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異世界労働戦記☆スキル×レベル☆生産者ケンタ  作者: のきび
3章 モンキー・ダンス・レボリューション
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昭和のおじさんならダンスゲームはお手のもの。

 reverse(リバース)モードは上から記号が降ってこない。


 前回に流れた記号が逆再生で流れてくる。


 だから、記号が見えるのはほんの一瞬で、反射神経でピッタリに線で踏むのは不可能。


 だから、このモードをクリアするには前回の戦いを完全に記憶していればいけない。


 オークキケローは余裕の表情でステップを踏む。


 俺はそのステップを無視するように記号を一つスルーする。


 当然スルーした記号はライフを一つ減らす。元のライフは10、残り9だ。


『どうした? 大口を叩いたわりには大したこと無いな』


 俺はシンミアとこいつの戦いをみていない。だからコンボの追加記号を見ていない。

 だから追加で放たれた記号はスルーした。


 そして、また一つスルーして俺のライフが減った、残り8だ。


『ガハハッ、調子にのってreverse(リバース)モードなどするからそうなるのだ』


 オークキケローは余裕の表情でステップを踏む。


『なっ!?』


 オークのライフが一ポイント減った。


「どうした、余裕過ぎてハンディキャップをくれたのか?」


『フハハ、当たり前よ。このままでは面白くないからな』


 その声からはあきらかに焦りが感じられる。


 そしてまたオークのポイントが減った。


『きさまぁ! 何をしている。我が踏み外すなどあり得ん。だいたい、なぜ記憶して無い追加記号を踏めるのだ!』


「そうか? お前が下手くそなだけじゃないか?」


『ギザマァァァァぁぁ!!!』


 煽り体勢がないのか、オークキケローは怒りでステップ事態もバタバタしだし記号をピッタリと踏めなくなる。


 実はこれには仕掛けがある。コンボの追加記号にはパターンがあるのだ。


 パターンの数は全部で七通り、そして最初のスルーをした記号が来るパターンは2種類、その二種類のパターンのうち二回目の記号が来るパターンは一種しかない。


 つまり、俺はもうすべての記号パターンが手に取るように分かっている。


 そして、もう一つオークキケローが知らないであろう裏技がある。


 それは曲の中に数度だけ現れる空白タイムがあり、そこで○×□△○と踏むと相手に追加記号が落ちるのである。


 もちろん超高速の逆転曲の空白時間はわずか0.3秒。


 このゲームは平成初期に流行(ブーム)を起こしたUFOキャッチャーとならんでゲームの概念を変えたアケードゲームだ。

 このころはオンラインゲームが無かったのでゲームセンターに入り浸っていたのだ。

 

 昭和のおっさんなら誰でも出きる。そして俺はこのゲームをトコトンやりこんでいる。


 先程までの戦いで使わなかったのは使うほどの敵じゃなかったのと、俺が何をしているか気づかせないためだ。


 通常落ちのときにこの技を出せば裏技があるのを気づかれてしまう。


 それにreverse(リバース)モードで出したのは通常落ちでは反射神経でなんとかなったとしても、逆回転では出が見えない以上対処もできないからだ。


 だからこいつはもう詰んでいるのだ。


 俺は着実にコンボで特殊記号を発動しオークキケローに攻撃をくらわしライフを削っていった。


『バカな! バカな! このワシが負けるというのか。こんな人間相手に』


 reverse(リバース)モードを知っていたとしても深淵にはほど遠かったなオークキケロー。


「王手だ、オークキケロー!」


 俺はコンボを入力しオークキケローに追加記号を送った。


 それを踏み外したオークキケローは動かなくなる。次々に記号が流れていく。


『豚になるのはイヤだーーーーー!!』


 絶望の表情を見せオークキケローは情けなく叫ぶ。今までに無い爆発を見せその煙からはは特大サイズの豚が現れた。


 勝った。


「やったな(ケン)!」


「ああ、全部シンミアとクレミア、クリストファのお陰だよ」


 俺はシンミアの頭をなで、シンミアを背負うと岩山を降りようとしたが良い音を立てて頭を何もない空間でぶつけた。


「痛ってぇ!」


 頭をぶつけた空間をまさぐると障壁があった。


 何でだ? 全員倒したろ。なんで出れないんだ?


「……そうか、シンミア、神が復活してないぞ!」


「あれ、何でだ?」


 神が復活しないことにオレたちは首をかしげる。


『ウイナー・ヒュゥ~~~マン! グッドファイト! ナイスファイト! あなた方の勝利に盛大な拍手をプレゼントフォー・ユー!』


 MCハマーダーが俺たちに向かい大袈裟に拍手をする。


 最後の一匹がまだいたな。だがただのオークなら問題ない。


「俺たちが勝ったなら、ここから出せよ」


『ノンノンノン、まだ最終決戦が終わっていませんよ』


「は? お前らの王オークキケローは倒したろ」


『オークキケロー? あの豚がですか? あれは私の影武者オークマンガリッツァ、一応私の腹心だったのですがね。まさか負けるとは思いませんでしたよ』


 あれが影武者? つまりこいつが本物のオークキケローと言うわけか。だが影武者だろうが本物だろうがやることは同じだ。


「やるならさっさと来い」


『いい覚悟です。私の真の姿を見て震えなさい! ヒューマン!』


 MCハマーダーの身体が何倍にも膨れ上がり、四本腕のオークが誕生した。

 黒い巨体は先ほどの影武者のサイズを上回る。


 大艦巨砲主義かよ。デカければいいと言うわけでもあるまいに。


「それが本当の姿か、そんな巨体で動けるのか?」


『心配せずとも私の動きはあなたごとき見切れはしませんよ』


「別に見切る必要などない、やることは同じだからな」


 だがオークキケローは不敵に笑う。


『あなたの技はすべて見切らせてもらいました。あなたのコンボは私には効きませんよ』


 なるほどMCに身を隠すことで相手の技を近くで見て研究してたわけか、中々頭の回る豚だ。


『では行きますよヒューマン。ニューゲームスタート!』


 そう言うと見たこともないゲーム台みたいな物が現れた。


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