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18 異世界転生したら腹を舐められたんだが

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六百七十二話 ハイラのクローズド歓迎会で俺の女性の残り香疑惑様




「えーっと、プライベート旅行でソルートンに来てくれたハイラとの再会を祝して、かんぱーい」


「かんぱ~い、おごり酒最高~! あっはは~」



 夕方、宿ジゼリィ=アゼリィの二階にある俺の部屋にて、ささやかながらハイラの歓迎宴会を開いた。


 何やら『極秘任務』でのソルートン来訪らしいし、宿一階での派手な歓迎は行わないほうがいいだろう。


 俺の部屋にて、ちょっとしたクローズド宴会。


 大きな机を運び、そこにイケボ兄さんに作ってもらった六人分+一匹分のオードブルを並べたもの。費用は俺持ち。


 水着魔女ラビコが、グイグイお酒を飲んでいるな……。


 せっかくハイラが来てくれたのでちょっと奮発したが、ラビコってここにいる誰よりもお金持ちなんだから、おごる必要がない気がしてきたぞ。



「おいしいですぅ! やはりソルートンは王都と違って、お魚が新鮮で美味しいですねぇ」


 宴会の主役であるハイラが、笑顔でオードブルのメインであるお刺身を頬張る。


 このお刺身たちは、あの海賊風漁師、ガトさんから買った素材だから間違いはない。


「まぁ王都は内陸だし~、いくら冷蔵列車で運んでも限度があるしね~。それに引き換えソルートンは海の街~、鮮度抜群~。お酒とも合うし最高~、あっはは~」


 水着魔女ラビコが説明してくれたが、ペルセフォス王都は海からちょっと離れた場所にあるからな。


 鮮度については、漁港から直でお魚を仕入れられるソルートンの圧勝だろう。


「ところで先生、最近誰かに言い寄られたりしました? 知らない女の残り香がします」


 さて俺もお刺身を一つまみ。うむ、さすがイケボ兄さん、お魚の種類によってしっかり厚みを変えて切っていて、一番美味いと思えるバランスでぶっふぅ……あっぶな、俺の好物のサーモンみたいなお刺身を吹き出すところだった。


 残り香……? 急にハイラが笑顔で意味不明なことを言ってきたぞ。


 この子、サイキッカーとかなの?


「…………」


 あれ、なんかロゼリィ、ラビコ、クロ、それにアプティまでもが俺を不審そうに見てきたぞ。


 おいおい、あなたたちはずっと一緒にいるから知っているでしょうが。


 ……俺は堂々、童貞だってーの。


「その、何を言っているのかさっぱりなんだが……?」


「うっそ~。こないだ星神の国に行ったとき~、社長ってば、ここにはいない女二人に抱きついていたよ~。あと、もう一人の女を裸にもしていたかな~。近くにいる女には手を出さないくせにさ~、遠くの女にばっかりお盛んなのさ~」


 俺が誤解を解こうと言うが、水着魔女ラビコがさらなる誤解を生みそうな言葉をかぶせてくる。


 ここにはいない女……?


 確かにルナリアの勇者さんと出会ったとき、回復魔法を使う女性と『日本』トークで盛り上がって、サクラさんが興奮して抱きついてきたり、蒸気モンスターであるアインエッセリオさんに抱きつかれたりした。


 あとラビコは知らないだろうが、船の上でケルベロスにも抱きつかれたな。


 ほら、正確に思い返しても、向こうから来たのであって、絶対に俺からは抱きついていない。


「し、知らん知らん! 完全な誤解だ! ラビコがわざと面白くなるように曲解して言っているだけで、俺は無実……」


「裸って……なんです?」


 ハイラが笑顔で俺に迫ってくる。


 ちょ、怖っ……!


 裸? それはあれか、星神の国の大穴に入って蒸気モンスターに襲われたときの話か?


 闇の種族、ルリエラさんという女性に襲われたので、愛犬ベスの咆哮で衝撃を与え動きを止めようとしたら、なぜか服だけが綺麗に吹き飛んで裸になってしまったってやつ。


 確かにベスに指示を出したのは俺だが、裸にしろ、とは言っていない。


 そう、ただの偶然の、悲しい事故なのだ。


 別に女性の裸が見たくてやったわけじゃあない。


 正当防衛、そう、そこだけは絶対に、絶対に誤解のないように頼むぞ。



 ルナリアの勇者さん絡みの話は詳しくは言えないし……ああくそ、説明が面倒だな!



「ベ、ベスが……」


「ベスちゃんがそんなことをするわけがないじゃないですか」


 俺が色々なところに配慮をし、シンプルな説明をしてみたが、ハイラが真顔で一蹴してくる。


「はぁ……先生が外に女性を求める、つまり、ソルートン組の皆さんでは先生を満足させてあげられていないということですね……」


 ん?


「ラビコ様がお側にいながら、この体たらく……でも大丈夫ですよ先生、今日からは私がずっとお側にいますから!」


 ハイラがすごい笑顔で俺を見てきたが……あれ、さっきまで怒られていたんじゃあないの?


 どこかで急に風向きが変わった模様。


 俺には検知出来なかった。


「はぁ~? ちっげ~よ! いくらこっちから誘っても乗ってこねぇんだよこのクソ童貞! 何度マジで誘ったと思ってんだよ! 襲おうとしてもアプティが無言の圧力かけてくるしさ~!」


 ラビコが空になった酒瓶振り回し激怒。


 え……なんか急に怒りだしたけど、つかもうお酒一本飲み干したのかよ! 


 あーあ、これ、絶対に酔っているだろ……。


「そ、そうですよ! 私だって何度もアプローチしていますし、早くそういう関係になりたくて積極的に何回も……」


 あれ? お酒を飲んでいない宿の娘ロゼリィさんも変な方向に怒り始めたぞ?


「エロ本規制したりよぉ、外にあるエロい物からなるべく遠ざけて、近くにいるアタシたちに手を出させようと、ロゼリィがすっげぇ頑張ってンだぞ? それなのにキングってば外にあるエロい物にばっか目がイってよぉ。アタシだって早くキングとヤって魔法の国に連れて行きてぇってのに」


 普段結構常識人である、猫耳フードのクロまでもが妙なこと言い始めたな。


 何か雰囲気がおかしいぞ。


 ええっと、これは楽しい楽しいハイラの歓迎会、のはず……



 ここはいつも冷静なバニー娘アプティさんに助けてもらおう……って、あれ? そういやアプティがいないぞ?


 さっきまで俺の後ろに無表情で立っていたのに。


 あ、でもアプティ用の紅茶とアップルパイはなくなっているな。


 食べ終えて部屋に戻ったのかな?


 あのアプティさん、こういうときは無言でいなくならないで、俺も誘って……。


 なんか女性陣が全員妙な方向に暴れて、収拾がつかないのよ……






















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         影木とふ






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