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異世界労働戦記☆スキル×レベル☆生産者ケンタ  作者: のきび
3章 モンキー・ダンス・レボリューション
43/65

オークの王オーク・キケロー登場、それよりも伊四百型潜水艦の方が気になるんですが。

アルファポリスにて掲載してます。なろうは備忘録的に使っており更新を忘れることがあります。


「幼馴染が女勇者なので、ひのきの棒と石で世界最強を目指すことにした。」も推敲加筆してアルファポリスで掲載しております。


アルファポリスの方もお気に入りしていただけるとモチベーションが上がります。

(ケン)、飯くれよ、腹ペコだよ」


 シンミアが俺の裾を引っ張り自分のお腹をさする。


「そうだな飯にするか。クレミアもこっちに来て食べろよ」


「いらん敵の施しは受けない」


 そういって森の中へ入ると薪を拾ってきて火をつけ、豚を一頭()めた。


 ()めた豚を半分に切り裂き更に小分けにするとブロードソードを突き刺し、焚き火であぶり出した。


 焼けた部分から食しては焼きを繰り返し食べる。


 強火の直火か。


 ……ワイルドだな。


「クレミア、ちょっとこの半分借りるぞ」


「ふん、好きにするがいい」


 俺は木の棒を丸焼き機に変え半切れの豚に串を突き刺した。


 それを火にかざすと


◎丸焼き機


【調理法】

  豚の半焼き


 と表示された。


 半分しかないから丸焼きにはならないようでレベル2の調理法が発動しているのだろう。


 俺はそれを選択し串を一回転させると一瞬で豚は焼き上がった。

「そんな生焼けなのか分からない肉よりこっちのがうまいぞ」


「敵の施しは受けないと――」


「これはクレミアが捕まえて絞めたものだから施しじゃないぞ」


「ふん、そうだな」


 クレミアは串から豚の半焼きを抜き取ると半分をシンミアに渡した。


 シンミアはワニだけじゃ足りなかったようですぐにむしゃぶりついた。


「ありがとう」


「礼なんかいらないさ、どうせ余り物だ」


 そう言うと俺が焼いた豚焼きにクレミアもかぶりつく。


「うまっ! なにこれ、うますぎる」


 俺が料理を作ればたとえ丸焼きであろうとも神料理だ料理スキル熟練度1000をなめるなよ。


 幸福感が体を襲うだろう?


 もうこの肉なしじゃ生きていけなくなるんやで。


 ニコニコ食べてるクレミアを見ていると今なら話が通じる気がしたので、俺はクレミアにクリストファの境遇や虐殺はしてないことを説明した。


「だからなに? そいつを殺さない理由にはならないでしょ」


「だけど君の敵じゃない。だから拷問はやめてくれ」


「知らないわよ。そいつはうちの領地で略奪を行った。理由はそれだけで十分じゃない。ただ虐殺はしてないというのならオババ様にそいつを見てもらうわ。それまで私の怒りをこいつにぶつけるのは我慢してあげる。ただし嘘だったら絶対に許さない、あんたもね」


 あの門のところで俺をみてくれた人か。確かにあの人ならちゃんとわかるな。


「わかった、あの人ならちゃんとわかるだろう。クリストファもそれでいいな?」


「……ああ、それで良い」


 とりあえずは理解してくれたようだが、結局クリストファは死刑か。


「それとケンタ、あんたも犯罪者になってるからね」


「え? 俺も!?」


「当たり前でしょ犯罪者を脱走させたのよ普通に死罪だから」


 どうやら、最初のクレミアの襲撃の後に他の冒険者が追いつきクレミアを介抱後事情を聴いて国に連絡をしたのだそうだ。


 クリストファは一級犯罪者なのでそれを逃がしたとなれば詳しく聞かれるのであの状態では庇えなかったそうだ。


 あの時捕まっておけば百叩きで許してやったのにとクレミアは言う。


「庇ってくれる気だったんですね」


「一応、町の恩人だからね」


 しかし、死刑か……。


 現代ルールなら緊急避難だろうけど、ここは異世界だしな。


 まあ、まずはこの戦いを生き残らないとな。


 ここで死んだら死刑にさえなれない。



 ◇次の日の朝◇


『HEY! ヒューマン。昨日はゆっくり眠れたかい? これからはノンストップのダンスバトルだAre you ready?  グッド! いい返事だ! では次のステージにご招待と行こうか』


