表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/695

九十二話 魔晶列車とお城みたいなホテル様


「ラビコ、隠さずに正直に答えて欲しい」




「なんだい社長~真面目な顔されると心がキュンとなるなぁ~あっはは~」


 ローズ=ハイドランジェのシャンプー、ボディソープはあれから定期的に入荷し大好評となっている。



 お風呂の利用者も増え、すでに施設の増築にかかった費用は回収出来たっぽい。


 本日のお風呂ランチセットは、オレンジ風呂とスパゲティ鶏肉のカチャトーラ。


 オレンジがみっちり浮いている大浴場を満喫したら、ワイン、にんにく、唐辛子、塩漬け魚に鶏肉が入ったスパゲティをどうぞ、のセット。コーンスープにサラダもつくぞ、ぜひあなたもご来店を。




「アンリーナが言っていた。この街は勇者誕生の地としては有名だが、列車が通っていないという不便さがとかなんとか」


「うん? 列車かい~? そうだね、ここは港街だから船が一般的かね~」


 俺が聞きたいのは列車があるのかということだ。


「あれ社長~もしかして魔晶列車に乗ったことがないのかい? あっはは~田舎者かい社長は~」


 魔晶列車? なんか怖い響きだな、俺が田舎者かどうかは置いといて。


 俺は気付いたらここの街の橋の上に立っていたんだよ。


 異世界であるこの世界のことなど何も知らん。交通機関に何があるのかすら知らん。とりあえず船に馬車があるのは理解している。



「魔晶ってあれか、こないだ見せてくれた魔晶石のことか?」


「そうさ~魔晶石をエネルギーに走る列車さ~乗りたいのかい~?」


 ほう、ようするに魔法で動く列車か。


 それこそザ・異世界じゃないか。



「魔晶列車ってものがあるのか、それは乗ってみたいな。どこまで行けるんだ?」


「ここからだと一番近い駅がある街に行けば乗れるかな~王都にも行けるよ~」


 王都か。


 何度か聞くし、一度は行ってみたいところだな。都会なんだろ?


「宿からお給料も貰えているし、多少のお金ならあるぞ。どのくらいかかるんだ?」


 俺がいた日本と似たような値段なのだろうか。


「一番近い街から乗って、王都まで一番安くて片道百Gだったかな~。その先はもっとかかるよ~」


 ほう、日本感覚一万円か、まぁそんなびっくりするような金額じゃあないな。



「その列車は犬は乗せても大丈夫なのか?」


 足元でベスがそわそわしている。ベスを置いて行くわけにはいかないしな。


 つーかロゼリィは乗り物酔いがやばそうだな……。


「確か~カゴとか入れ物に入れれば大丈夫だったと思うよ~」


 ふむ、走り回らないようにカゴに入れておけばいいのか。


 ベスは漁船の荒波で酔わなかったし、大丈夫だろう。



 しかしロゼリィは宿の仕事あるし、俺の思いつきで連れ回していいもんなのかね。聞いてみるか。





「え、王都ですか? うわー行ってみたいです。王都には宿屋じゃなくて、豪華で有名なホテルがあるみたいなので気になっていたんです」


 ほう、ホテル。


 ってことは大きなビルみたいな巨大な施設があるのか。


 さすが王都ってやつか、やっぱ王都はかなり都会っぽいな。



「あるよあるよ~色がピンクとかカラフルな壁の可愛いホテルが~あっはは~」


 ラビコが話に割って入って来た。



「え、ピンクのホテルですか!? うわーかわいいんですね、いいなぁ泊まってみたいなぁ」


 …………それもしかして、それ系のホテルじゃ……。


 こっちにもあるのか、そういうの。


 日本と同じとか夢が無ぇな……いや、夢が膨らむな! 俺もいつかは……と!



「んふふ~そこでは~男女が男女の男女を~ごにょごにょしないといけないという決まりのホテルなんだよ~」


 ラビコがニヤッニヤしながら言う。


 あれはウソを言う悪い大人の顔だ。



「え……男女が、その、え? 決まりなんですか!? ひっ……あ、でもあなたと泊まれば……」


 ロゼリィが純真な心全開でラビコの話を信じてしまっているぞ。


 フォローするべきか? でもまぁ、半分当たっているしいいか。


「いいかい~そこでは部屋に入った瞬間から生まれたままの姿で過ごさないといけない決まりが~あっはは~」


「う、生まれたまま……それは男女両方ですか!? へ、へぇ……でも決まりなのでしたら……」




 うーん、やっぱそろそろフォローするか。ラビコがおっさんみたいなこと言い出しているし。



「ロゼリィ、それ嘘だぞ」



 直後、顔を真っ赤にしたロゼリィが部屋に走り、鍵かけてこもってしまいましたとさ。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