六百二十八話 五月だけどクリスマス短編5 終 本が出るから俺の肌色満載のクリスマスをご堪能あれ様
「は～い、私２、２、２、２のフォーカード～。いやぁ私って強すぎ～？ あっはは～」
「あ、私は12、12、12のスリーですね。ふふ、やりました」
「アタシは10、10、10のスリー。なンだよみんなつぇえな、にゃっはは」
「……Ａ、Ａ、Ａ、Ａ……です」
「………………」
俺主催のクリスマスパーティーも終盤。
ついに発動したメインイベント、その名も脱衣カードゲーム。
まぁルールは異世界版トランプみたいな52枚のカードを全員に配り切り、同じ数字が何枚揃うか、という単純なもの。
2が一番強くて、3が弱いという大富豪的なルールに近いか。ジョーカー的なカードはハズレ、純粋に数字合わせで競う。
例え2が三枚揃おうが、3が四枚揃ったほうが勝ち。まぁどちらも多いほうが強いってやつだな。
数回ゲームを終え、俺の視界は女性陣の肌色で占められている……はずだったのだが……。
「5、5……」
「ぶっ……社長ってばよっわ～！ あれあれ～、もう脱ぐ物が下着ぐらいしかない少年～？ どうするの～、ねぇねぇどうするの～？ ルールだよね～、負けたら脱ぐ。さぁドーンといってみようか～。あっはは～」
俺はかすれ声をふり絞り、二枚のカードを場に出す。
ああ、負け、だ。
ジャージ上下にシャツを奪われ、俺に残された衣服はすでにパンツのみ。
すでに瀕死の状態だ。だがしかし、女性陣は俺が作ったサンタ帽に童貞を殺す服みたいな赤いロングセーターのみ。
ラビコは負けなし。ロゼリィ、アプティ、クロが一度負け、サンタ帽を脱いでいる。そして女性陣はお胸様にブラを付けていない状態。
つまり、ロゼリィとアプティにクロは、次負ければロングセーターを脱衣。三人のかなり大き目なお胸様が俺の目の前にオープンマインドで生揺れが見れる……！
……はずだったのだが、俺の手札は5が二枚。
これ以下の手札が出される奇跡を異世界の夜空に輝く星に願うも、肌色の星の光は俺には届かず。
「あ～あ～、残念だったね～、社長～。私たち、負けたら本当に全部脱いで見せてあげようと思っていたのにさ～。あ～あ～、見せられなくて残念だな～プークス……あっはは～」
無傷のラビコがパンツ一丁で正座をしている俺の頭をポンポン叩き、お胸様を寄せて上げるポーズでニヤニヤと俺を煽ってくる。
クソがぁ……！ こいつ強すぎなんだよ！
完全に運のみなのに、ラビコは毎回四枚揃っているって、確率おかしいだろ！
不正か……不正をしたんだろ！ 俺が用意したカードに小細工でもしたに決まっている！
いや、正直本当に不正をして、圧倒的な強さで勝って俺の肌色クリスマスパーティーを完成させようかと思ったのだが、不正をしてお美しい女性陣の裸を見るってのも、なんか違うな、と思ってやめた。けど、今思えば実行すべきだった。
「おぅキング、脱げよ。ルールだよなぁ、ほら、その興奮してアレになってるソレをババーンと見せつけてみろよ！ にゃっははは！」
クロが興奮した顔で迫ってくる。
紳士諸君に簡単なイメージ画像を共有すると、人を食えると確信した鬼、だろうか。
「や、優しくしますから……」
ロゼリィが超絶可愛い仕草の上目遣いで、モジモジ俺の下半身を見ている。
うーん可愛い……ロゼリィはどんなときでも可愛いなぁ。
「……マスターのはいつも見ていますので……あとででも、いいです」
アプティさん？ 確かにあなた、俺の夜のお一人様カーニバルを毎回こっそり見ているそうですけど……出来たらやめてくれないですかね。
「ふ～ん、アプティには毎日見せているんだ～。じゃあいいじゃない、今更恥ずかしくもないでしょ～？ あっはは～」
アプティの発言にラビコがちょっとムッとした顔になるが、すぐに通常モードの嫌な笑顔になり俺の頭をポンポン。
だからアプティに見せてはいねぇっての。アプティが深夜にしっかり鍵をかけた俺の部屋にどうやってか侵入してきて、隅っこで無言で俺のお祭りを見てくるんだってーの。俺は被害者だよ。
……すまねぇ紳士諸君。俺が不甲斐ないばかりに『一糸纏わぬ肌色回』の肌色は俺の、になりそうだ。
もう二度とラビコにカードゲームを挑むのはやめよう。
俺はクリスマスにそう誓うのだった。
──翌日。女性陣はまぁご機嫌な顔をしていた。
ゲームに勝ったという優越感なんだろう。
当然パーティー解散後、俺はすぐに女性陣のエロクリスマスコスプレを思い出し、深夜に最高のお祭りを堪能した。
もちろんバニー娘アプティさんの気配はあったけど、お美しい女性陣のエッチィお姿を間近で見た直後、止まれるわけがない。
……俺って日本だろうが異世界だろうが、最後は大体同じクリスマスを過ごしているような……
「異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが」
五月だけどクリスマス短編 終わり
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異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが
五月だけどクリスマス短編 をお読みいただき感謝！
これにて短編は終わりとなります。
五回に渡りお付き合いいただきありがとうございました
そして 本日 5 / 2 4 書籍の発売日となっております！
ぜひとも書店様にて現物をご覧いただきたい！
宿の娘ロゼリィとか水着魔女ラビコとか、最高のイラストなんです
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短いですが、ぜひご覧ください。
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そして本日、コミカライズ版も更新されております。第二話！
コミックノヴァ様にてご覧いただけます
書籍第一巻のラスト一文、ＷＥＢでお読みいただけた読者様には7年の謎が
解けるものとなっております。
ぜひとも手に取っていただき、ご確認いただきたいです。
二巻が出せるよう夢を抱きつつ、自分も改めて書籍版を読み始めたい
と思います。
（細かな情報は 一二三書房様のサイトでご確認ください
それでは、また・・！
【以下定型文】
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影木とふ
