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五百七十一話 アプティの欲しい物とアンリーナのR-15マネキン講座様

「そうか、宿の魔晶石冷蔵庫はさっきの人の会社の物だったのか」


「はい、少々お値段は張りますが、やはり師匠のために最高の品質をと考えると、『ウエルス=エイロヒート社』の物になります」



 ソルートンに出来た大型商業施設ソレイローラ。


 五階のホテルでアンリーナを回収。


 四階で『美の伝道師』として有名なシトロンさんが経営するフィットネスクラブの前にいたロゼリィを回収したのだが、そこで出会ったシトロンさんが実は結構すごい人と判明。


 食べ物屋を営むうえで、魔晶石冷蔵庫は絶対にはずせない物だからなぁ。


 宿の増改築や王都のカフェの建物設備のことはほとんどアンリーナに任せていたので詳しくは調べていなかったが、いつもとてもお世話になっている冷蔵庫の開発メーカーのかたでしたか。


 まぁアンリーナが言うんだ、信頼出来るメーカーなんだろう。



「ロゼリィはさっきのフィットネスクラブの会員にならなくて良かったのか? 興味ありそうだったけど」


「あ、その……まずは自分で出来る範囲から始めてみようと思います……」


 お店をあとにして宿の娘ロゼリィに聞くが、苦笑いで下を向いてしまった。


 なんだ、ロゼリィが行くときは必ずついていって、カメラ片手に優しい目で見守ってあげようと思っていたのに。


「シトロン流は隠さず見せる、がコンセプトのお店ですので、もしかしたらロゼリィさんの思考とは正反対かもしれませんわね。というかスタイルのいいロゼリィさんは必要ないと思いますし、むしろ細身でそこまで魔肉……いえ胸やお尻を大きく育てる方法をお聞きしたいぐらいですわ……」


 商売人アンリーナが自分の控えめなお胸様を触り、軽くロゼリィを憎しみの目で見る。


 シトロンさんのお店はいつも水着を着ているラビコすら驚くような、超極小の布面積を誇る水着を着て踊るやつだからな。


 いつも肌露出を嫌う傾向があるロゼリィには逆にストレスになるかもしれん。


 俺個人としてはロゼリィのほぼ裸ダンスをカメラで激写、夜の俺一人カーニバルのお供にしたかったが……無念。



「さて、次々回収していかないと。探す先は……クロがパーツ屋がなんとか、アプティが良い香りがとか言っていたから紅茶系かな。ラビコは……ノーヒントだけど、多分お酒系かね」


「それですと、お茶屋さんが一番近いですわね。三階におしゃれなお店がありますわ」


 アンリーナが俺の言葉に応えてパンフレットの三階部分を指す。




「……あれ、いないぞ?」


 階段を降りオシャレな外観のお茶屋さんに到着。


 世界で人気の茶葉が現地に行かずとも手に入るというコンセプトのお店らしい。それは嬉しいな、現地に買いに行くと交通費だけでかなりかかるしな。


「ですね……申し訳ありません、私が体験フィットネスでお時間取らせてしまったので移動してしまったのかも……」


 絶対にいると思ったんだが、バニー娘アプティはお茶屋さんにはいなかった。


 隣のロゼリィが申し訳無さそうに謝るが、散り散りになったメンバーを携帯端末も無しに探したら、時間かかって当たり前だ。ロゼリィのせいじゃあないよ。


 あと極小水着で踊ったの俺だし……。


「おそらく、自分の求めるレベルの茶葉が無かったのでしょう。あの方の紅茶眼は、正直うちで欲しいクラスです……が、いつも師匠と私の愛の時間を邪魔してくるので敵ですが」


 商売人アンリーナがギリギリとパンフレットをミリ単位の細切れに噛みちぎる。


 す、すげぇ、もはやシュレッダークラス……!




「お、あの人混みでも一発で分かるうさ耳コスプレ、アプティー!」


 三階を少し歩くと、人の頭の向こうにピョコンと飛び出る耳を発見。絶対にアプティだろ、あれ。


 なにかのお店の前で無表情に立っていたアプティ、しかし周囲に男性の人垣が出来ている。なんだ?


