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15 異世界転生したら豪商の娘が揃ったんだが

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五百七十六話 花の国の花づくしカフェ1 いざ花の国フルフローラと数字の『3』様

「それでは参りましょう! 二人の愛を乗せ、グラナロトソナスⅡ号、発進ですわ!」



 翌朝六時、商売人アンリーナが元気に吼え、ソルートン港に汽笛が鳴り響く。


 船内五階にある客室に荷物を置き、中央にあるホールに全員が集まるとアンリーナが海図を広げ行程の説明を始める。


「今回の目的は『ロゼオフルールガーデンカフェ』の開業に立ち会うこと、となります。建物はすでに完成、スタッフも全て揃っていますので、本当に見ているだけ、でしょうか」


 アンリーナはお仕事には絶対に手抜きはしないし、いつも現時点で最高の物をのスタンスだし何の心配もないだろう。


 王都ペルセフォスに作ったカフェや、ソルートンの宿の増改築の結果を見れば一目瞭然。


 ましてや花の国フルフローラの王族であられるローベルト様のご依頼、繋がりや信頼が欲しいと望むアンリーナは皆の期待以上の物を作るだろう。



「カフェの他にも花の国フルフローラならではの、花を原料とした化粧品や香水などを売るお店も併設。王都フルフローラのロゼオフルールガーデンでしか手に入らない商品を多数展開する予定ですわ」


 ほう、そのへんはさすが世界的に有名な化粧品開発販売メーカーであるローズ=ハイドランジェの強みを生かしてきたか。


「師匠に出会い、多くのことを学ばせていただきましたからね。言い方は悪いですが、単独でお店を出すより回転率の良いお店の中で販売したほうが売上の数字が圧倒的、というデータを私は手に入れました」


 ソルートンの宿ではローズ=ハイドランジェ製の化粧品、ボディソープなどを販売しているが、食堂や温泉施設を利用してくれた人がついでに買っていってくれることが大変多い。


 逆に、宿ジゼリィ=アゼリィでしか買えない化粧品を買いに来てくれた人が、ついでにご飯食べていこうか、と食堂を利用してくれるケースもある。


 併設はお互いがおいしいのだ。



「あ、あの……! フルフローラ限定商品というのは……詳しく聞きたいです!」


 宿の娘ロゼリィがぐいぐいアンリーナに詰め寄り、興奮気味に財布を握りしめる。


 ああ……ロゼリィは化粧品とか大好きだしな。ましてやフルフローラ限定品という単語、ロゼリィの大好物だろう。


「大丈夫ですわロゼリィさん。ナンバリング一桁台を向こうに用意してあります。ロゼオフルールガーデンの桜をイメージしたオイルに化粧水、口紅、シャンプーなど、それはもう女性なら心躍る売り場となっていますわ」


