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15 異世界転生したら豪商の娘が揃ったんだが

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五百八十五話 ロゼオフルールガーデンカフェ2 集結豪商の娘様




「シトロン=エロ……いえ、シトロン=エイロヒートさん。お、お久しぶりです」



 アンリーナの後ろからとても上品な服をまとった女性が現れた。


 ええと……そうだ、この人はソルートンの大型商業施設で出会った、シトロンの名前でフィットネスクラブを展開しているという、エロい人……ってあぶね、絶対に言い間違えてはいけないところだ、これ。



「ンー、五十点。今後もお付き合いするんだからしっかり覚えてよね、私の名前」



 女性がニッコリ笑い手を差し出してくる。


 良かった、怒っていないようだ。


 ソルートンで出会ったときはフィットネスクラブの経営者としてだったからか、超極小水着姿だったんだよな。


 そのイメージが強すぎて服を着ていると誰か分からなかった。


 しかしまさかこんなところで再会するとは。




「あらシトロン、もう挨拶は済ませたのかしら」


「ハァイアンリーナ。ええ、ミネスト様には先ほどお城で。ローベルト様にもご挨拶を、と思いましたらこちらのガーデンに行かれたとのことで来てみたのですが、まさか英雄ボーイと会えるなんてね、ビックリ」


 商売人アンリーナがさっと手を上げ微笑み、シトロンさんも笑顔で返す。



 アンリーナとの軽い挨拶を終えると、シトロンさんが俺たちの側にいらっしゃったローベルト様に駆け寄り丁寧に自己紹介をし頭を下げる。


 おほ、シトロンさんの周囲にざざっと黒服軍団が駆け寄り壁を作りだしたぞ。さすがに世界的な企業の娘さん、護衛の人数が半端ねぇな。


 ……対して花の国フルフローラの王族であられるローベルト様は例の執事軍団が何人かいるだけ。


 地位的にはローベルト様のほうが上なんだが、うーん、世の中はやはりお金なんですなぁ……。



 商売人アンリーナは俺たちと一緒にいるからか、護衛に誰も連れてきていない。


 まぁうちには水着魔女ラビコとかいう無敵の大魔法使い様がいらっしゃいますからね。


 紳士諸君も異世界に来て冒険者を雇うならラビコのような強い人を……ってそういやこいつ、一緒にいる対価として俺に一日一万G要求してきやがったんだよな。一万ってあれだぞ、日本感覚百万円だぞ。


 毎日百万円とかどんだけボッタクリ……いやまぁ彼女の名誉の為に言うと、ラビコは世界でも五本の指に入るという格だし、以前水の国オーズレイクで出会ったラビコのお師匠エルメイシア=マリゴールドさん曰く、世界で一番を名乗っても良い、と言われるぐらいの実力者なのは間違いないのだが……。


 ズッパリ言うと、基本気分屋のワガママ気質だから護衛として雇うには扱いが超面倒。


 言う事聞かねぇわ酒を浴びるほど飲むわ、俺のことを小突くと面白いことを言う玩具だと思っているわと、数分おきに余計な面倒事を引き起こすトラブルメーカー。


 うむ、ラビコを雇うのは絶対にお勧めしない。


 つかラビコさんてそういうお仕事一切受けないらしいから、元から雇えないんですけどね。



 そうだな、もしフラットな目線で今いる知り合いの中から身辺警護に雇うとしたら……うーん、アプティかな。


 強い、可愛い、バニー衣装装備で見た目がエロいと、三拍子揃っている。


 ま、アプティさんは蒸気モンスターとかいうこの異世界の人間とは敵対種族なので、ラビコ同様雇うこと自体無理なんだけども。




「うわ、シトロン=エイロヒートじゃ~ん。ほら、魔晶石アイテムの開発メーカーの。そういやソルートンの商業施設で会ったって言ってたっけ~」


 水着魔女ラビコがニヤニヤと笑い俺に寄りかかってくる。


 そういえばソルートンの商業施設では、散らばった女性陣を上階から順番に回収したから、最後の一階にいたラビコは四階にいたシトロンさんとは会っていないんだっけか。


「ホントだ。しかしすっげぇよなキング、魔晶石販売で有名なローズ=ハイドランジェのアンリーナ、魔晶石アイテム開発メーカーの娘シトロン=エイロヒートと知り合いとかよ。この二つの企業と繋がりが欲しくて各国色々動き回ってるぐらいなンだぜ」


