日常の糧
私は奇妙な感覚に襲われた。光を映すがごとく、反射する陽が影となって現れたとき、その眼前にはただ宙に浮く宇宙であった。
カオスといえば容易に片付けられるが、カオスというには少々趣が違うように見えた。
それは地平線を超えた2次元と3次元のはざまに位置する何かであった。
私はそれをつかもうとしたが、つかもうと欲するがゆえに消え去ってしまう。さざ波に揺れる存在のはかなさに心躍らせながら、 夢を見るしかないか。
されど隙間に至るは竜である。 鏡に映す影は私であり、
私 ではないと拒絶する悪魔である。
現実を映すことは暗黒に表れる塊を見ることでありながら、光をもつかむための儀式でもある。
さいころを振ればどこかへ行けるが、 さいころが1しかない真っ赤な地面に足をつけて歩く人形である。
マリオネットが自我を持つ。息を吸い込む。そしてするすると目を見開く。光のまぶしさに一瞬目がくらむ。
それでも違う色を探して歩く。私は水たまりを探したい。
君は何を感じる‐