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【書籍化&コミカライズ!】異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが ~職業街の人でも出来る宿屋経営と街の守り方~【WEB版】  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!
17 異世界転生したら星が落ちる国があったんだが

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六百四十六話 星神の門3 引き当てた晴れの草原ステージ様





「…………スター……」



 う……


「…………マスター」


 ……なんか甘い香りが……




「あれ……アプティか……」


「……はい、おはようございます。マスター」


「なんだ、もう朝か……ふぁ……」


 ぼーっとする頭、まだ目を開けたくないが、眩しい太陽の光に勝てるわけもなく薄目を開けると、そこには毎日の光景、バニー娘アプティが無表情で俺を覗き込んでくる。


 アプティの長く綺麗な髪から甘い香りが。


「……マスターの睡眠を邪魔していた物は向こうにどけておきました」


 俺の睡眠の邪魔? アプティが無表情ながら、ドヤ顔っぽく俺に報告してくる。


 はてなんだろう。まぁいい、ここは褒めるところだ。


「ありがとう。やっぱりアプティはかわいいな」


 あれ、俺アプティに膝枕されているな。


 とりあえず手を伸ばし、アプティの頭を撫でる。


「……マスター、このまま島で結婚……」


 優しくアプティの頭を撫でると、アプティが無表情ながらも満足気。


 だからいつも言う、島で結婚って何?


「ベッス」


 おっと、愛犬ベスが俺の胸の上に乗ってきて、ナデナデを求めてきたぞ。


 可愛いなぁ、俺の愛犬は。


「ほっほ、王よ、あまりイチャイチャしている時間はないぞ?」


 バニー娘アプティと愛犬ベスを撫でるという、いつもの朝のルーティンをやっていたら、眠そうな目の女性が長い鉤爪を使い、とある方向を指す。


 あれ、アインエッセリオさん……って太陽に青空、足元には草原……ここ、どこだ!


 俺はガバっと起き上がり、周囲を確認。


 見晴らしの良い草原……? なんだここ。


 ちょっと離れたところに、女性三人が綺麗に並べられている。って、みんな!


「ラビコ! ロゼリィ! クロ! 起きるんだ!」



 やっと頭が回転し始めたぞ。


 そう、俺たちは夜中、星神の門と呼ばれる大穴に来て、一万以上あるという横穴ダンジョンの『1』と書かれたところに入ったんだった。



「さすが我が王よのぅ。この世界の創造主が作ったルールをその場で組み替えるとはのぅ。しかも空間のねじれからくる衝撃波、生き物なんて簡単に消し飛ぶレベルのものから、これだけの人数を守り突破するとはのぅ……ほっほ、さすがのわらわも道中恐怖だったぞ」


 アインエッセリオさんが俺たちの後ろを指すので見てみると、なにやら黒い物が空中に浮いている。


 これ、さっき入った横穴ダンジョン『1』の出入口か?


 そうか、帰り道はここになるってことか。


「も~びっくりした~。なんか色んな音が一気に耳に入ってきて~、ってここどこ~?」


 水着魔女ラビコが周囲を見てから全員を見渡し、無事を確認する。


「草原……ですね……ここ、ダンジョンの中ですよね? 太陽もありますし……」


 宿の娘ロゼリィが不安そうに俺の左腕に絡んでくる。


 俺たちは夜中、サリディアの街にある大穴の横穴ダンジョンに入った。


 なのに、真上に燦燦と輝く太陽に雲一つない青空。


 なんだ……? ここの空間には時間の流れとか無いのか? いや、こういう、『晴れの草原という空間』ってことか。


「ここは晴れてる草原ステージってとこかぁ? 確か他には夜の海とか、台風のような暴風雨の森林とか、それこそ薄暗いダンジョンの奥深くとか、いっぱいあるらしいぞ。天気に関してはラッキーだったのかもなぁ。にゃっはは」


 猫耳フードのクロがゴーグルを付け、周囲を確認している。


 そういえば、クロのゴーグルには遠視の機能があるんだっけ。


 草原ステージ、なるほど。ゲームのダンジョンのように考えると、実にしっくりくる。



「王よ、対象の人間が根暗コソコソに追われているぞ? 生きている状態で用事があるのではないのか? ほっほ」


 アインエッセリオさんが一番最初に指していた方向、遠くの岩山のような場所をじっと見ている。


 対象の人間? 根暗コソコソ?



ゴアアアアアアアアアアア!



 次の瞬間、耳が痛いぐらいの咆哮が聞こえてきて、上空に浮いている巨大な黒い龍が真下、岩山に向かって衝撃波を放つ。

 

 直撃した巨大な岩が爆発。靄が周囲を覆いだす。


 靄……? もしかしてあの龍、蒸気モンスターか?


 口から大量の靄を出し、龍は地上に向かってさらなる追撃。


 だが、地上から青く光る斬撃が放たれ、龍の衝撃波を切り裂く。


「誰かが蒸気モンスターに襲われている! 助けに行くぞ!」


 俺が愛犬を呼び寄せ、走り出そうとすると、水着魔女ラビコが口をポカンと開け動かない。


 ど、どうしたんだ? 早く襲われている人を助けに行かないと。


「うっは~……これはこれは懐かしい~……まさかルナリアソードの青い斬撃を生きているうちに見られるとはね~。さっすが社長~、急に性欲湧いてパーティーメンバーを押し倒しただけはあるね~。数百回の試行は考えていたけど~、まさか一発で引き当てるとか予想外さ~、あっはは~」


 ラビコが俺の肩をバンバン叩きながら笑うが、え、さっきのって俺が襲ったことになってんの?


 もしかして無理矢理空間いじったせいで、みんなの記憶も改竄された……?


 いやいや、俺は何もしていないぞ!


「にゃっはは、ラビ姉が嬉しすぎてキングをイジってるだけだって。さぁ行こうぜキング。勇者を救いによ!」


 猫耳フードのクロがゴーグルを外し、ニヤニヤと俺を小突いてくる。


 引き当てた? 勇者?



 ──もしかして、今黒い龍に襲われているのって、ルナリアの勇者?
























影木とふ です


さて、17章を開始するとき、2月末に17章を完結、と

書きましたが・・・あれは嘘だw


ええと、書いているうちに当初よりボリュームが増えまして

一か月ほど伸びまして、現在の「17章の完結」は3月末、となりそうです・・・

もう少々お付き合いくださると幸いです



「異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが」


書籍 ① 巻


コミカライズ版 ① 巻 


発売中です


++++++++++++++


【以下定型文】



作品を読んで興味を持ってくれた読者様! よろしければ下にある


『☆☆☆☆☆』のポイントをよろしくお願いいたします。


応援する意味でブックマーク登録やご感想、レビュー等いただけたらとても嬉しいです!


         影木とふ







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