残酷な夢の中で
「ハァ、ハァハァ……っ!?」
突然、地面がグニャリと歪んだ。
「ガタガタ……ガッシャンッ!」
僕はその場に大きく倒れこむ。
見上げると、そこにはバットを持った大柄な男が立っている。
そいつは大きくバットを振り上げる。
手がミシミシと嫌な音を立てて、折れる。
直後、僕の頭に激痛がはしる。
徐々に視界が暗くなっていく。
完全な闇に包まれた視界の中で、そこには確かに
「Game over」
とただただ、そう書かれていた。
「ハァ、ハァ」
逃げる、逃げる。 走る、走る…………
ーーどれくらいそうしていたのだろうか。
ある時には、背が高く髪の長い女の人に心臓を。
ある時には、同い年くらいの頭の良さそうな男に頭を。
またある時には、小柄な男に足を。
僕はいつも壊されてばかりだ。
なんで、なんで………、
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
「………なんで……っ………。」
「ハァ、ハァ、」
あいつから逃げなければ。
僕は走って、走って走って走る。
………覚めない闇の中で僕は、ただ「××」が欲しかっただけだったのに。どうしてこうなってしまったのだろう、ただそれだけを考えていた。
白い殺風景な部屋に、機械の電子音が一定のリズムで刻まれていく。
寝そべるあいつに向かって俺は話かける。
「なぁ俺、今日結婚するよ。ああ、相手は、お前も好きだったあいつだよ。
ははっ、またお前に恨まれるな俺は。ほら、早く結婚しないとお前だけ独身になっちまうぜ。
ーーーだからさ、はやく目覚ませよな…………。」
ーー誰かの声が聞こえる。
でもそれもきっと関係無い。
現実と僕を繋ぐ、一つの管。
だってきっともうその唯一の繋ぎも、もうなくなる…………
もう、電子音はリズムを刻んでいない。
かわりに誰もいない静かな部屋には、ピーという無機質な音がいつまでも鳴り響いていた。
わかりずらかったら、すみません!




