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11 異世界転生したら森の民がいたんだが

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四百七十五話 水の国オーズレイク 11 ホテル騒動といつか夢で見た女性様

「とても綺麗でした……ふふ、あなたといると本当にこの世界の全てが見れてしまいそうです」


 水の国オーズレイクが誇るイベント、ナイアシュートを満喫し、俺達はホテルへ戻ってきた。


 帰り、皆ズブ濡れになったので、軽く温泉に入ってきたぞ。



 ホテルのベッドに腰掛け、ロゼリィが楽しそうに微笑む。


「まぁね~社長と知り合わずにあのままずっと宿のお仕事していたら、こんな楽しい思いは出来なかったかもね~あっはは~」


 ラビコがアプティが入れてくれた紅茶を飲みながら笑うが、ロゼリィの本業は実家の宿屋の受付のお姉さん、だしな。


 宿にいることがお仕事だし、なかなか大きな休みも取れないだろうし。あと例え休みがあろうと、蒸気モンスターの被害が少なからずある以上女性一人での旅行はお勧め出来ないな。


「本当に……あなたと知り合えて良かった。いえ……あなたと知り合えて、やっと私の人生が動き出した気がします、ふふ。なのでもう離しませんよ、あなたと一緒にいることが私の人生なのですから」


 ちょ、ちょっと大げさじゃないっすかねロゼリィさん。俺そんな大層なことしてないっすよ……。


「うーっわ、それもう告白じゃねぇか。いや告白以上? ニャッハハ、やるなぁロゼリィ。いや、アタシも負けずにどんどんアピールしていかないとな! キングとはいつかこの拳突き合わせて熱く語り合いたいんだぜ!」


 猫耳フードをかぶったクロがその拳を構えるが、何、俺と殴り合いたいってこと? やめて、俺はあなたと違って貧弱君なんですって。


「ちっ……まさか奥手だったロゼリィさんが普通に告白するようになるとは誤算でしたわ……。有象無象を蹴散らし、師匠の真の愛を我が物にする為にも早くアイランド計画を推し進めて既成事実を作らねば……」


 アンリーナがメモ帳を引っ張り出し、すげぇ分かりやすい舌打ちをしながらブツブツ呟き、力の加減が出来ていない筆圧で何事か書き込み始めた。


「……私はもうマスターと島で結婚なので……耳も貰いましたし……」


 バニー娘アプティが頭につけた新しいバニー耳を無表情ながらも嬉しそうにペタペタと触る。その、島で結婚ってのがよく分からんのだが……とりあえず買ってあげた新しいバニー耳は気に入ってくれたのか。


「はぁ……社長さ~、これどうするつもりなの~? ここにいるだけで五人だよ~?」


 水着魔女ラビコが呆れた感じで溜息。


「どうってなんだよ。皆は俺の大事なパーティーメンバーなんだから、これからも一緒にいるに決まってんだろ。俺はリーダーとして責任持って皆を守るし、それが何人だろうがこの想いは変わらん。この世界の全てを見るその時まで、俺の側にいて欲しい」


 俺一人じゃこの世界の全てを見るなんて無理だっての。皆の協力があるからこそ俺はその目標を達成出来ると思っているし、このメンバーとならそれが出来るとも思っている。


 だってこのメンバー、すっげぇ楽しいんだぜ?


「も、もちろんです! 私はずっとあなたと一緒です!」


「ヌファァ……き、来ました……! 師匠のほうから永遠に側にいて君を愛する宣言……! 何を迷うことがありましょう。このアンリーナ=ハイドランジェ、師匠の激しすぎる愛を受け入れる準備などとうに出来ていますわ!」


「さすがキングだぜ、例え子供が何人出来ようが全部責任取るとか普通の男じゃ言えねぇセリフだよな! キングの期待に応えていい女になっからよ、アタシの全てを見てくれよ、ニャッハハ!」


「……私はマスターのお側を離れません。結婚とは、そういうものだと聞きました……」


 ロゼリィ、アンリーナ、クロが興奮して言うが、アンリーナとクロは俺が言った覚えのない文字が含まれてねぇか? 主にクロ。あ、最後のアプティさんは無表情です。



「あ~あ……またそうやって気軽に側にいて欲しいとか言うし~。本当に意味分かって言っているのかね~。何年かかるか分からない計画に付き合って欲しいとか~それ年頃の女キープ宣言ってことなんだぞ~?」


 ラビコがまた呆れ顔。いや、だって本当に何年かかるか分かんねぇだろ。キープとかよく分からねぇんですが。


「ニャハハ、でもなんだかんだ言ってラビ姉、これからもキングの側にいンだろ? ああ、別にいいんだぜ、キングの嫁候補レースから自ら脱落したってよぉ」


「あぁぁ? 社長から女扱いされていない、レース周回遅れ家出猫が何か言ってんな~」


 クロがラビコを煽りだしたんだが、最近この二人、水と油じゃね。いや、最初からか?


