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異世界労働戦記☆スキル×レベル☆生産者ケンタ  作者: のきび
3章 モンキー・ダンス・レボリューション
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モンキー・ダンス・レボリューション

『親愛なるヒューマンどもよ Are you rady? グッド!! 良い返事だ。 ダンスバトルゥ~Ready go!!』


 MCハマーダーは相変わらず俺たちの返事を聞かずに話を進める。

 スタートの合図がされると、俺を除いた三人が三匹のオークたちの前に転移させられた。


 ランダムで選ばれているのか。それとも一度も戦っていない俺は戦うに値しないと思われているのか、俺が選ばれることは無かった。


 シンミアはワラブー。


 クリストファはキトン。


 クレミアはピックフォークだ。


 今回はどんなダンスで勝負するのか見た目にはわからない。


 みんなとオークは対面に向かいあってにらみ合う。


『Hard モード』


 オークの一人がそう言うとニヤリと笑う。


 ”ポヨ~ン、ドゥンドゥンドゥン”


 間の抜けた音の後、重低音が鳴り響きキャッチーな音楽が流れ出す。


 あれ、これって『ジュエリと輪になって踊ろう』じゃないのか?


 3人ともこの曲に困惑している、それはそうだろう、この曲は地球のダンスミュージックだ。

 異世界人に分かるわけがない。


 みんなの上から○△□×の記号が降ってくる。


 これは!?


「モンキー・ダンス・レボリューションだ! 線のところに記号が来たら足元の同じ記号を踏むんだ!」


 だがその俺の叫びに反応できたのはシンミアだけで、クレミアとクリストファのゲージは一気に減り二人は爆発して弾けとんだ。


 俺は二人を助けようと駆け寄ったが、いつのまにか俺はステージに引き寄せられオークのキトンと対峙していた。


 俺が雑魚だから面倒な奴らから倒したということか。


 二人を助けにいこうとしたがステージから出ることができない。


 ぶつかる空間に蹴りをいれるがびくともしない。


 いいよ、やってやるよ。


 このゲームは線に来た時にちゃんと指定の記号を踏めないとライフゲージが減りゲームオーバーになる。


 それを説明もなしに、異世界人が分かるはずもない。


 ルール無用で来るような外道には俺が人生の引導を渡してやるよ!


『HARD――』

「EXTRA モードだ!」


 俺の言葉に反応してゲームはEXTRA モードが開始される。


 ”ぽよんッ、ドンドンドンドン”


 音楽の速さがhard モードの2倍になり、記号の落下する速度、量、共に二倍になる。


 オークの顔に焦りが浮かぶ。


 このゲームは上から落ちてくる記号を完全にピッタリのタイミングで踏むとコンボチャンスが発生する。

 10コンボを繋げる毎に相手に不規則な記号が1個づつ増えて落ちていく。


 このモンキー・ダンス・レボリューションは落ちてくる記号を記憶して、それを踏むだけの単純なゲームだが、この不規則な記号が落ちてくることにより、難易度が極限まで高くなる。


 当然コンボを決め続けていけば対戦相手は対処できなくなり。


 ”ドカン”


 ご覧の通り対処できなくなって負ける。


 このコンボ攻撃はEXTRA モード以上のモードに実装されている。HARDモードを選ぶような雑魚には絶対にEXTRAモードはクリアできない。


 キトンに勝った俺はそのままスライドでピックフォークと対峙した。


「EXTRA ――」

「MAXモードだ!」


 こいつらが三匹の子豚なら、どんぶり=陶器=レンガってことだろ? なら、このどんぶり被ってるやつが最強だ。


 こちらも本気で行かせてもらう。


 ”ぽんッドドドドン”


 すごい速度で”ジュエリと輪になって踊ろう”が流れる。


 ”ドカン”


 早い音楽と一緒に爆発音が響く。


 俺との対戦相手ではなくシンミアの対戦相手のオークが弾けて豚になったようだ。

 確認するためによそ見をする隙はない。


 シンミアとオーク・キケローの話し声が聞こえる。


「お前が最後だ巨漢デブ! お前を倒して豚野郎を解放してやるぜ!」

『フハハ、中々やりおるわい。お主の挑戦を認めようぞ MAXモード』


 まずい、いくら反射神経が良いシンミアでもMAXモードはそういう領域でクリアするものじゃない。あれはすべての落ちるタイミングを覚えて記号が出る前に動かないといけないんだ。


 俺と対戦しているピックフォークの足はもつれ始める。コンボによる攻撃が2個3個と増え対処できなくなっている。


 当然そうなればバランスを崩し倒れるのみである。


 ”ドドン”


 ピックフォークが爆発して大きな豚が現れ俺の後ろにつく。


 空間を遮断している物がなくなりおれはクレミアとクリストファのところへ向かった。


 まだ、わずかだが息がある。

 俺ははすぐさま回復薬(低)++を取りだし、二人に飲ませた。意識は戻らないがなんとか命は繋いだようだ。


 シンミアの方をみると明らかに足がバタバタしている。


 このままだとシンミアも爆発してしまう。レベルが高いであろう二人と違ってシンミアはレベル2だ、耐久力が弱いシンミアが爆発すれば死んでしまう。


 俺は岩山を登り、シンミアの元へと向かった。


「くそ、くそ、くそ!」


『フハハハ残念だったな小娘、お前はここで死ね』


 二人の会話が聞こえる。音楽はサビに入るところだ、サビは落方を完全に記憶していなければ絶対にクリアできない。


 俺は障壁に体当たりするようにぶつかった。障壁は中からは出れないが外からは入れるようで。サビが来る直前シンミアを抱き締めた。


「バカ(ケン)

「頭を下げろ!」


 その瞬間爆発が俺を襲う。


 体の皮膚が弾ける。まるで爆竹を体の上で連発で爆発させてる感じだ。


 血が飛び散り肉がはじけ飛ぶ。


 爆発が終わって肉体が回復した俺は立ち上がる。


 シンミアにはケガ一つないようだ。


(ケン)、何でじゃますんだよ」


「あれはシンミアじゃクリアできない。後は俺がやるから休んでろ。頼りっぱなしで苦労かけた。ごめんな」


 シンミアは俺に負担をかけないように率先して戦っていてくれた。レベル2の身でほとんど寝てないのだ疲れないはずがない。

 でも、俺にはそんなことは一言も言わなかった。


 俺はそれに甘えてた、どうせ戦えないと考えていた。


 最悪だ。


 シンミアの行動は俺の心に革命(レボリューション)を起こしてくれた。


 シンミアのダンスで革命されたんだ、まさに”モンキー・ダンス・レボリューション”だな。


 俺はシンミアの頭をポンポンと叩いて心から謝った。


(ケン)……」


『ふん、次は貴様が挑戦するというのだな?良いだろうMAX――』


reverse(リバース)モードだ!」


 一足先に俺の声にゲームが反応し音楽は逆回転を始めた。


 ここからが本当の勝負だ。



 

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