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異世界労働戦記☆スキル×レベル☆生産者ケンタ  作者: のきび
5章 魔導戦闘列車エルダートレイン
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好きの力はすごいんです。

「なぜエルダートレインがここにあるんだ」


 魔導戦闘列車エルダートレインはゲーム世界『エルダートレイン』の名を冠した列車である。見た目はD51機関車でスチームパンク風の味付けがされており、そのサイズは1両が伊四百型と同等のサイズがあり十両編成の化け物列車だ。

 二両目以降は砲台車両で所々に魔導砲やイージス艦に搭載されているガトリング機関砲(ファランクス)のようなものも搭載されている。

 魔導戦闘列車は魔石を燃料に動いており魔石の力で空中に線路を作り飛ぶこともできる。


 ただ見る限り車両は全部で三両ほどしかなく、ほぼすべての武装は破壊されており機関部も壊れていて動く気配はない。


「こいつは!」

「知ってるのかシンミア」


「こいつと相討ちになってリュミエール様が死んだんだよ」

 そう言うとシンミアとスヴィニヤーは憎らしそうにエルダートレインを見る。


『シンミア、スヴィニヤーお久しぶりです』

 いつの間にか長髪で白髪になったクニャラが宙に少し浮いた状態で、頭に直接響く声で二人に挨拶をする。

 魔導戦闘列車が衝撃過ぎてクニャラの変化を見逃していた。

 二人はその言葉で跪つき頭を下げる。


「クニャラ?」

「ケンタ様、お控えくださいリュミエール様は我らより格上の存在です」


『いいえ、良いのです。今話している私は魂の残りカスです。すでに私は死んでいます。あと数分後には私はいなくなる存在です』


「そんな……」


「聞きなさい、私たちが負けた理由はただ一つです。人を愛していなかった、ただそれだけです」


「なんですか、それは……リュミエール様のお言葉とは思えません」


「人の心は私たちに力を与えるのです。守るべき者と守る者両者に心の絆があって、始めて神は神になるのです」


「今さら人を愛すなど……」


『現にシンミアは、ケンタを愛しているおかげで、まだレベルが35だと言うのにあり得ない力を発揮しています。それは愛が神の力を引き上げているのです。あなたもそうでしょスヴィニヤー』


「おまえ! リュミエール様でも変なこと言うとぶっとばすぞ」

「そうです、何を馬鹿なことを」


 二人は顔を真っ赤にしてリュミエールの言葉を全否定する。

 そこまで否定されると何気にショックだからね?


『ふふふ、あなたたちのそんな表情を見ることができて私は嬉しく思いますよ。ただ、これからは私は一緒に歩けないのが残念ですが』


「「リュミエール様!」」


『愛しなさい、愛こそが神の力なのです……』


 その言葉を最後にクニャラから光が消え元の青髪に戻るとシャルラとクニャラに別れてその場に倒れた。

 レオナを抱えながらクニャラを起こすと目をパチリと開いて俺の腕に抱きついた。


「引っ掛かったのです」

 クニャラが俺の顔を見てニコリと笑う。それを見ていたシンミアが場所をとられないようにと肩に登り、スヴィニヤーがリュミエール様が言うのなら従います。と俺の背中に張り付く。


 意味が分からない。運命の神様、俺ハーレムはいらないって言ったよね?

 いや待て、レオナ(娘妹)、サラ(娘姉)クニャラ(孫)、シンミア(妹)だ、まだハーレムじゃない。

 だがスヴィニヤーはなに枠だ?

 しっかり者だから奥さん枠? 奥さんは不味いぞハーレムに直行してしまう。

 そうだ姪っ子。スヴィニヤーは姪っ子の処女ビッチだ。


 とか考えているとサラがモジモジしながらどこに入ろうか見ている。

 大丈夫だ、ちゃんとサラ用に股の間を開けてあるよ、とか言ったらまた顔を赤らめるだろうから言わないでおこう、武士の情けだ。

 太陽の華(フラワー)のメンバーも俺の周りに集まる。玄孫(やしゃご)枠作るか……。


「ケンタ、あれ動いてる!」

 どこにも入れないので手持ちぶたさにしていたサラが叫ぶ。サラの指差す方向を見るとエルダートレインの砲台列車に備え付けられている生き残っていた魔導砲がこちらに向いた。


 その力を俺は知っている。あれ一門で辺り一面焼け野原、いや灼熱の溶岩地帯になるのだ。


鉱石庫解放ログ・マイニング・レリーズ!」


 皆に抱きつかれたまま、堀師系の解放スキルを唱えると空から大量の鉱石や宝石が現れ魔導戦闘列車エルダートレインを攻撃する。元々攻撃対象ではないエルダートレインを破壊できるかは分からないが、なにもしなければ100%ここにいるみんなが死ぬ。


 今まで掘った鉱石や宝石がまるで流星雨のように魔導戦闘列車を襲い生き残っている砲門を破壊する。

 中にはオリハルコンやアダマンタイトもあるエルダートレインよりも硬いそれが高速で落下するのだ、いくら硬くても砲門くらい壊せるだろう。

 だが、一門だけ壊す寸前に砲門から光が発射された、砲門は破壊されたが光はそのまま直進し俺たちに向かってくる。


 やられた、そう思った瞬間シンミアが俺の唇を奪う。


 シンミアの体に七色に光る鉱石の鎧が装着され、俺から飛び降りると地面を殴った。

 地面からは巨大なクリスタルが生え魔導砲の光を乱反射させ四方に飛び散らせて、俺たちを魔導砲の直撃から救ったのだ。


「認めたくないけど……。リュミエール様が言っていたのは本当みたいだな」

 そう言って振り返ったシンミアはスヴィニヤーよりも巨乳で放漫な体だった。


 俺は思った『もどして……』と。

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