表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ!】異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが ~職業街の人でも出来る宿屋経営と街の守り方~【WEB版】  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!
18 異世界転生したら腹を舐められたんだが

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

688/702

六百八十七話 俺の継がれる要素とラビコに接触してきた不審者たち様




「それで先生、名前はどうしましょうか!」


「え、あ、その、一体何のお話……」



 バニー三人娘に魔晶石を買った帰り道、なぜか俺はハイラに命名を迫られていた。


 確かにクエストの報酬が出ない騎士であるハイラには、俺からご褒美をあげるよ、とは言ったけど、なんで子供が出来る話になっているの。



「やはりここは、愛する二人の出会いの場所であるフォレステイから取るというのはどうでしょう! ええと、フォレッコとかどうです?」


 騎士ハイラが俺の右腕に絡み、なんともいえない名前を提案してくる。


 ええと、あの、俺は異世界の流行りとか疎いんだけど、子供の名前としてフォレッコはどうなんだろう……。


「先生と私の子ですから、頭が良くて、オレンジ色なんでしょうねぇ。ふふ」


 何が? ハイラさん、何かうっとり言っていますが、もし子供が生まれたとして、一体どの部分がオレンジ色になるの?


 頭が良いがハイラ部分だとして、オレンジ色が俺の引継ぎ要素なの?


 俺って何なの? 色のみ?


 つかオレンジなのは、俺が着ているジャージだけでしょうが。


 いや、ここは冷静に突っ込んだら負けなのかもしれない。


 分かったうえで役割を演じ、言葉で遊ぶ。


 そういうロールプレイかもしれないしな……



 俺の隣を歩いているメイドバニー、アーデルニとドロシーが、こいつ何言ってんだ、みたいな顔でハイラを見ているが、うん、俺もそっち……


「……マスター」


 おっと、バニー娘アプティもこの謎のプレイに参加してくるのか? と思ったが、正面方向を無表情でじーっと見ている。


「どうしたアプティ。何か……って、あれラビコか」


 知らされた方向を見てみると、遠くからでもよく分かる格好、水着魔女ラビコが歩いていた。


 ……いや、なんか左右を男五人に囲まれて、話しかけられているな。


 ラビコがムスっとした怒り顔で無視しているっぽいが……あれはなんだろう。


 ナンパか?


 まぁラビコって、一見マジの美人さんだしなぁ。


 よく分からんが、ハイラ曰く、ラビコ様は言い寄ってきた男にビンタ喰らわしてた、とか言っていたし、男のほうに被害が出る前に止めとくか。


「ラビコー! 今冒険者センターから帰ったんだけど、そっちも出かけてたのか」


 俺が大げさに手を振り、前方を歩いている水着魔女ラビコに話しかける。


「……駅に出来た商業施設にお酒買いに行ってただけ~。そしたら付きまとわれて~」


 俺の声が聞こえた途端、水着魔女ラビコがビタっと止まり、手に持っていたお酒の瓶を見せつけてくる。


 買ったお酒を直持ちするなよ。


 お前の場合、振り回しそうで怖いんだって。


 ラビコの周りにいた男五人も止まり、俺のほうを見てくる。つか、睨んでくる。

 

 怖。


 見た感じ……冒険者かな?


 鎧とか、短剣とか装備しているし。


 ああ、水着魔女ラビコって、世界に名を馳せる大魔法使いだから、冒険者としてのアドバイスを求められていたとか?


 昨日朝ごはんを食べた初心者パーティーの三人もそうだけど、最近本当にソルートンに来る冒険者の数が増えたからなぁ。


 すいませんね皆さん、ラビコって成した実績はすごいんだけど、基本ワガママ魔女だから。


 俺でよければ、冒険者として役立つ情報を多少差し出せますよ。


 まぁそこの水着魔女ラビコが情報提供して完成した本、冒険者センター公式ガイドブック斜め読み程度の知識ですけどね。


「……チッ……ハーレムオレンジ野郎が」


 五人のリーダー格っぽい大男が舌打ちしながら何か言い、商店街の雑踏へと消えていく。


 ハ、ハーレムオレンジ野郎……俺って、周囲からそんなふうに見られていたのか……。


 ハイラにアプティ、アーデルニ、ドロシーが周りにいる今の状況は、その表現で合っているかもだけど。


「……」


「ご主人様、なんです今の。海に沈めて赤い魚のエサにしましょうか?」


「山に吊るして青く光らせるのも面白いかもー」


 アプティ、アーデルニ、ドロシーが俺を守るように動き、周囲を警戒。


 アーデルニとドロシー、怖いこと言わないようにね。


「ベッス」


 愛犬が俺の足に絡んでくるが、ベスが無反応な時点で脅威はないだろ。


 動きを見たが、戦い慣れた感じはなかったし、冒険者じゃないだろう。



「……ラビコ様、今のはどこの組織でしょう。細かなことでもいいので、情報のご提供をお願いします」


「さぁ~てね~。多分冒険者の格好をして潜り込んだ、雑誌記者かな~。放っておいても大丈夫そう~、あっはは~」


 あれ、さっきまで笑顔で俺の右腕に絡んできていた騎士ハイラが、真面目な顔でラビコと話をしているぞ。


 またハイラがどこの組織とか言っているが……


「申し訳ございませんラビコ様。記者系はほぼ全て街の入口、駅と港でストップさせていたのですが、さすがに冒険者さんの流れは止められなくて……」


「うん、だから、じゃないかな~。冒険者の姿をして、冒険者カードを持てば騎士に止められずに街に入れるって気付いたんでしょ~。ラビコ様はなぜ王都じゃなくてソルートンにいるんですか、とか、なぜ国がこの小さな港街にこんなに力を入れ始めたのですか、とか、ルナリアの勇者も無しにどうやって銀の妖狐を撃退したんですかとか、冒険者としてのアドバイスが欲しいって言ってた最初の設定どこいった~って質問ばっかだったし~。社長が止めてなければあと数秒でビンタしてるとこだったよ~、あっはは~」


 ちょ、ラビコ、やっぱビンタするつもりだったのかよ……ああ良かった、話しかけて……。


 そして今のラビコは酒瓶(中身入り)装備だから、火力がビンタの比じゃないんだぞ。絶対にやめろ。



 あと、急にハイラが真面目になったり、ラビコの今の話とか……何?


 そういえばハイラが最初に何か言っていたよな。


 極秘任務で来ただの、初心者の二人に、ついに尻尾を出したな極悪組織だの……もしかして……ソルートンがどこかに狙われている、とか?


 そういうの、闇の種族のルリエラさんだけでもうお腹いっぱいなんですが。

































「異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが」


書籍 ① ② 巻 発売中!


コミカライズ版 ① 巻 発売中!


++++++++++++++



【以下定型文】


作品を読んで興味を持ってくれた読者様! よろしければ下にある


『☆☆☆☆☆』のポイントをよろしくお願いいたします。


応援する意味でブックマーク登録やご感想、レビュー等いただけたらとても嬉しいです!


         影木とふ





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