「…………あ、マスター……これ、欲しいです……」


 俺が一定距離を保ちアプティを囲む人垣を掻き分け近付くと、アプティが俺を見て無表情ながらもちょっとほっとしたような顔になる。


 アプティが物を欲しがるのは珍しいな、よし、俺が買ってやるぞ。お金ならあるし、なんでも言ってみなさい。


「……ん? 水着……?」


 指されたほうを見ると、お店の入り口に置かれているマネキン。それが『オープン記念特価!』の宣伝チラシを持ちビキニタイプの水着を着ている。


 しかもさっきシトロンさんのお店で見た超極小サイズ系の水着……そしてとても質が悪い。シトロンさんのところの水着はさすがにフィットネス用に作られ質が良かったのだが、これはゴムが甘く作られていたり縫製が適当で、ちょっと動いたら本当にポロリそう。


「ここはその、いわゆる職業コスプレ系のお店ですわね。質は悪いのですが、大変安価で各種職業系の服が購入出来るという。イベントや宣伝用にスタッフさんに着てもらって注目を浴びようという目的の服です。ヌフ、そして師匠、聞くところ、教師系の女性に大変欲を燃え上がらせたとお聞きいたしました。どうでしょう、安めの服ならどうぞ安心して破いていただき師匠の激しい欲を発散……! このアンリーナ=ハイドランジェ、いついかなるときも師匠の欲を真正面から受け止める準備は……!」


 アンリーナが説明をしてくれたのだが、途中から鼻息が荒くなり水着マネキンに抱きつきエロい感じで腰を振り始めた。


 ……アンリーナさん?


「……マスター、これ欲しいです……これを着れば、今以上に私を見てくれます……よ、ね?」


 暴れるアンリーナを無視し、バニー娘アプティが無表情ながらも可愛らしい感じで首をかしげる。


 ホァ……くそ可愛い……。ああ、暴走アンリーナじゃなくてアプティな。


「い、いやアプティ、こういうのじゃなくて、もっと普通の肌露出少なめの服買わないか?」


 今のアプティはなぜかバニー衣装を着ている。


 以前普通の服を勧めたことがあるが、頑なにバニー以外着ようとしないんだよなぁ。 


 ……ああそうか、コスプレ系のお店にアプティがバニー姿で立っていたから、お店の宣伝イベントかと人が集まったのか。



「…………私はもっとマスターに見て欲しいのです……この格好だと、とても見てくれます……でももっと、もっと見て……触って欲しいのです……」


 アプティが俺のジャージの裾をつかみ上目遣い……ホアァァァこれやべぇ、まじクソ可愛いんですけどアプティさん。


「ヌッフォォァ……そして熱くなった手をこう柔肌に這わせ、くすぐったいと気持ちがいいの中間ぐらいの力加減でフォェァホハァァ!」


 そしてクソ可愛い蒸気モンスターアプティの向こう側の世界で繰り広げられる人間アンリーナR-15越え劇場。なんだろうこの対比。


 

「アプティ、俺は実に独占欲の強い男でな、そういうの着たら周りにいる男にも見られてしまうだろ。そんなのは俺は嫌なんだ。アプティの可愛い姿は俺だけが見る、だから普段着るような服は今のバニー衣装で留めておいてくれ。な?」


「…………はい、マスターがそう言うのなら……そして早く島で結婚を……」


 俺が笑顔で言うと、アプティが俺の背後のいつものポジションに無表情で立つ。


 ふぅ良かった、落ち着いてくれたか。


「いいですか、このタイプの水着はここを引っ張れば一発で剥がれます! ですがここはゆっくりと焦らすように、女性側から早く脱がせてと言わせる勢いで……」



「さて行こうか、クロとラビコも回収しないとな」


 俺はマネキン相手に激しく格闘しているアンリーナをチラ見してから、笑顔でロゼリィとアプティに言う。


「え、あの、アンリーナさんは……」


「……早く行きましょうマスター、ここは騒がしいです……」


 俺は二人の手を引っ張り、エロ寸劇目当てに集まってきたが男たちがアンリーナの教えを熱心にメモる輪を抜けお店から離れる。



 大丈夫、彼女は大変強い女性だ。


 マネキン相手に強く生きていくさ。



 つか暴走したアンリーナは、俺じゃ止められねぇ。














++++++++++++++



【以下定型文】




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         影木とふ

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