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18 異世界転生したら腹を舐められたんだが

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六百七十七話 バニー娘アプティのお友達パーティー様




「だ、誰ですか先生、この女性二人は……! やけに親し気ですけど……」



 初心者パーティーのみんなとの朝ごはんを終え、帰ろうとしたら急にメイド二人に襲われた。


 襲われた、ってのは強すぎる表現か。


 俺にくっついてきたハイラが強めのチョップをされそうになった、ってとこか。




「ええっと……その……」


 さて何と説明したものか。


 以前銀の妖狐の島に連れ去られたときに、俺の身の回りのお世話をしてくれた二人……なんだが、彼女たち、人間じゃあなくて上位蒸気モンスターなんだよね……。


「言い淀むってことは何かよからぬ関係があって、体の関係がすでにあるってことですか……!? 怪しいです……とっても怪しいですこの二人! ラビコ様ではなくて、ピンポイントで先生に接触してくるあたりも、超怪しいです! どこの組織の者か吐かせないと……!」


「お、落ち着けハイラ、彼女たちはアプティを通じて知り合った友達だ。そう、友達」


 島ではきちんと俺の話を聞いてくれていたし、まぁ大体合っているだろ、友達で。


「お友達……? アプティさんのお知り合い……」


 それにしてもさっきからハイラは組織だの、俺が狙われているだのと言っているが、何なんだろうか。


「友達……! やったよアーデルニ! 私たちご主人様の友達に格上げになってるよ!」


「確か人間の言葉で、まずはお友達から、というのがあります。つまり、順調に信頼を築けているということです。焦らずゆっくりと段階を踏む、本にはそれが恋愛マスターへの近道だと書いてありました」


 俺の言葉を聞いてショートカットの女性、ドロシーさんがぴょんぴょん跳ねて喜び、ロングヘアーの女性、アーデルニさんが懐から本を取り出し指でなぞっている。


 恋愛マスター……?


 なんだあの本……『意中の相手を振り向かせる百の方法、些細な仕草から判断する急接近のタイミング……』とか書いてあるが……もしかしてアーデルニさん、人間の文化を学ぼうと、恋愛雑誌を買ってしまったのか……?


 間違ってはいないが、学べる文化の範囲が極端すぎるという意味では間違っているぞ。


 ああいうの、宿の娘ロゼリィが熱心に読んでいるイメージ。




「アプティ、どうしたんだ? 急に二人を連れてきて」


 とりあえずハイラの頭を撫で落ち着かせ、無言無表情でじーっと俺を見ているバニー娘アプティに今の状況の説明をお願いしてみる。


 メイド服を着ている女性二人の正体は、普段銀の妖狐の島に住んでいる上位蒸気モンスター。


 なぜ島を離れ、アプティと一緒に俺のところに来たのか。


 何か緊急の用事でもあるのか?


「……その……マスターを守るため、です……。私一人では、難しい……ので」


 俺の問いにアプティが無表情で答えてくれたが……そうだった、アプティって喋るの苦手ガールだった……。


 俺を守るため? 一人では難しい……?


 ハイラも俺が狙われているだの言っているけど……アプティもなのか? 


 つかバニー娘アプティが一人では難しい状況って、相当だぞ。


 うちの無敵の愛犬ベスは最近妙な反応はしていない……いや、そういえばアプティがいなくなる直前、ハイラの歓迎会のときにあったか。


 アプティとベスが宿の入口をじーっと見ている瞬間があったな。


 あれか……?


「ご主人様、私たちは三人でパーティーを組んだのです」


 アプティのちょっと後ろにいるメイド女性、アーデルニさんが説明の補強をしてくれた。


 おっと、アーデルニさんって空気が読める人なのか。


「今回は格上の相手を想定し、アプティ様をリーダーとしたパーティーの連携というものを学べたら、と思っています。ご主人様はいつも複数の女性とご一緒なので、集団行動のあれこれについてお詳しいかと思い、お時間のあるときにアドバイスをいただけましたら嬉しいです」


 俺がいつも複数の女性と一緒? 


 な、なんかアーデルニさん、言い方にちょっとトゲがない? 


 いや、アーデルニさんって蒸気モンスターだし、まだ人間の文化に慣れていないんだろう。


 うちのバニー娘アプティだって、最初のころは今以上に言葉が途切れ途切れだったし。


 まだ上手な言い回しが選択出来ないだけか。


 うん、そう思うことにしよう。



 パーティーの連携、か。


 さっきの二人の行動、じゅうぶん連携は取れていたと思うけど。


 格上の相手を想定した……? ああ、さっきアプティが言っていたのはそれか。


 例えば俺を守るのが一人では難しい相手と遭遇したとき、戦力差を埋めるための選択肢としてパーティーを組む、そのときの連携を学びたい、と。


 つまり、将来を見据えた訓練ってことか。なるほどね。


 

 まぁさっきので分かったと思うけど、うちのアプティって基本無言無表情で、喋るのが苦手なんだよね。


 個人ではそれでもいいけど、複数で格上相手に動くときは致命的。


 その点、俺はいつもアプティと一緒にいるから、無言無表情の彼女の考えを、ある程度理解できている。


 それを学びたいってことか。


 にしてもアプティ様、ね。

 

 そういえばアプティって、水の種族のリーダーである銀の妖狐の妹さんなんだよね。


 じゃあ二人にとっては、上司にあたるのかな。



 パーティーの連携を試すのならば、やはり実戦あるのみ。


 上位蒸気モンスターの三人を引き連れてやってみっか、冒険者センターで受けられるクエストってやつを。




























「異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが」


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++++++++++++++


【以下定型文】


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         影木とふ





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