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六百二十三話 【時期物番外編】「春の俺の妄想がさとられキャッチザハート様」



「もうすぐ春ですねー。やっと寒い季節から暖かい季節になるんだと思うと、なんだかワクワクしちゃいます」



 宿の娘ロゼリィが本屋で買ってきた雑誌『春のデート特集~ゆるふわコーデで彼の心をキャッチザハート~』を大事そうに抱え、チラチラ俺に視線を送ってくる。


 まぁその、寒い時期が好きという人だって一定数いるだろうし、それこそ寒い時期代表『クリスマス』等のイベントもあるからなんとも言えんが、気分的に暖かいほうがワクワクするのは同意。


「分かる~、ラビコさんも春とか、暖かい季節が好きかな~あっはは~」


 水着魔女ラビコが『本日のケーキセット』を美味しそうに食べゲラゲラ笑う。


 えーと、あなたは多分……着用している服の関係上、暖かいほうがいいんでしょうね。こいつ、いつも水着にロングコートとかいう謎ファッションだからな。


「あ~社長が私の身体をエロい目で見てる~! 今の会話のどこに興奮するワードがあったの~?」


 ちっ……ほんのちょっとだぞ、ほんの数秒、もしくは数十秒水着からこぼれ落ちそうな大きなお胸様を一心不乱に凝視したけど、そんな大げさに反応しなくたっていいじゃないかラビコ。


「……あの、こういうかわいらしいのはお嫌いですか……? やはりラビコのように、ストレートな露出多めのほうが良いのでしょうか……」


 俺とラビコのいつもの軽い挨拶みたいなやり取りをムスっとした顔で見ていたロゼリィが持っていた雑誌を広げ、柔らかそうなスカートがふわっと浮いているような白い服を着ているモデルが載っているページを見せてくる。

 

 ロゼリィが好きそうなファッションだ。


 そうだな……これをロゼリィに当てはめてみると……おお、やはりラビコを超える大きなお胸様を持つロゼリィ、露出が少なかろうが心に突き刺さる激しいものがある。


「そんなことないよ。俺はそういう服を着たロゼリィが好きかな。だってかわいらしい服を着ているほうが、ロゼリィは良い笑顔になるからさ」


 俺はアイドルのような歯が光る笑顔で応える。


 思っていることと真逆? 当たり前だろ。


 うん、ロゼリィって胸がとっても大きいからどんな服を着ても視線がそこに行くし、歩くたびにユサユサ揺れて俺の視線と欲をキャッチザハートです、なんてドストレートに言えるわけねぇだろ。


 紳士は己の抱いている欲の炎を簡単に見せたりはしないものなのさ。


「ほ、本当ですか!? それはつまり私が好きだということですよね……? やりましたこれで両想い成立で二人で愛に包まれた宿屋経営を……」


「はぁ……ロゼリィ~暴走してないでいい加減慣れなって~。こういうときの社長は何かを誤魔化すために思っていることと逆のことを言うんだってば~」


 俺のセリフを聞き、パァッと良い笑顔になったロゼリィが顔を赤らめ喜ぶが、ラビコがため息交じりに冷めた声で言う。


 ちぃ……この水着魔女、どうしてこの少ないヒントで俺の思考をビッタリ言い当ててくるんだよ……!


「多分あれかな~、この白くてフワフワした服を着たロゼリィが歩くたびに大きく揺れる胸を想像して大興奮、あ、やばい、私にはエロトーク大丈夫だろうけど、ロゼリィには怒られるかもって思って急遽イケメンぶったってやつさ~あっはは~」


 ラビコが俺の頭をペシペシ叩きながら大爆笑。


 こ、こいつ……俺の心を直接……!


「あれあれ~? もしかして大正解ってやつ~? ぶっ……わっかりやす~、あっはは~! あ~私社長のこういうところ大好き~。すっごい異性に興味あってもうどうしようもないくらい心に欲が渦巻いているのに、なんとか理性で抑えて笑顔で紳士ぶる感じ最高~社長ってば優しすぎるんだって~あっはは~」


 うそだろおい、全バレじゃねぇか……付き合いの長さで計った予想とかのレベルではなく、もはや『さとり』、妖怪レベルじゃねぇのこいつ。


「……その、ラビコと私の胸を一瞬見比べて視線を右上にずらしていましたから、何かそういうことを考えているとは思いましたが、別に私はそれが不快とかではありませんし、あなたにそういう対象とされているのは……少し嬉しいです……」


 ロ、ロゼリィさん? もしかしてロゼリィも俺の思考読んでいた……?


「ぶっ……あっはは~どうするの社長~、左右にいる二人の女に思考全部読まれているよ~? 社長ってば顔に出すぎなんだよね~ま、そういうとこが可愛いんだけど~あっはは~」


「ふふ、可愛いですよね。そうやって絶対に誰も傷つけないように振る舞う。ああ、私たちって大事にされているんだなぁって思えて、それがとても……嬉しいです」


 お……? これは怒られずにやり過ごせる、か? よし、とどめの自己犠牲ムーブ!



「はは、俺の頭の中が春だった……なんてなー、ははは」



「うわ~……五点。このケーキ代、社長のおごりで許してあげる~」


「えーっと……じゃあ私も頂きます……」


 二人の女性の表情が一気に曇り、メニューで一番お高いケーキを注文。


 五点とか……うそだろ、今の百点満点超えの綺麗な落ちだったろ……。



 出てきた『春の桜と豪華フルーツの共演』ケーキはとても美味しかった。











++++++++++++++


お久しぶりです影木とふです。


ちょいとリアル多忙で17章の開始が遅れていたり、書籍化の進展も現時点で公式に言えることもなく……本当に申し訳ございません。

おわびの短編を書きましたので、お、お許しを・・・!


(軽く宣伝を・・書籍用の特典用短編はたくさん書きました。発売の際はよろしくお願いいたします)





【以下定型文】




作品を読んで興味を持ってくれた読者様! よろしければ下にある


『☆☆☆☆☆』のポイントをよろしくお願いいたします。


応援する意味でブックマーク登録やご感想、レビュー等いただけたらとても嬉しいです!


         影木とふ






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