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1 プロローグ
初めての作品です。変なところで終わっていますが、許してください
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彼ほど復讐心あふれる奴はいるのだろうか。
家をなくし、誇りをなくし、家族をなくし、
味方もなくした。彼の憎しみを理解すること
はできるが、彼を理解することはできない。
なぜなら、彼の心は焼かれているからだ。周
りの空気まであらゆるものを焦がし、恐ろし
く、おぞましく、醜悪で、劣悪で、赤黒く燃
えている炎に包まれて。彼はその炎を消せな
かった。いや、消そうとしなかったがただし
いのだろう。彼はずっと望んでいた。ああ、
この炎で俺の悪すべてを燃え焦が焼き尽くし
てやる。これは彼の、正義でも何でもない、
恨み妬み憎む、復讐劇である。