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異世界労働戦記☆スキル×レベル☆生産者ケンタ  作者: のきび
3章 モンキー・ダンス・レボリューション
33/65

油断大敵ワニワニパニック。

アルファポリスで1話分先行で掲載してます。


「幼馴染が女勇者なので、ひのきの棒と石で世界最強を目指すことにした。」も推敲加筆してアルファポリスで掲載しております。


そちらもよろしくおねがいします。

 しかし、さっきのニーキックはどう考えても異常だ。


 レベル2の俺が一撃で魔物を倒せるとは思えない。シンミアでさえ吹き飛ばされたのだから、レベル2がそこまで強いわけでもない。


 なら考えられることはひとつ、俺の身体はエルダートレインのステータスが適用されていると言うことだ。


 俺のステータスは頭の悪い脳筋仕様。荷物を持つためには力やHPにステータスを振らなければいけない。


 だからこのおっさんの見た目に反して俺のパワーは異常なんだ。


 ブルドックの角を折ったのも、もしかしたら自分の筋力かもしれないな。


 だとしたら気をつけなければいけないことがひとつある。


 エルダートレインでは防御力を上げる方法が防具しかないことだ。


 どんなに強者でも人間の防御力は10固定なのだ。


 だから、俺のステータスがエルダートレインに準拠しているのだとしたら、防御力は紙装甲。


 雑魚の一撃で大ダメージを受ける。


 そう考えるとさっきのブルドックとの一戦はやばかったな、一撃でも食らってたら死んでいたかもしれない。


 できるだけ戦闘は避けよう。


 その後はシンミアに魔物が近くにいたら、俺に教えるようにお願いした。


 悪態をつきつつも了承したのはやはり身体が辛いからなのだろう。


 魔物が来ることさえわかれば余裕だ、逃げさせたら俺は天下一品だからな。


 エルダートレイン生産職は魔物に対してほぼ無力である。用意をして闘えば倒せないこともないが基本は戦うような装備をしてない。


 そのためにHPや力以外にも極振りしているものがある。


 それは素早さだ。


 素早さを上げると魔物からなんなく逃げられるようになる、だから生産職は素早さも極振りMAXが基本(デフォ)なのだ。


 それでもテイマーのPK(プレイヤーキラー)からは逃げられない。


 テイムされた魔物は上限を突破して成長する。


 上限を突破した魔物は同種の魔物ではまったく相手にならずボスクラスの魔物ですらも単騎で倒すほどの力を持つ。


 そんなボスクラスの魔物を乗りこなすのがテイマーなのだ。


 そんな奴らがPK(プレイヤーキラー)をするのだ。


 生産職が勝てるわけがない。


 それは神の戯れかメギドの火かっていうくらい絶望的なのだ。


 だから、いくら運営があとから戦士や生産職優遇のために色々な武器やスキルを作っても焼け石に水だったのだ。


 だいたい運営がテコ入れする頃には戦士は絶滅していた。最後の戦士は俺が看取(みと)った。


『やっぱ戦士無理だわ、私もテイマーするわ』がそいつの最後の言葉だ。


 等と考えていると、前に小さな橋がかかっているのが見えた。


 その場所に駆け寄ると綺麗な小川が流れていた。


 よし! これで身体が洗える。


「シンミアちょっと小川で身体を洗いたいから魔物いるか見てくれない?」


「ぱっと見はいないな」


 とは言え、念には念を石橋は叩いて叩いて、壊して鉄の橋にしてから渡る男ケンタは油断なんかしませんよ。


 武器はないけど、木の棒を農業用(ピッチ)フォークに変えて、簡易武器にするのを怠らない。


