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九十八話 ジゼリィ=アゼリィ収穫祭 メロ子、立つ様


「おはようございまーす」



「おー待っとったでぇ、今年もおいしいのが出来たけぇ」


 朝、俺は街の近くの農園のおじいさんのもとを訪れていた。




 以前、街が襲われたとき、絶大な力で街の人を守ってくれたおじいさん。


 ラビコに聞いたところ、ジゼリィさん、ローエンさん、海賊のおっさんのお師匠さんなんだと。どーりで強いわけだ。


 三千騎士を名乗り、一対多数の戦いを得意とするランス使い。


 若いときは王都を守る騎士、歳をとってからは、若い騎士を指導する教官をやり、現在はそれも引退し農園のオーナーをやっている。


 戦い方はその長いランスによる強烈な突き攻撃。


 それにより発生した衝撃波の破壊力は、丘の戦いで目の当たりにした。わしを倒したいなら三千人の騎士でかかってこい、が名前の由来なんだと。普段よぼよぼなのに、おっそろしいおじいさんだわ。




「ほれ、たんまり用意したでぇ。丹精込めたジャガイモじゃあ」


 広い農園のジャガイモ畑にうず高く積まれたジャガイモの山。


 見上げるほどの高さ。



「このあいだの戦いでは助かりました。ありがとうございます」


 おじいさんがいなければ、俺の命は無かったと思う。街の人の命も守ってくれた本物の英雄だ。


「かっか! お前さんが勇気を示し、時間を稼いでくれたからじゃあ。よかったらワシが鍛えてやろうか? かっかっか!」


「い、いえ! 自分基本体力すらないんで、まずは自己鍛錬から始めます!」


 ありがたい申し出だが、俺は例えこの優秀な師の元で修行をしたところで才能の無さを露呈するだけだと思う。



「友よ、運ぶの、手伝う」


 お、ハーメル。


 彼はあれ以降、おじいさんと気が合い、この農園に毎日来て作業を手伝っているそうだ。


「ありがとうハーメル。みんな元気か?」


「ああ、今、呼ぶ」


 ヒュロロロローヒポッ



 ハーメル曰く、これは笛の音ではなく会話をしているとか。


 音を聞いたイノシシ、猿、ホエー鳥などが集まって来た。


 そしてひと際大きな動物、体長五メートルを超える巨大なクマのメロ子が地面を揺らし、歩いてくる。ハーメルがいるから平気だが、普通に怖いよな、これ。


「みんな元気だな、ようメロ子。こないだは助かったよ」


 俺が手を上げると、メロ子が同じように手を上げる。


 もはや人間のリアクションだな、メロ子。






「ではありがたく食べさせていただきます、おいしい料理に仕上げてみますよ」


「おーおーあの鼻たれローエンの酒場も変わったみたいだのぅ、噂は聞いとるでぇ。転ばずに運ぶんじゃぞ~」


 俺はおじいさんに宿のオーナー、ローエンさんから預かって来たお金を支払う。


 でかい台車山盛り単位でジャガイモを買い、運ぶ。さすがに俺の非力では無理なので、ハーメルに応援をたのんだ。



ピュロロロローロローヒポッ


 ズンズンと地面が揺れメロ子が巨体を揺らし台車の前に立ち、取っ手を引っ張る。山盛りの台車が軽々と進み、俺達はその後についていく。


「すげーな、メロ子。助かるよ」


「メロ子、任せろ、って言ってる」




 メロ子の大きさは五メートルを超える。



 その巨大なクマが街を歩き、台車を引っ張っている。


 さすがにそのままでは街の人が怖がるので、少々仮装をしてもらった。


 メロ子はエプロンと頭にリボン、空を飛ぶホエー鳥達には、尻尾に鈴を付けてカーニバル風を装った。これもこれから宿でやることの宣伝になるしな。


「このあと午後からジゼリィ=アゼリィにて収穫祭を行いまーす! よろしければ皆様のご来店をお待ちしています」


 歩きながら声を出して宣伝。

 

 このジャガイモを使ってのイベントを宿で開催するのだ。




 宿に近づくにつれ、香る煙。


 空を飛ぶホエー鳥達が怯えだした。メニューには焼き鳥もあるが大丈夫、今そこを飛んでいるハーメルの友ではなく、商店街で買った普通の鶏肉だ。



 本当だって。おいしいよ。











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