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17 異世界転生したら星が落ちる国があったんだが

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六百三十九話 星神の国レディアホロウ3 俺が見ているのは中身ですし羊羹美味しい様




「なんかレディアホロウに来る前から千年前の勇者ってのにご執心だけど~、なんなの~? もしかして社長の好みって、黒髪ロングの着物ちゃんなの~?」



 星神の国レディアホロウのお城目の前にある野外大型劇場。


 その横にあった歴史資料館から出て腕組みしながら思案していたら、水着魔女ラビコが不満そうに俺の顔を覗き込んできた。



「いや、そういうんじゃ……」


「にゃっはははは! それはねェだろ! キングが露出の少ない服着た女に興味なんて示さねぇって、にゃっはは!」


 元日本人として黒髪ロングの女性に親しみはあるが、好みとかは関係ないぞ、と否定すると、猫耳フードのクロが大声で俺の女性の好みを決めつけ言い放つ。


 は? 俺は露出の大小で女性の好みは決めないが?


 あ、まぁその、肌面積が多い女性にじっとり熱視線は送りますけども。


「え……そんな……で、では私はダメなんですか……?」


 クロの発言に宿の娘ロゼリィがガックリ肩を落とすが、関係ないって。


 俺、普段から露出の少ないロゼリィさんのグラマラスボディをどれほどの熱視線で見ているか知っていますか?


 俺が見ているのは中身です。


 ん? この流れでこう表記すると、服の下の裸を想像しながら毎日興奮して見ています、って変態的な意味に取れるぞ? 


 違うって、俺が見ているのは心ってことっすよ。


「…………マスターは揺れていると、よく視線を送っています……」


 ちょ、バニー娘アプティさん、余計な事言わないで。


 そりゃあ見るでしょう。人間は動くものに自然と目が行くっていう、動物的感覚はありますよ。


 そう、理由はそれであって、決してエロい気持ちなどではありませんのでご安心を。


 そう、揺れ……いえ、僕が見ているのは心です。


「そうだのぅ。そういえばお風呂のあと、わらわの揺れる胸をすごく見ていたのぅ。興味があるのなら、触ればいいと思うがのぅ」


 長い鉤爪で俺のジャージをつかんでいた女性、アインエッセリオさんからとても魅力的な提案が。


 い、いいいいいいんすか! ありまぁぁす! 興味はすっげぇありまぁぁす!


 人間、心も大事ですが、やはり女性の魅力的なボディに十六歳の少年の心はワクワクドッキドキなわけで……!


 おっと。


 さすが芸術の国、雰囲気に乗せられて、つい心にもない悪い俺を演じてしまったぜ。



「そ、それよりみんなで甘いデザートを食べに行かないか?」


 俺はにっこり笑い、近くにあった喫茶店を指す。


 どうだろう、この俺の紳士レベル最高完璧な返答は。


「逃げたな~? ああ、ここに書いてあるのが社長が気にしていたやつだね~」


 水着魔女ラビコに軽く睨まれたが、俺が指している喫茶店のメニューを見てラビコの表情が笑顔に変化。


「お、ヨウカンか! 食おうぜ! せっかく星神の国に来てンだからよ、にゃっはは」


「うわぁ、これが噂に聞いた甘いデザート、ヨウカン。楽しみです」


 猫耳フードのクロと宿の娘ロゼリィも笑顔に。


 素晴らしい、やはり甘味、甘味は全てを解決する。




「うは~、やっぱ黒くて甘~い」


「甘くてとても美味しいです」


 喫茶店に入り、全員分の羊羹セットを注文。


 羊羹と紅茶のセットなのだが、元日本人としては羊羹には緑茶やほうじ茶のほうがしっくりくる。まぁここは異世界、贅沢は言うまい。


 水着魔女ラビコと宿の娘ロゼリィが羊羹をスプーンで小さく切り食べる。


「あっまー! これこれ、星神の国っつったらやっぱコレだよな、にゃっはは!」


 猫耳フードのクロも満足そうに笑い、星神の国レディアホロウで有名なデザート、羊羹を頬張る。


「うむ……羊羹だな。ちょっと固いか? でもまぁこんなもんか」


 俺も異世界の羊羹を食べる。うん、普通に羊羹だこれ。


「…………はぁ……」


 バニー娘アプティも羊羹をちょっと食べ、セットの銘柄不明の紅茶を口に含み溜息。


 ああ、アプティさんは紅茶にはうるさいお方だからな……あの溜息で全てを察してくれ。


「ほぅ、甘いのぅこれは。でもわらわはやっぱり王の宿のパンが好きかのぅ」


 俺が食べるのをじーっと見ていたアインエッセリオさんも羊羹を食べるが、比較対象は宿ジゼリィ=アゼリィが誇る神の料理人イケメンボイス兄さんのパンらしい。


 まぁ、イケボ兄さんの料理と比べたらあれだが、じゅうぶん及第点の羊羹だぞ。


 愛犬にはリンゴでご機嫌取り。


「これも千年前の星神の勇者様がレディアホロウに伝えた物で~、大好物だったんだって~。あ、お酒も~……」


「あ、店員さん、お酒はいらないです。羊羹美味しかったです、お会計お願いしまーす」


 水着魔女ラビコが羊羹と紅茶を完食。物足りなかったようでお酒を注文しようとしたところを俺が止める。


 ラビコがほっぺを膨らませ不満気だが、まだお昼前だぞ。


 ……しかし『着物』に『羊羹』か。


 ラビコによると、羊羹もその千年前の勇者様ってのが伝えたらしい。着物を着て羊羹を好む女性。


 レプリカではあるが着物を資料館で見て、実際に羊羹なるものを食べたが、俺が知る日本の着物と羊羹そのものだった。


 やはり千年前のその女性、日本からの転生転移者で確定だろうか。



「じゃあお次はレディアホロウの聖地、神が光と共に現れた大穴、星神の門に行ってみよっか~。あっはは~」


 お会計を済ませ俺が考え事をしていると、水着魔女ラビコが南方向を指し笑う。


 聖地? ああ、そういえばラビコが言っていたな、王都の近くに大穴があって、そこから神が現れて、とか。



 もしその女性が日本からの転生転移者で、その大穴から出て来たとしたら……もしかしてその大穴、日本と繋がっている……?






















皆さま、明けましておめでとうございます。2025影木とふでございます。


昨年は初めての書籍発売や、コミカライズ発売などがあり、

色々嬉しかったり忙しかったりする年でした

さて今年は・・・


コミカライズ版の帯でもお知らせがあったように、

書籍版②巻が出ます! 

マジで!

(何卒・・・続刊のために、宜しくお願い致します)


ついにバニー娘アプティのイラストが見れますよ皆さん!!(興奮

飛車輪乗りのハイラもイラストがあるかも。。


発売日についてはまだ未定ですが、春前には出そうな雰囲気・・・(予定


さて、WEB版17章、連載再開でございます

二月後半ぐらいの完結(17章の)にむけて、更新がんばります!

(ついに例のあの人、出ますよ・・・!





++++++++++++++


【以下定型文】


作品を読んで興味を持ってくれた読者様! よろしければ下にある


『☆☆☆☆☆』のポイントをよろしくお願いいたします。


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         影木とふ

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