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六百十七話 冒険者センターからの依頼 5 おもてなし狐ロード様




「いてて、さすがに森の中は木の枝とかに引っかかるな」



 ラビコたちと離れ、俺は愛犬と共に森の中を進む。


 馬車が通れるように整備されていた街道とは違い、手つかずの森の中は顔とかに細い木の枝などが当たり歩きにくい。


「せめてナイフとか持っくるべきだったか……って、あれ?」


 小さな枝とか背の高い植物をある程度伐採しながら行けば、帰り道の目印にもなるし、怪我もしないで済むよな。ナイフ持ってくればよかった、と思っていたら、急に視界が開け、ちょうど俺が通れる高さと幅に枝や植物が伐採された道に出た。


 道? いや不自然に真っ直ぐ整備された空間、と言うべきか。


 枝が切られ、足元に転がる大きな石がどかされ、ある程度地面の起伏が削られ歩きやすくなっている。


「なんだこれ……」


 獣道ではない。明らかに今さっき出来た、みたいな新しさ。


 ここを歩いて来い、と言わんばかりの道。


 愛犬を見ると、たまに鼻をクンクンさせるが特に怖がることもなく、真っ直ぐ前を見据えている。


「不気味だけど、とりあえず会うのが目的っぽいし、誘いに乗りますかね」


 警戒は怠らないが、愛犬の反応を見るに危険度は低そう。


 誰だか知らないが、ここまでおもてなしされているんだ、会ってやろうじゃないか。






「おお、山の麓に小さな村が見えるぞ」


 森の中なのにポケットに手を突っ込んで歩ける軽快な道を歩くこと数分、見晴らしのいい場所に出る。


 確かラビコがこの先に採石場があって、小さな村が、とか言っていたな。あれがそうか。


「道はここまでか」


 緊急で作られたっぽい俺ロード、木が伐採された空間に辿り着き、ついにここが終点みたいだぞ。


 しかしもはやトイレ行ってくる、とかの時間じゃないな。


 お待たせしているラビコたちには申し訳ない。でも多分……みんな何か察していた雰囲気があった。もしかして顔に出ていたかもしれん。



「俺ってすぐに顔に出るみたいだしなぁ……」


「ふふ、そうだね、君はとても顔に出やすいと思うよ?」



「──!?」



 急に俺の独り言に返事がかえってきて、背筋がゾクっとする。って誰か俺の背中指でなぞりやがった……!



「やぁ、久しぶりだね。僕のお誘いにすぐに応じてくれて嬉しいよ。やはり君と僕は言葉無しに通じ合う関係なんだね、ふふ」


 驚き振り返ると、真後ろに人影。つか目の前。


 長く綺麗な銀髪に狐耳に狐の尻尾、御伽噺に出てくるような豪華な着物のような服を纏い、そして憎らしいほど整った端正なイケメン顔……ってこいつ……!


「ぎ、銀の妖狐……!」


「あれ? 名前を教えていたはずだけど……君には名前で呼んでもらいたいな」


 俺はダッシュでそいつから距離を取り、いつでも反撃が出来るよう愛犬の頭を撫でる。


「どうしたんだい? 久しぶりの再会に名前を呼び合い感動の熱い抱擁を期待していたんだけど……」


 銀の妖狐がニヤニヤとした顔で俺を見てくる。いや、こいついつもニヤニヤ顔だから逆に表情が読めないな。


 やっかい、そして相変わらず言動が気持ち悪い。


 この背筋がゾクゾクする感じ……久しぶりだぜぇ……。


 久しぶり、そういえばこいつに会うの本当に久しぶりかも。あれか、無理矢理こいつの島に連れ去られた以来か、懐かしいな。……いや別に会いたくないんだけども。


「我が最愛の妹から常に情報は得ているんだけど、やはり君には直に会いたくてね、ふふ」


 妹……そういや俺を銀の妖狐の島に運んだのは、こいつの妹だというバニー娘アプティだったな。


 まぁ突如現れた火の種族の上位蒸気モンスター、アインエッセリオさんから俺を守るためにアプティがお兄さんである銀の妖狐に相談したうえでの実行だったらしいが。


 つかアプティさん、出来たらお兄さんに事細かに情報渡すの止めてもらえませんかね……。



「俺は特に用事はないんだが」


「あはは、本当かな? ほら、以前言った僕の島の改修が結構進んでね、君が求めていた例の本屋ももうすぐ完成するんだよ?」


 島の例の本屋?


 はて…………! ハッ……もしや……?


「君の希望通り、無人販売で制服物、南国で撮影しましたシリーズとかを多めに仕入れる予定なんだ。でも君からお金を取るのはどうしても抵抗があるなぁ」


「商品、サービスに対してお金を支払うのは当たり前のことだ。全ての人が幸せになるサイクル、それを崩しちゃいかん。それでその本なんだけど、その、ちょっと脱いでいたり、刺激の強さはいかほどなのかな。未成年でも買える感じ? ソフトな露出度合いも好みのジャンルだけど、たまにはドカンと突き抜けるようなハードなレベルの、その、加工とかしていない全部見えてます的な物はあるのかな。いや違うぞ、無修正って意味じゃなくて、色味の調整とかをしていない天然のカラーで勝負します的な職人魂を感じるか、という意味であって未成年で無修正の本が欲しいって意味ではないから。でもアクシデントでちょっと、チラっと見えてます的なものはしょうがないよね。全てはシャッターを切るタイミングであって、それがとても素晴らしい構図だったのなら、多少のはだけ具合も味として残すのはありだよね。わざとじゃないんだし、全年齢版で販売しても大丈夫だと思うんだ」


 俺は銀の妖狐の言葉を途中で遮り、流暢に長文を語る。


 読み飛ばさないでくれよ、誤解のないよう俺の熱い想いをしっかり読み解いて欲しい。


 


 そうか……ついに完成するのか、俺のエロ本屋が──











++++++++++++++



【以下定型文】




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