表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ!】異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが ~職業街の人でも出来る宿屋経営と街の守り方~【WEB版】  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!
1 異世界転生したら犬のほうが強かったんだが

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/696

七十八話 ソルートン防衛戦 11 銀の妖狐と水の龍様


「ねぇ、君……この世界の住人じゃないだろう。僕等と同じだ」




 銀の長い髪に狐の耳、口から蒸気を吐き、吸い込まれそうな綺麗な瞳に銀色の九本の狐の尻尾。



 そいつに首を掴まれ空に持ち上げられる。



 銀の男と俺は空に浮かび上がり、呼吸が出来ない俺は必死にもがく。




「がはっ……く、ううう……」


 だめだ、こいつの握力が半端ない。


 ジゼリィさんの防御魔法がかかっていなかったら、どうなっていたか。


「あれれ、力加減が難しいんだなぁ……人間って脆いから。死なれちゃ困るんだ、だって君は僕等の仲間なんだよね?」


「そいつの言葉を聞くな! そいつはそうやって不思議な言葉で人を惑わす妖怪だ! その手を離せ……銀の妖狐!」


 ラビコが右手をかざし叫ぶ。


「出でよ一角獣、アランアルカルン!!」


 俺の背中のマントが光り、長い角を額に生やした馬の頭が出てきて銀の妖狐を襲う。


 男は俺の首から手を離し、攻撃が届かない距離まで下がる。



「ぐっ……ぜはっ! ぜはっ!」



 俺は必死に酸素を吸い、命を繋ぐ。


 着地を考える暇がなかったが、ラビコが浮き上がり俺をキャッチしてくれた。



 ラビコの髪の毛が逆立ち、体から紫の光が溢れ激しく輝きだす。


「私の目の前で私の男に手を出すとか、いい度胸だ。消し炭にしてやる……」


「ベスッ!!」



 ラビコとベスが切れた。


 空に七つの光が生まれ、空に静止している銀の妖狐に七つの光が重なる。


「天に焼かれて消えるがいい! ウラノスイスベル!」


 ラビコの声と共に七つの光の柱が銀の妖狐を包むも、ポーンとその場でジャンプしたと思ったら、瞬間移動でもしたように波打ち際に着地する。


「ベスッ!!」


 額から溢れた青い光がベスを包み、光を纏ったまま突撃していく。


 またポーンと真上にジャンプし、一瞬でここから百メートルほど沖に着地。




「銀の妖狐……!!」



 空飛ぶ車輪にのったお姫様が単身で銀の妖狐に攻撃を仕掛けるが、海の上で瞬間移動を繰り返し全ての攻撃を避ける。


 まずいぞ、こいつ今までの蒸気モンスターとは格が違う。


「サウザンロウラ!!」


 お姫様が槍を乱舞させ、無数の魔法の光の刃を飛ばす。


 扇状に広範囲の攻撃だが、銀の妖狐はぽーん、ぽーんとジャンプし次々と海の上で居場所を変え、当たる気配が無い。


「この……! 私の攻撃が当たらないというのか……!」


 おそらく今ここにいるメンバーで一番早い移動速度に機動性、攻撃速度を持っているのはお姫様だと思う。


 攻撃速度ならローエンさんの光の円盤も早いのだが、空飛ぶ車輪の自由自在な機動性があるお姫様がダントツだろう。


 ラビコは火力は一番だろうが、速度が遅い。




「ねぇ、僕の目的は君等じゃないんだ。邪魔だしどいてくれないかな」



 銀の妖狐の尻尾が輝き、右手を前にかざす。すると男の背後の海が盛り上がり形を成していく。


 大きな牙に大きな口、鋭い爬虫類の目に角。


 長い胴体に鱗……これ龍じゃないか。



 銀の妖狐の背後に高さが二百メートル近い海水が形を成した龍が現れた。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