 MCハマーダーがパチリと指を叩くと俺たちは転移して先ほどとは違うフィールドに送られた。


 第二ステージというところか、


 オークたちはカチカチッと動作毎に止まるような動きで俺たちのところに来る。


「なんだあれ」


「ロックダンスだ。このダンスは滑らかさよりも切れが重視される、かっこいいポーズを決めながら踊る感じだ。ロボットダンスと言えば分かりやすいだろ」


「いけるかシンミア?」


「ふん、誰に言ってるんだ(ケン)。楽勝だ」


 その言葉通りシンミアは日が沈む頃には一人ですべてのオークを豚に変えてしまった。


「やったなシンミア」


「おうよ」


 だが、俺たちの戦勝気分も一瞬で打ち砕かれた。


 MCハマーダーがパチリと指を叩きまた転移させられた、足元はすべて平らな岩場で、黒服の燕尾服と白いドレスを着込んだオークたちが現れた俺たちの前に並ぶ。


『シャル・ウィ・ダンス?』


 どうやら今回は休憩はないようだ。俺たちはまだなにもしてないから体力は余っているがシンミアは一日中踊っている体力が心配だ。


「まずいぞ(ケン)、社交ダンスは一人じゃ踊れない」


 やばい盲点だった二人一組のダンスもあるのかシンミア任せで勝てるなんて言うのはありえなかった。


「俺、踊れないぞ」


「それ以前の問題だ(ケン)、身長差が激しい」


 たしかに、この身長差は致命的だ。シンミアにリードされたとしてもうまく踊れないだろう。


「クリストファ、あんた社交ダンスは踊れたわね。どのくらいのレベルなの?」


「人並みには踊れます」


「使えないわね。まあ良いわ、あんた来なさい」


 そう言うとクレミアはクリストファを連れ社交ダンスの輪に入った。


 だが今回は全然爆発が起こらない。互角なのだ。


 クレミアは元貴族だ社交ダンスは幼いころから勉強していたろうしクリストファも職業柄勉強していたのだろう、なかなかにうまいのだがオークたちが負けを認めるほどじゃないようだ。


「クリストファ、私に身をゆだねなさい」


「いや、しかし」


「大丈夫、今はケンタの言葉を信じてあなたへの憎しみは抑えてるわ。このままじゃ負けるのよ」


「分かりましたお願いします」


 クレミアがリードをすると二人の動きは今までとは代わり華やかになる。一匹一匹とオークが豚になっていく。


 さすが貴族の子弟、あの領域は一般人の俺たちには到達できないだろう。


 東の空が紫色に変わるころ燕尾服とドレスのオークたちはすべて豚にすることが出来た。



 その後もインターバル抜きで二日間のダンスバトルを勝ち抜いた。インドダンスや創作ダンス色々なダンスをやらされた。

 みんな寝てないせいでふらふらだ。


 俺だけが何もしていない、何もできない。


『ナイスファイトだぜヒューマン。こちらは残り4人だ。これが最後のダンスバトルだぜぇ! 最高の舞台と対戦相手で最終決戦(ファイナル・バトル)だZE☆彡。ニューステージへGO!』


 MCハマーダーがパチリと指をならすとオレたち一瞬で転移させられた。


 最終ステージは周りは草原だが正面には岩山がそびえ立ち一見すると平原にそびえ立つ巨大な城だった。


 だが俺は岩山よりも他の物に驚愕した。こんな場所にあってはならないものがあったからだ。


 潜水艦? U-ボート? いや、この巨大な、100mを超えるような潜水艦は伊四百型いわゆる航空機を積んでいる潜水空母だ。なんでこんな平原に? と言うかここは異世界だぞ。


 だが俺のそんな驚きを気にすることなく、MCハマーダーは対戦相手のオークの紹介をする。


『一人目は俺のすべては((わら))でできている、のニヤケ面が最高にクールな長男ワラブー』


 紹介された一匹目のオークは3m程の巨体で頭に深編み笠をかぶっている。


『二匹目は気功ダンスが得意なクールな次男キトン』


 二匹目のオークも体長は3m程で木製のバイキング兜をかぶっている。


『三匹目はジェンカが大好きな明るい三男ピックフォーク』


 三匹目のオークは大きなどんぶりをかぶっている……。


 ワラ、キ、レンガ? まるで三匹の子ブタだな、いや大豚か。


『そして、この三人に勝てば我らが首将オーク・キケロー様直々にお相手いたします』


 MCハマーダーが手のひらを向ける先には黒色のオークが岩の椅子に鎮座していた。


 その大きさは今までのオークたちの比ではなく5m位のサイズを誇る。


 偶発的に始まった戦いなせいで俺の用意は何もできていなかった。


 そのせいでシンミアやクレミア、クリストファに任せっきりになってしまい、俺は自分のふがいなさに唇をかみしめた。

 


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