「女扱いされてない? っかしいなぁ、それにしちゃあ試着室で誘ったら女に飢えた獣みたいにガツガツ攻めてきたけどなぁ。あれってアタシの裸見たかったってことだろ? ニャッハハハ!」


「このクソ猫……あれわざとやったのかよ~! 私なんてとっくに体見せてるし~キスだってしたし~社長との付き合い一番長いの私だし~」


 ああ……ラビコがキレて子供みたいになってしまったぞ。そして付き合いの長さ発言に苦情があるらしく、ロゼリィがニコニコ笑顔で手を挙げていて怖いんですが。




「はぁ……参った……」


 なんだか女性陣が揉め出してしまったので、なんとか頭を撫でなだめた。


 こうやってすぐにパーティー内でトラブルを起こしてしまうのが、俺が女性にモテない原因なんだろうなぁ。まだまだ俺はガキってことか……。二十歳までにはなんとかモテる男の片鱗だけでも掴んでみたいもんだぜ……。


 そうだ、ペルセフォス王都にいるイケメン王子リーガル、あいつモテんだよな。あいつに今度モテる男のヒント聞いてみよう。


 ……ああ、でもあいつも童貞だっけ……。


「寝よ寝よ……」


 童貞同士肩組んで知恵出し合ったって、ろくなことにはならんよな。


 みんなもベッドに入って静かにしているし、俺も寝よう。花の国フルフローラの桜、ロゼオフルールガーデン。そしてここ水の国オーズレイクの巨大な噴水を打ち上げるイベント、ナイアシュートも見たし、そろそろ観光も切り上げてソルートンに帰りますかね。


 ソルートンの皆も心配しているだろうし、早くアプティが無事見つかりましたと報告しないとな。



「──……」


「────……」


 ────暗く深い霧。


 そういえばラビコがオーズレイクは大抵深い霧に覆われていて、湖と陸地の境目が分からなくなるぐらい、とか言っていたな。今日は晴れていて霧も無く、絶好の観光日和だったんだが……そうか、普段はこんな感じなのか。


 本当に数メートル先さえ危ういレベルの視界。


 オーズレイクの街中、さらには大きな橋に付いていた街灯が異常に明るかったが、もしかして霧の中でもある程度目安になるようにあの光量だったのだろうか。


 つかここどこよ。


 少し目が慣れてきて、周囲の太い樹木が見えてきた。……森、だな。


 夢か……はぁ……なんでここで肌色満載のエロいやつじゃなくて、こんな寂しげな夜の霧深い森の夢なんだよ……。なんだ、俺の心象風景とかいうやつか? っざけんなよ、俺が心から見たいと願っているのは、お美しい女性陣の皆さんのエローいシーンだよ。


 あれか、ここなら誰にも見つからず一人で頑張れるとでも思ってこのシチュエーションを脳内で選んだのか? だとしたら俺も十六にして末期だな。


 夢ですら一人ですることを選ぶとか、思考がモテな過ぎだろ。


 分かったよ、俺の望み通り一人でしてやるよ。夢でやって満足するかは知らんけど。


 さーてとズボン下ろしてっと……あれ、誰かいるじゃん。ったくよぉ、今から一人でするんだから邪魔すんじゃねーよ。文句言ってやる!


 五百メートルぐらい先にいるお前、そこから動くなよ。夜の森に潜んでいるつもりだろうが、俺には分かるんだよ。深い霧で数メートル先も危うい視界だけど、俺には見えるんだよ。おかしい? あのな、これ夢だぞ? 



 くっそ、なんでこんな森の中に人がいるんだよ。


 ここはさっきイベントがあった島王都の北側の対岸。こちら側はまったく人の手が入っていないようで、数百から数千年の歴史がある原生林って感じ。当然街灯なんてないし、道も無い。


 転びそうになりながらも進み、ぼわんと緑の魔力を出して光を屈折させている人物へ近付く。


 ささーっと風が頬を撫で、急に霧が晴れる。


 目の前に広がった風景は小さな丸い池、その水面に反射してゆらめき見える綺麗な月。なんだ、ここだけ霧が無いぞ。月がとても綺麗。


 ──パシャ


 水の音がして見ると、浅い綺麗な池の真ん中で女性が裸で水浴びをしている。


 端正な顔立ちに長い耳、長く美しい金色の髪、そしてスラリとした体。うんいいぞ、お胸様もいい感じで大きい。


 ──暗く深い霧が漂う森を苦労して進み、その先にいた月明かりに照らされながら水浴びをする裸の女性、ね……もしかしてこれが俺の夢がつまったエロい状況なんだろうか。


 この人は周囲の光を屈折させているが、俺は女性に求めるエロい憧れが屈折しすぎだろ。これ見ながら一人でするのが、俺が夢でまで見たかった最高のエロい状況なんだろう。


 ……はいはい、俺のお望み通りこれを見ながら一人でしますよ……。



「──ほう、お主いつかの覗き魔じゃな。これで三度目か? そして今度は本当に覗きの状況じゃな。しかしこの私の体を見ることが出来る男は……まぁ今はお主ぐらいしかいないじゃろうな。誇るが良い、千里眼を持つ異なる世界からきた遠来の少年よ」


 やべぇ気付かれた……ってあれ、俺この人知っているぞ。


 何度か夢で会ったことがある。ああ、今も夢か。


「どうした? 女性の体を見て何の褒め言葉も飾れないようでは男としての度量が知れてしまうぞ」


 女性は隠すこともなく体をこちらに向けてくる。水面に反射する月、長い金の髪を濡らし微笑む女性。──美しい、その一言につきる。


 そして俺はこの女性を見てこう思った。



「……エルフ……」








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