 農業用(ピッチ)フォークは絵画の暴徒はもちろん、悪魔でさえも持つ呪われた兵器、その事かもら実力の高さを証明しているだろう。


(ケン)良いもの持ってるな。どこで手に入れたんだ?」


「ふふふ、良いだろう女神様からもらったんだよ」


「ああ、やっぱりか。だとするとそれ天界の柱だわ」


 シンミアの話では、この木の棒は天界の間にある柱の一本だろうと言う。あのお約束をやらせない、天空に伸びる柱か。


 かなり上空にまで伸びる柱は何かを支えているようだったけど。


「大事な柱じゃないのか? 取って大丈夫なのか?」


「なんでだ?」


「だって天界の天井とか支えてるんじゃないの?」


 柱を取ったせいで世界が破滅なんてゴメンだからな。そんな俺の思いとは裏腹にシンミアは言う。


「いや、ただのおしゃれアイテムだぞそれ。なんもないと寂しいから柱立てたんだ」


「……」


 まあ、用途はどうであれ、これは六柱神の神通力が込められているので、シンミア曰く面白いことができるらしい。


「ちょっとかしてみ」


 農業用(ピッチ)フォークをシンミアに渡した瞬間農業用(ピッチ)フォークが一瞬輝いた。


「な、なんだ?」


 返してもらった農業用(ピッチ)フォークを右手に持つと情報が現れた。


「強化されてるだと!?」


農業用(ピッチ)フォーク(神柱)

解放属性:土(LV2)


・刈草まとめ+効果2%Up

・干し草ロール作成+効果2%UP

・低級肥料作成+効果2%UP


 農業用の効果がだけね。


 戦闘用効果が上がるんじゃないのかよ。


 しかも強化上昇値がまたレベル依存だよ。どれだけレベル依存好きなんだよ。


 シンミアはドヤ顔をしている。オレのお陰で強くなったろと言わんばかりのドヤ顔である。この顔を見て文句をいうのも大人げないので俺はシンミアにお礼を言った。


「ありがとう。なんか土属性ついたよ」


「そうだろう。誉めても良いんだぞ」


 鼻をピスピスさせて、誉めて誉めてと言わんばかりの顔をしているので、俺はお礼を言って頭を撫でた。


 この世界の属性の相克を聞くと


 (強)土→水→火→風(弱)


 光→←闇

  

 なのだという。


 土は風に弱いんじゃないの? と聞いたら取り合えず殴られた。


 土が風に負けるわけがないだろと殴られた。


「風化とかあるじゃん。負けてるじゃん」


(ケン)はバかだな。形を変えただけで消滅してないだろ。だから土は不死身なんだよ」


 それ言ったら水も不死身じゃんとか思ったけどこれ以上はやぶ蛇だ。この世界の神がそうだと言っている以上そうなのだろう。


 真実は小説より奇なりなのだ。


 ……神とは言えシンミア話半分に聞いておこう。


 小川につくとシンミアを下ろし俺は服を脱いだ。


 服は焼く。汚れてるからね!


 少女趣味の奴に売り付ければ高くつくけど。逆の意味で高くつきそうだから焼却あるのみ。


 取り合えず小川で身体を洗うか。


 はっ!黄金水が染み込んだこの服を、この清流の水で割れば黄金水の水割りができるじゃないか。それを世界のロリコンに売るんだ。そして億万長者になるのだ。


『思い出すのです友よ、すでに……ロリ……』


 何だ頭が痛い記憶の残像? なぜ今?


 俺が苦痛に顔を歪ませていると正面の中洲が動き出した。


「ん? なんだあれ」


 次の瞬間すごい早さで中洲が動く。


 岸に近づいた中洲は波しぶきを立て俺へと向かってくる。ヤバイ、あれワニだ!


 とっさに農業用(ピッチ)フォークを手に取ると石突き部分を地面につけ先端をワニに向けた。


 ワニは導かれるように農業用(ピッチ)フォークの先端に食らいつき、串刺しになった。


 こわっ!


