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16 異世界転生したらギルドを立ち上げることになったんだが

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六百十話 ソルートンの自警団ギルド様



「ああ、これかギルドランク表って」



 クラリオさんが冒険者の国に帰った翌日、俺はソルートンの冒険者センターに来ていた。


 ギルドについて冒険者センター創設者の子孫であるクラリオさんに色々聞けたので少々興味を持ち、冒険者である水着魔女ラビコや魔法の国の王族様にも関わらず家出をして冒険者なんてやっている猫耳フードのクロにも詳しく聞いてみた。


 ギルドを作ると、全世界各地にある冒険者センターにその名前がランクごとに分けられて貼り出されるそうだ。



「ま~いわゆるギルドのランキングシステムってところかね~。ランクが高くなれば世界に名を売ることが出来る~ってやつさ~あっはは~」


 右隣りにいた水着魔女ラビコが冒険者センター受付近くに貼り出されているギルドランク表の上部を指し、ゆっくり指を下に降ろし、ランキング表の下のテーブルに置いてある本を手に取る。


「ま、ランク『SS』『S』『A』以下の下位ギルドはランキング表には乗らずに~こっちの本に載るだけなんだけどね~」


 ラビコが本をパラパラめくりながら説明をしてくれたが、確かに貼り出されている『ギルドランク表』には『SS』『S』『A』までのギルドしか載っていないな。


「あとこの本、面白いのがよ、冒険者センターがある地域のギルドランク表ってのがあって、地域ごと、ここだとソルートン付近にあるギルドが高ランク順に載ってンだよ。あちこちフラフラしてっときよ、暇だから各地の冒険者センター寄っては地域ギルドランクとか見てたンだぜ、にゃっはは」


 猫耳フードのクロが本の真ん中あたりにあるページを指し、楽しそうに笑う。


 へぇ、地域ごとか。


「本当だ、ソルートン地域のギルド順位とか書いてあるな……ってかソルートン付近ってギルド少ないのな。『D』に『C』ばっかり……って『C』ランクに『ジゼリィ=アゼリィ』ってあるぞ! な、なんだよこれ!」


 ソルートン付近のギルドランク表を見てみるが、まぁ少ない。ここってルナリアの勇者の出身地ってことで冒険者の間では有名だが、彼等に習ってスタート地点に選ばれやすいってだけで、定住する冒険者が少ないのかね……と思っていたらなんだか見慣れた名前のギルドがあるんですけど。


「そうさ~ソルートン付近ってさ~盗賊団から進化したみたいなギルドがあって~そいつらが力で支配していたんだよね~。その名も『ジゼリィ=アミナス』。ね~、突起付き棍棒持った悪魔みたいな女の名前でしょ~? あっはは~」


 ラビコが大爆笑するが、ジ、ジゼリィ=アミナス……? この本にはジゼリィ=アゼリィと書いてあるが……? 突起付き棍棒?


「またラビ姉がキングで遊びだしたけどよ、一応説明しておくぜ」


 爆笑するラビコを見ながら溜息を吐いた猫耳フードのクロが俺に体を密着させてくる。


 説明はありがたいが、なぜ密着。


「えーと、『ジゼリィ=アミナス』つまりジゼリィが結婚前に作ったギルドってのはいわゆる自警団ってやつさ。他国の細かな事情を悪くは言いたかないが、当時のペルセフォス王国って王都を守るので手一杯でよ、地方の、それも大陸の東端にあるソルートンっていう港街に掛ける金も人員もなかったンだよ。まともな騎士もよこさず、地方は盗賊団や暴力で支配する奴らが暴れ放題。それに対抗するためにジゼリィが街を守ろうと仲間集めて、地方で旨い汁吸ってやろうっていう目的のギルドとかを一掃したのさ」


 ほう、自警団か。


「せっかく面白かったのに~。あ~あ、事実ってつまんな~い」


 クロの話で納得した俺を見て、ラビコが頬を膨らまし不機嫌に。


 このクソ魔女……どんだけ俺で遊ぶつもりなんだよ。


「こんな見た目で威嚇する目的のごっつい金属製の棍棒も作ってよ、あいつら、ほらよく宿にいる個性的な髪型の奴ら引き連れて街を守ってたのさ」


 クロが紙にサラサラと何か描き出したが、何その日本の昔話に出てくる鬼が持っていそうな突起付きのごっつい金棒は。


 そしてモヒカンたち、世紀末覇者軍団ってジゼリィさんのギルド構成メンバーだったんすか……。そういやジゼリィさんのことを「ジゼリィ姉さん」とか呼んでいたな。


 昔ジゼリィさんが若い頃ヤンチャしてたって聞いたことがあるけど、そういうことか。


 ジゼリィさんって、街の人にすっげぇ好かれているんだよね。単なる盗賊団が好かれるわけないし、ラビコが脚色して暴れてたとか言っていたけど、ようは街を守るために戦っていたってことか。


 ルナリアの勇者メンバーに入って世界を巡った目的も、子どもたちを守るため、だし、やっぱすげぇな、ジゼリィさんは。



「そっか、ありがとうクロ。お前がいなかったらまーたラビコに遊ばれて面白方向に脚色されたウソ話を信じるところだった。クロが俺の側にいてくれて良かったよ。これからもよろしくな、クロ」


「ぉ、おう、こ、これからもアタシは生涯キングの側にいるし、生涯よろしくされてやンぞ!」


 俺が素直にお礼を言い頭を撫でると、クロが顔を真っ赤にして生涯を連呼。生涯よろしくされるってどういう意味。

 

 そしてどこから出てきた、生涯って。


「ちょ、ちょ~なにそれ~まるで私が悪者みたいじゃないか~! 社長がわざと誤解するように意図的に言葉は選んだけど~それは社長と面白おかしく話がしたいだけであって~、クロだけ頭撫でるとかズルいと思うんです~」


 ラビコがぐいぐい俺とクロの間に体をねじ込んでくるが、今『誤解するように意図的に言葉を選んだ』って言ったよね。


 確信犯じゃねぇか。



 一応確信犯ラビコの頭を撫でつつ、ギルドのランキング表を見る。


 一番上、唯一『SS』ランク表記のギルド『蒼天の聖騎士団』。冒険者センター千年間の歴史の中でたった一つだけ存在する最高ランクギルド。龍を倒し、このペルセフォス王国を作った、か。


 すごい人だったんだろうな、初代の国王であられるラスティ=ペルセフォスさんって。










++++++++++++++



【以下定型文】




作品を読んで興味を持ってくれた読者様! よろしければ下にある


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         影木とふ





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