンシアが歯噛みをしている。

 妹にも容赦がない。優しさがルシアちゃん限定なのはわかるけど、この手のキャラは「もしも好きじゃなくなったら有象無象への態度と同じになるのでは……?」と疑念を抱きかねないんだよな……。


「わかった、さっさとしろ! 僕は忙しいんだ!」

 レオナルドの横にどかりと座り、オルテンシアは足を組んでわたしをジロリと見てくる。


「皇太子殿下、そしてオルテンシア殿下。留意点がありますがよろしいでしょうか」

 リリさんに向けて言ったことと同じことを告げる。つまり「縁結びの相手は死んでるかもだし同性かもだし運命であれど別に他の人間でも幸せになれるんだよね!」ということである。


「それって意味あるの?」

 オルテンシアが痛いところを突くので、わたしは「永遠の愛を殿下が望むのなら」と微笑むだけに留めた。


「胡散臭いな。兄上、なんでこんな三流占い師をつれてきたんだよ」

 ボロクソ言われているが、わたしは平民なので何も言い返せない。今こそ身分制度の廃止を訴えて走り回りたいが、そんなことしたらたぶんレオナルドに殺される。


「このじゃじゃ馬を留めておけるのは、まさしく永遠の愛だろう。やってくれ」

「承知しました」


 やってくれのルビが絶対に「殺ってくれ」になっている。わたしは詳しいオタクなのでわかる。


 木枠を取り出して、一度強めに瞬きをして能力を発動させる。──オルテンシアを見た瞬間、「ヒッ!!」とお年頃の娘が出すべきではない声が出てしまった。


「どうした?」とレオナルドが聞いてくるので、わたしは慌てて見た光景を振り払うように首を振った。


「い、いえ、失礼しました……あの、失礼ながらかなりの情念……いや秋波が向けられているようで……」


 端的に言えば、大層おモテになっている。紫色の糸──いや、もはや紐、綱、呪縛レベルの豪物が何本も体にオルテンシアの絡みついている。いや、ある一本については絡みついているというか、太すぎて大縄跳びの縄での捕縛に近い。物理的に拘束力がないためオルテンシアも気づくことはないが、とにかくやべえ感情が誰かからオルテンシアに向けられていることは確かだ。

 いや待て、これをモテとカウントしていいのか?


「誰からだ?」

「申し訳ございません。相手が近くにいればわかるのですが、わたしの能力では相手が離れた状態では特定できず……」


 ちらりとオルテンシアを見れば、明らかに緑の太い糸が真っ直ぐレオナルドに向かっている。兄妹関係は良好そうだ。しかし、紐のような太さは一般的だ。むしろ、綱のような太さの縁の方が異常なのである。

 正直、オルテンシアが異常性癖者に狙われてる可能性が否めない。「ぐへへ、オルたんはかわいいねえ……」というモブおじさんの波動を感じる。男装僕っ娘属性てんこ盛りの弊害がここに……。


「愚妹のことだ、どっかの令嬢を引っ掛けてきたんだろう」

「この間助けたエレーナ嬢かもな。執念深そうだったし」

 それで済めばいいのだが、明らかにやばい気がする。あとでオルテンシアの耳がないところでコソッとレオナルドに言っておいた方がいいだろう。

 再度木枠を持ち上げて、気持ちを切り替えた。


すみません、久々の更新です。とりあえず体調を見ながら書けるようにしていきたいです。



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