 口から入った農業用(ピッチ)フォークの先端は湾曲しているお陰でワニの脳みそを突き破っていた。


 これ槍だったら食われてたな。


「んだよぉ。やるじゃんか(ケン)。これ食べようぜ」


「いやいや、シンミアさん、魔物いないって言ったよね? 言いましたよね?」


「ん? こいつ魔物じゃねぇぞ。ただの動物だ。」


「……」


 ワニと言うかアリゲーターですよこれ? 全長10mくらいあるんですけど? こんな生物がうようよいるんですかこの世界。


「な~な~早く食べようぜ」


「じゃあ撒き拾ってきて」


「よしゃ! まかせとけって!」


 そう言うとシンミアは一目散に林の中へと入って行った。


 解体か。生産者に解体スキルなんてないよな? エルダートレインでは刃物を持っていれば解体たけど、ここではどうだ?


 俺は木の棒を包丁に変えて利き手で持った。


◎包丁(神柱)

・解体

・調理技術


 普通に解体あるんだな。


 それと包丁には土属性がつかないのか?


 まあ効果を見る限り、そんなのついたら腐るの早そうだけど。


 腐るか? 熟成肉とかあるし逆に面白いかもしれないな。


 付いてないから試しようがないけど。


 俺は解体を選びワニに刃を当てた。ワニは一瞬で肉と素材に分けられた。


 ……いいのか異世界、本当にこれでいいのか?


 まあ、内蔵取り出せとか言われても困るけどさ。


 食べられそうな部位をアイテムストレージに入れ、他は農業用(ピッチ)フォークで小川へと流した。


 仲間のワニがいるかなと思ったのだが、他にワニがいないところを見るとこいつが共食いしたか縄張り主張系のワニなのだろう。


「持ってきたぜ」


 シンミアが山盛りの小枝を抱え帰ってきた。


「おお、いっぱい取ってきてくれてありがとうな。すぐ焼いてやるから待ってな」


 ゲームでは枝に着火道具だけで火が着く。どうせそんなもんだろうと思ったが火がつかない。


「なぁ~なぁ~まだか~? お腹ペコペコだよ」


「おう、今焼いててやるからな」


 背筋に冷たいものが流れる。ここで火がつきませんでしたとなったら確実にシンミアは怒って生理痛になる。


 俺のせいで生理痛になったらもう責任とるしかなくなる。


 それはまずい。


 何がまずいってアニメのツンデレと違ってリアルのツンデレはなにげに心に傷を残す。


 リアルツンデレはマジ地雷。


 通常キャンプでは柔らかい糸屑のようなものから火をつける。


 しかし、そんなものないよな。


 あ。


 あるじゃないか要らなくなった服が。


 俺は服を切り裂き細かくすると積んだ撒きの下にいれた。


 その瞬間着火装置の灰色だった【着火】の文字が黒くなった。


 選択すると一瞬で火がついた。


「おお、やるな(ケン)。早く焼こうぜ。」


 フライパン出しそこに焼きやすく切り整えたワニ肉を置き、ステーキを選択した。


 一瞬でワニのステーキが出来上がった。


 情緒もくそもないな。串焼きなども作ったがやはり一瞬だった。どうやらレベル2の調理方法が発動してるらしい。


「ウハ、なにこれうまいよ(ケン)やるじゃん!」


「俺はスキル熟練度1000の神シェフだからな」


 たぶんエルダートレインのスキルのせいだろうけどドヤ顔で胸を張った。


 一服した俺たちはまた街道を再び歩きだす。


(ケン)。ん」


 シンミアは手をキョンシー見たいに前に出し、ぴょんぴょん飛んでおんぶしろと主張する。


「はいはい」


「ハイは一回でいい」


「ところでさ、さっき木の棒を包丁に変化させたら土属性なくなっちゃたんだけど?」


「ああ、それならリセットされたんだろうな」


 なんでも神柱には神気が封印されており、それを解放することで属性を発現させたそうなのだ。


 当然木の棒の中の神気は有限で使ったら回復するまで使用不可になるのだと言う。


 その後、シンミアの指示通り街道を魔物を避けながら歩いて、なんとか町までたどり着いた。


「怪しいやつ、そんな軽装備でこの街道を歩いてくるとは何者だ」


 門番たちが俺に槍を向けて威嚇する。


 まあ、そうなるよね。






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