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17 異世界転生したら星が落ちる国があったんだが

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六百四十八話 ルナリアの勇者2 ルナリアの勇者御一行様





「ラビコ……? マジで!? どこどこ!」



 星神の国のサリディアの大穴にある横穴ダンジョン。


 水着魔女ラビコ曰く、ルナリアの勇者は確定でここ、でも私一人では会えない。


 ここは入口が一万以上あるうえ、その先はランダムでどこかの空間に繋がる。つまり正攻法で突入したところで、ルナリアの勇者がいる空間に辿り着くのはほぼ不可能。


 とんでもないラッキーを引き当てられるマンのみは例外だが、普通の人間には寿命をかけたチャレンジになってしまう。


 愛犬ベスのサポートと目の力を使い、無理矢理ルナリアの勇者がいる空間の出口をこっちに繋げ、なんとか目的の空間に出た。


 なんだか巨大な黒い龍に襲われている人がいたので助けたが、彼らが噂の『ルナリアの勇者』らしい。



 おお……ついに俺はルナリアの勇者さんに会えるのか。


 ラビコからよく話は聞いていたが、えーと、なんて言ってたっけ。あの女ったらし勇者、だっけ……あれ、そういえばラビコが一番ルナリアの勇者という人物を称した言葉は、結構酷いものだった。


 噂先行の色眼鏡で見るのはやめて、成し遂げた実績からの人物像を予想していたら、剣を持った男性の後ろから女性が勢いよく飛び出してきた。




「うわぁあああああラビコだ! 元気? 元気だよね? うっわさらに美人になってんじゃーん! お姉さん嬉しー、私の自慢の妹ー! 怪我してない? 見せてみて、すぐ治してあげるよ?」


「あ、ちょっ……抱きつくな……え、こら変なとこ触るな~! 私を誰だと思っているんだ、怪我なんてしてないって~の! つか怪我してる可能性あるのそっちだろうが~!」


 ロケットがごとく靄から飛び出してきたのは、二十代中盤ぐらいのとんでも美人さん。


 ターゲットを見つけると、両手をズバっと広げ、引け腰のラビコを問答無用で抱き寄せる。


 頭をグリグリ撫で、流れるようにラビコの胸やお尻も躊躇なく触るという痴女、いや、とても参考になる動きを見せてくれた。


 美しい動きだ。ぜひ俺もやってみたい。もちろん夜の想像の一人祭りで、な。


「サクラ、そのへんにしとけ。ラビコが嫌がっているだろ」


「えぇー? 私の可愛い妹が嫌がるわけないでしょー? ねー、ラビコー」


「うっざ! 相変わらず、うっざ! 妹じゃないし……ああああ~! 社長に無理言ってすっごく頑張ってもらったけど、会いに来て損した~!」


 捕獲者に捉えられた水着魔女ラビコが必死に脱出を試みるが、強引に抜け出そうとして着ている水着がずれて、その大きなお胸様が見えそうに……! いいぞ、その調子です初めて会うお姉さん! GO! GO!



「お兄さん、すごく強い」


「……? こ、こんにちわ、って今の時間は夜中か。こんばんわ。俺が強い? いや、そんなことはないよ?」


 イケイケ女性と水着魔女ラビコの組んず解れつに大興奮、握りこぶしを作り熱視線を送っていたら、足元に小さな女の子がトコトコ歩いてきた。


 ルナリアの勇者さんの子供か?


 じーっと真っすぐに俺を見てきて、ニカァと笑う。うん、可愛い。


 強い? 強さでいえば、愛犬ベスにアインエッセリオさん、バニー娘アプティにラビコクロ、握力すごいロゼリィときて、最後に俺、ぐらいのものだと思うが?


「あっれ、めっずらし。うちの人見知りのカエデが初対面の男の子にラブラブ視線だ。うっふふ、あなた……誰?」


 小さな女の子と笑顔で見つめあっていたら、ラビコに絡んでいた女性が瞬時に俺の横に移動してきて、至近距離で睨んでくる。


 動き早っ……! ……目、こわっ! いや、俺なんもしてませんって!


