神様は人間には無関心
まず国作りに必要なのは人手だ。そこで豚を使うことにした。
手に入れた豚にはすべてパラメーターがあり、それを調整することができた。
その項目に豚人化と言うのがあり。それを選択すると知識を有する豚になった。
それを1000体作り要所要所に配置した。
これでこの国に立ち入るものは豚人と戦わなければいけなくなった。もちろんダンスバトルだが。
ちなみに豚人が負けた場合、勝者には金貨が渡される。
これが好評で近隣諸国からバトルに来る観光客が増えた。
それにともない宿屋や娯楽施設を充実させた。
さらに広大な土地を使い。100種に及ぶ作物を育て養豚等も行った。
おかげでレベルが10になった。
もちろんこの場所の正当な保有者であるベルマル王国とはもめたが。元々オークが跋扈しており全く使えなかった土地であることと現在もこの地域は戦争ができないと言うこともあり。金貨1億枚で買い取ることができた。
もちろんローンである。
それと俺は名前を変えた。指名手配されているからだ。指名手配されたものが王などしたらイメージが悪い。
新しい名前は健太郎から”タ”を抜いて剣狼だ。
みんなで決めたのだが、やはり”タ”は冷遇される。
俺の”タ”大事にしてね。
それと大事なのは伊四百型だ。
丘の中に半分食い込んでいたので取り出せないかと思ったが。アイテムストレージに入れることができた。
その際、中の備品や飛行機等も別に保存できた。
これを飛行船に改造したらかっこいいと言う俺の発言を受けて絶賛飛行船に改造中だ。
基本的に飛行船は生産職の飛行船技師と言うのが作るらしい。
これを浮かせるために飛行船を四台買わされた。
見た目が微妙なんだが、せっかく作ってくれたので文句は言えない。
微妙なのはみんなのせいじゃなくて、この金属は鉄なのに固すぎて加工ができない。
たぶん異世界転移で強化されたんだと思う。
だから飛行船は船の転倒防止浮きのようになってしまった。
そしてこれ伊四百に入ってた飛行機、名前が晴嵐
かっこいい。翼が折り畳み式なのが素晴らしい。
それとフロートが二つ付いていてエンジンが零戦みたいに大きく口を開けていなく流線型。
これ飛ばしたいと思ったけど燃料がないので今のところただの飾りだ。
まあ、レベルが上がったら試してみたいことがあるのでそれまでお預けだ。
「犬なにしてるんだ!?」
シンミアが俺に抱きつき、肩に上ると俺と一緒に晴嵐を見る。
洋服は伊400型潜水艦の中に入っていた水兵のセーラー服だ。
これは普通に防御力が高いのだが、かわいいと言ってシンミアは進んで着ている。
「かっこいい、だろ」
「オレにくれよ、これ」
「ああ、そのつもりだよ。ただ今は動かせないから動かせるようになったらな」
「楽しみだな!」
「だな!」
もちろんシンミアだけじゃなく俺も乗る予定だ。まあ、乗れるかは変化させた後だけどな。
「ケンロウさま、これが今月の報告書です」
スヴィニヤーが、この国で起こるすべてのことや金の流れなどを一枚の紙に分かりやすく書いてくれる。
マジ有能。なぜ同じ神なのに、こんなに残念なのかとかわいそうな人を見るような目でシンミアを見たら察したらしく叩かれた。
最近全く緊箍児パンツが発動しない。結構殴られるのだが……。まあ最初の頃のようにガチ叩きじゃないから”セーフ”判定でも出てるんだろう。
「近隣諸国に回復薬(低)++と(中)+が引く手あまただね」
「はい、やはり天使の軍団に備えて強化したいのでしょう、それに(中)+は部位欠損が治らないだけで、希少価値の回復薬(大)と遜色ありませんからね、それと食料も売れているのが大きいですね」
食料や薬草などの秘薬はスキル熟練どのおかげでサクサク作れる。穀物など五毛作、秘薬に至っては二十毛作できる予定だ。
「近隣諸国が軍備増強してるだけあって、報告書にあるようにチェス戦するための兵士が集まらないね」
刻一刻と魔物が強くなっていく。あまり時間を空けないで五悪徳の王を倒したい。
「グランヘイム王国の天使の軍団からの猛攻を耐えてる国から兵士を募ってはどうでしょうか?」
「自軍の防衛で忙しいんじゃないかな?」
「はい、ですが食料や薬が不足してますので、私たちが定期的に物資を補充する契約をして恩を作ります。それで兵士の提供をこうのです」
「うまく行くかな」
「ダメだと言えば支援を打ち切ると脅せば良いだけですから」
なにげにスヴィニヤーは良い性格をしている。やはり神様だからか人間の命は軽いのだなと少し悲しくなった。