 あいていた俺の左側に寄りかかってきた女性、猫耳フードのクロがボソボソと言う。


 クロも三階回収だから、同じ理由でシトロンさんとは会っていないっけ。


 つか知り合いってか、シトロンさんとは一回会っただけなんですが。




「いやぁすごい、これはとんでもなくすごいことだぞ! うちの国に有名人がこんなにたくさん一度に集まるとか、もう二度とないんじゃないかと思える! ガーデンカフェにも多くのお客さんが来てくれているし、フルフローラ王都が過去最高の盛り上がりを見せているのやも! あははは!」


 シトロンさんとの挨拶を終えたローベルト様が超上機嫌でこちらに歩いてきた。


「こちらをご覧くださいローベルト様。サーズ様がご提案されましたペルセフォス王都からフルフローラ王都への魔晶列車料金優遇サービスの利用者が想定の十倍以上を記録。ガーデンカフェ来場者も同様の数字となっております」


 商売人アンリーナが書類を差し出し、ローベルト様に中間報告っぽいものを渡す。


 そういやペルセフォス王都からの列車料金安くなっているんだっけか。確か通常の半分以下とからしいから、これはチャンスと多くのペルセフォス王都民が来てくれているのかも。


 ガーデンのほうにも相当の人数がお客さんとして来てくれているし、滑り出しとして大成功だろう。


 


「ご挨拶が遅れましたラビィコール様、クロックリム=セレスティア様。ウエルス=エイロヒート社から来ましたシトロン=エイロヒートと申します」


 少し遅れて歩いてきたシトロンさんがラビコ、クロに丁寧に頭を下げる。



「家業のウエルス=エイロヒートで魔晶石アイテム開発、さらに冒険者やりつつフィットネスクラブ経営とか随分多方面で動いて儲けてんじゃ~ん。今度お酒奢ってね~あっはは~」


「いよぉシトロン! ああ、アタシ今ワケありだからよ、クロって呼んでくれよな、ニャッハハ!」


 水着魔女ラビコが誰であろうと態度変えないいつものストロングスタイルで笑い、猫耳フードのクロが自分の正体が魔法の国の王族であると知られないようにと暗に伝える。


「……は、はい! まさかラビィコール様にお誘いいただけるとは、こ、今度必ず!

……え、何でしょうアンリーナ、……あ、なるほど、クロ様でしたか、失礼をいたしました」


 ラビコのフレンドリーな態度に驚いたっぽいシトロンさんが一瞬戸惑う。


 多分シトロンさんは俺と出会う前の、超ワガママぶっきらぼう時代のラビコを想定していたのだろう。


 アンリーナが近寄り小声で何事か言うと、理解したっぽいシトロンさんが俺の左にいる猫耳フードのクロの呼称をクロ様に変更した。



「ボーイのこともあまり言わないほうがいい、と。了解よアンリーナ」


 シトロンさんが俺にも配慮をしてくれ、笑顔でウインクをしてくる。


 俺は千里眼とかいう力が使えるのだが、水着魔女ラビコとペルセフォス王国のサーズ姫様が話し合い、今の時代には過ぎた力の持ち主と判断し、余計なトラブルを避けるために情報を規制してくれている。


 なんだかこのパーティー、色々面倒多くて申し訳ないですシトロンさん。


 


「ペルセフォス王国のサーズ様からのご依頼で、魔晶列車の車両を冷蔵仕様にしたものを数十両納入させていただき、私が責任者としてサーズ様にご挨拶をし、列車運用の相手国であられるフルフローラ王国のミネスト様にも先程ご挨拶をさせて頂きました」


 シトロンさんが笑顔で言うが、なるほど、お仕事でここに来たのか……って列車を数十両冷蔵仕様にしたものを納入?


 そ、それ、またとんでもないお金が動いている案件なんじゃ……。ソルートンの魔晶列車開通だったり、サーズ姫様の動きが最近すごいんですが、大丈夫なのか。



「あ~変態姫の仕掛けか~。やったなローベルト~、これでフルフローラ特産の花の売上爆増じゃ~ん、あっはは~」


 水着魔女ラビコがゲラゲラ笑い王族であられるローベルト様の肩を叩く。


 お、おいラビコ、フレンドリーなのはいいが、もうちょい無難な対応を……なんかあったらフォローするの俺なんだぞ。



 しかし今ここに有名企業の娘さんが二人、プライベートではなくお互い本業である商売人の立場で揃っているってのはすごいことだよな。


 魔晶石・化粧品販売で有名な『ローズ=ハイドランジェ』のアンリーナ=ハイドランジェ。

 

 魔晶石アイテム開発で有名な『ウエルス=エイロヒート』のシトロン=エイロヒートさん。



 うむ、まさに豪商の娘が揃ったんだが、というわけだ。











++++++++++++++



【以下定型文】




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         影木とふ









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