「そ、それは……それはすごいです! あ、あのご一緒にどうですか……」


 アンリーナの言葉に歓喜したロゼリィがチラと俺を見て、ジャージの裾をちょんとつまんでくる。


 俺? 化粧品とかはそれほど興味ないが……ロゼリィの笑顔が見れるならいいか。


「分かった。一緒に見て回ろうロゼリィ」


「あああああ~ずっこいぞ~! 私も行くんですけど~もちろん社長は付いてきてくれるよね~?」


「け、化粧品かぁ……アタシあんま興味ねぇけどキングと一緒なら行ってもいいかなぁ」


「……島のみんなに送りたいですマスター」


 俺がロゼリィの頭を優しく撫でていたら、水着魔女ラビコがぐいぐい身体をロゼリィと俺の間にねじ込んできて胸ぐらをつかんでくる。


 ……脅迫かよ……。


 猫耳フードのクロさんは化粧を覚えようぜ、あんた元が良いんだからもったいないって。


 お、バニー娘アプティが珍しく興味ありげ。


 ……島のみんなって、あのお兄さんも含まれるんですかね……? 次に出会ったときに、フルフローラ限定シャンプーの香りが髪からするのかな……うーん。



 つかどうせこれから行くんだし、みんな一緒に見ればよくねぇか。




朝六時過ぎにソルートンを出て八時間後の十四時、ペルセフォス王国で人気ナンバー1と言われるリゾート地ティービーチに到着。


 船の補給の為、一時間ほど港で停泊。



「さすがに暑いな、ロゼリィは水着にはならないのかな」


 ティービーチは南国の気候で、日本でいうと沖縄に近い雰囲気だろうか。


 もう立っているだけで汗が出てくる。


 船からは降りないので、ちょっとティービーチ気分を味わおうと俺たちは甲板に出てみた。


 砂浜のほうではそれはもう素晴らしい水着美女たちが遠目に見えるのだが、俺の目の能力をもってしてもピンポイント拡大は不可能。


 だがこの異世界に来て俺も多くの場所で女性を見てきたが、スタイルは宿の娘ロゼリィが最の高と脳内に書いてあるんだ。


「え、あ……その……残念ながら水着は持ってきていません……花の国フルフローラということでしたから……み、見たいのです、か?」


 さわやかイケメン風笑顔で微笑みかけると、ロゼリィがモジモジと上目使いで顔を赤くする。


 うーん、すでにかわいい。



「う~~わっ、犯罪者の目だよあれ~。つかさ~常に水着のラビコさんが横にいるってのに、ロゼリィに誘いかけるってどういうこと~?」


 不満そうに水着魔女ラビコが話に割り込んでくるが、お前の水着はいつも見ている。おかげで脳に完全に焼き付けたから、いつでも脳内オフライン再生が可能になったんだよ。


 しかしロゼリィの水着姿はまだアーカイブ精度不足。もっと参考資料が欲しいんだ。


 あとオレがロゼリィに向けた視線はさわやかイケメン風視線であって、犯罪者視線じゃねぇよ。



「ぐぬぬぬヌフフフゥゥ……! また魔肉……! どうして師匠はこういうとき必ずロゼリィさんをロックオンするのでしょうか。いいですか師匠、私の胸は小さいながらも常に師匠のために磨きをかけ、いつお見せしてもいいように準備を……」


 船のクルーへ補給の指示をしていた商売人アンリーナがこっちに飛んできて、自分の控えめなお胸様をアピールしてくる。


 え……見てもいいのか……? そりゃあ見れるなら水着よりも生のお胸様……!



「ちぇっ、くそ悔しいけどよ、スタイルはロゼリィに勝てねぇわ。ああそうだキング、アタシ何度もロゼリィと一緒にお風呂入ってるからよ、ロゼリィの巨乳の絵、描けるぜ? どうだ、アタシと付き合ってくれンなら……一枚描くぜ?」


 猫耳フードを揺らしクロが魅惑の取引を持ちかけてくる。


 ま、マジすかクロ様! 以前から思っていましたが、クロさんって結構童貞心を分かっていらっしゃる女性ですよね!


 ああああああ……誰かいますぐここにいらっしゃる神絵師クロ様に高級液晶タブレットを日本から送ってくれ! もちろんPCも。ああ、電源は、無い……。


 しかし……クロと付き合えば、ロゼリィのお胸様のアナログイラストとクロ本人が手に入るのか……! 破格、この案件破格……!



「…………マスター、私も胸大きい、です……あと絵も描ける……」


 バニー娘アプティがパーティーで二番目の大きさを誇るお胸様をアピールしてくる。


 そういや以前アプティに女性陣のお風呂に同行してもらい、みんなのお胸様サイズを覚えてペンで描いてもらったな。


 結果、大小の数字の『3』が描かれたシンプルでいて芸術的なイラストが手元に残っただけだったけども。


 ……まてよ、アプティはアナログ派ではなく、デジタル派な可能性。


 アプティにデジタル設備を整えてあげれば、もしかしたら最高のエロイラストを描いてくれるかも……?


 くそ、いますぐ異世界転生してこいワ○ムゥゥ!! 




「それでは補給も終わりましたので、いよいよ花の国フルフローラへと向かいたいと思います」


 商売人アンリーナが出発を告げ、船が港を出ていく。



 その後、こっそりクロに紙とペンを渡してみたら、ノリノリで大小サイズ違いの数字の『3』を描いてくれた。



 ……全員分描いてくれてありがとう、神絵師クロ様。

 

 俺は最高の苦笑いを神に捧げる。



















++++++++++++++



【以下定型文】




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         影木とふ

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