「小娘、わらわの王から離れろ。刻むぞ」


「……マスターに対する敵対行動……」


「おかーさん、ダメ。この人、真っすぐ、強い」


 女性の目力に負けて冷や汗をかいていたら、女性の首に長い鉤爪が押し当てられ、バニー娘アプティがしゃがみ込み、足に付いているゴツイ武具をトントンと叩きだした。


 そして小さな女の子がプンプンと怒った顔で、女性を後ろに引っ張っている。


「アインエッセリオさん、アプティ、ストップ! 俺の後ろへ下がるんだ。これはただのスキンシップ、友好の行動だ」


「おっと、初対面でやりすぎちゃったか。ごめんごめん、悪意はないのー」


 ちょっと怖い目で鉤爪を構えたアインエッセリオさんと、無表情だけど少しご立腹のバニー娘アプティに指示し、後ろに下がらせる。


 女性もニッコリ笑い、俺から距離を取る。


 どうしたんだよ二人とも、これぐらいでそこまでしなくても。


「……魔力、マスターと近いクラス……」


 アプティが俺の指示で後ろに下がるが、いつもより数歩前、かなり俺の近くで警戒モード。


 珍しいな、アプティがここまで言うなんて。


 魔力……? 


 俺と近いクラスって、俺は魔法使えないんだから、魔力とか秘めてないでしょ。


 この女性は……ふむ、どれ……って、これはすごい。そうだな、今まで会った中だと……エルフ、水着魔女ラビコのお師匠だというエルメイシアさんに近いか?


 って、それってすごいぞ。


 大魔法使いと名乗るうちの水着魔女ラビコ、彼女より上……ん? この感じ……この人、例の回復魔法を使う女性か?



「こら~、やめろって~のサクラ~! 私の男を脅すな~!」


「そうだぞサクラ。カエデが真っすぐ強い、なんて表現する人物だ、相当だぞ。返り討ちにあってお終いじゃないか? ははは」



 あの、ラビコさん……そろそろこの方々のご紹介をお願いします……




「ったく~、ノリが昔のままとか、やりにくいっつ~の。あ~ごめんね社長~。こいつがかの有名なルナリアの勇者ってやつで~、女ったらしリンデル=ライトと、使うのは回復魔法だけど~、本人はパワー系女のサクラ=クジョウジ~。子供は初見~、し~らない」


「いや、どなたか知りませんが、助けていただいて感謝ですよ。酷い紹介でしたが私はリンデル。その様子だとラビコから聞いているとは思いますが、ルナリアの勇者と呼ばれる人物、本人です」


「もう結婚したから私、サクラ=ライトだけどねー。こっちは自慢の娘、カエデ。かっわいいでしょー……うっふふ、あげないよ?」


「初めまして。カエデ。犬とか煙の人とか、お兄さん面白いパーティー」


 とりあえず仕切り直して、やっとラビコが紹介をしてくれた。


 リンデル=ライトさんに、今はサクラ=ライトさんに、娘のカエデちゃんと。


 へぇ、ルナリアの勇者さんと回復魔法の女性は結婚したんだ。


 ルナリアの勇者さん、リンデル=ライトさんは動きやすさ重視の鎧に剣、見た目は細いが、筋肉は結構ある。赤髪長髪イケメンって感じだろうか。


 サクラさんは、魔法使いが着るような豪華なローブを動きやすいようにアレンジした感じの服装。黒髪ロングで魔法使いのような大きめの帽子をかぶり、カラーサングラス着用。そして手には、丸い輪っかがついた長い杖。


 カエデちゃんはちびっ子戦士みたいな感じだろうか。背中にはしっかり剣を背負い、小さめの盾を左手に装備している。なんかSDキャラみたいでかわいい……。


 

 そしてカエデちゃん、アインエッセリオさんを指して煙の人、と言っているが、さっきアインエッセリオさんは靄を出していなかった。


 なんだろう、とっても勘の良い子、なんだろうか。 





























「異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが」


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         影木とふ






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