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六十三話 新人五人追加でオーナーと俺の夢のメイド服様


「セレサです。よろしく!」

「オリーブなのです。んふふー」

「ヘルブラだ、よろしく兄貴」

「アランス……よろ……」

「フランカルお世話になるんカル」




 宿屋のお風呂増築工事も半ばのある日、オーナーに呼ばれ事務室に行くと初めて見る女の子が五人。



「よ、よろしく……オーナー、これは?」


「さすがに今居るメンバーだけではお客さんがさばけなくなってきてね、今度のお風呂の増築でさらなる集客を見込んでのアルバイトさんの追加だよ」


 オーナーが自慢の整った髭を触りながら紅茶を飲む。


 なるほど、確かにお風呂の管理もしなきゃいけないしな。でもなんで宿泊客の俺に紹介するんだ。 


 新しいバイトさんか、ふむ。全員とてかわいい……でも、何か足りないような。俺はそこで奇跡の閃き。


「オーナー、制服というものをご存知でしょうか。ええ、着ることで仕事への士気が高まるという奇跡のアイテムです。今回その制服を採用してみませんか。かわいい制服を着た店員さんがいるお店というのは集客効果が抜群なのです。どうでしょう、ちょっとスカート短めのメイド服とか」


 俺はオーナーに近寄り、耳打ち。


「ほう……それはアレかね、ちょっと運がいいと見えちゃったりするのかね」


 オーナーが真面目な顔で聞いてきた。


「それはもちろん。とても健康的なサービスかと」

「分かった。採用だ」




 俺とオーナーはとても気が合う。





「それでは最初のお仕事といこう。せっかくお店で働くんだ、かわいい服を着て働きたいとは思わないかい?」



 俺はその五人を集め会議開始。オーナーに予算も貰った。



「隊長! それ素敵です! ただエプロンしてお仕事より断然素敵です!」


 ポニーテールのスポーツ少女、な雰囲気のセレサが右手をズバッと上げて答える。


「かわいい服は大好きなのです。んふ、隊長さん私も賛成なのです」


 片目が長い前髪で見えないオリーブも手を上げる。


「そうだな、せっかくならいい服を着たいな。新たな自分が見つかりそうだぜ!」


 ちょっと喋りが男っぽいヘルブラ。いい笑顔だ。


「そう……隊長はそういう着せ替えプレイがお好み……メモ……」


 メガネをかけ大人しい雰囲気のアランス。その発言にコメントはしない。バレるだろ。


「バイト特権ご飯半額目当てで見事受かったこの奇跡。ミラクルクルクルーン」


 椅子の上に立ってくるくる回りだすフランカル。志望動機は大変親近感が持てる。取る行動はちょっとアレ系の子だが。


 つーかなんでみんな俺のこと隊長扱いなんだ。




「いいか、ただかわいいだけじゃダメなんだ。その服を着ている君達を見た人が、ついお店に入っちゃうような魅惑の制服。それを頭に入れ、今から制服を仕立てに行く!」


 俺はオーナーに貰った予算を掲げ、俺について来いパフォーマンス。


「うわっなんか楽しい! ここに来てよかったかも! 隊長! 服買ってくれるんですね! やった」


 ああ、買ってやる。俺のじゃない、人の金でな! セレサは素直でかわいいな。


「お金で女を買う隊長……の図……アウト……」


 変なコメントはしないように、アランス。





 商店街でオーダーメイドをやっているお店に五人を引きつれ入店。


 メイド服を基本に五人の希望と俺とオーナーの夢を詰め込んだ素晴らしい制服が完成。


 一応ロゼリィのも作った。




「こ、これは……? これを着るんです……か?」


「ああ、俺からのプレゼントだロゼリィ」


 出来上がった改造メイド服をロゼリィにも渡す。


 メイド服の胸元を大きく開け、コルセット追加で腰のラインを出し、スカートは短めだがヒラヒラは四重にしてボリュームアップ。ストライプ柄のストッキングに、大き目のリボンをワンポイントで追加したショートブーツ。かなりいい素材を選んだので予算はかかったが、新人五人の女の子が全員納得の物を作った。



「あっははは~それエロいねぇ。ローエンと社長が組むと聞いて予想はしていたけど~あっはは、期待通りのエロさだよ~」


 ラビコがズラっと新しい制服を着て並んでいる五人を見て笑う。


「でもでも! とってもかわいいんですよ! ほらロゼリィさんも!」


 よし、いいぞセレサ! もっと押せ!


「かわいいは正義ってやつだよ姉御」


 ヘルブラの援護攻撃。


 ロゼリィがチラチラ俺を見ている。よし、行ける。



「君の為に選んだんだ。着て、俺に見せてくれないかロゼリィ」



「……! わ、分かりました! 着てきます!」



 俺の決め台詞が決まった。多分、歯が光っていたと思う。



「あっははは~! その顔で言ったらだめさ~ロゼリィは断れないよ~ずるいな~社長は~」


 ラビコ大爆笑。俺の真面目な顔で笑うってなんだよ。傷つくぞ。


「なんだか楽しい職場なのです。んふふ、制服もかわいいし」


 そうだろ? オリーブ。ここは良い宿屋だぞ。




 エロメイド服を着て現れたロゼリィはとてもかわいかった。


 ロゼリィのお母さん、ジゼリィさんが記念にと、スタッフさん全員集まっての写真撮影。


 この異世界ではかなり高価な物なんだと、カメラ。



 メンバーも増えたし、露天風呂の完成が待ち遠しいぜ。





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