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四話 おいしいご飯様


 異世界に来て気付いたことがある。



「飯がうまい」


 俺がいるソルートンとかいう港町は都市からはかなり遠く、田舎らしい。

 街のすぐ側には大きな山があり、目の前は大海原。気候も安定しているらしく、海の幸、山の幸がいつでも商店街に溢れているとのこと。


「あ、本当ですか……! これ……私が作ってみたんです!」


 時刻は朝七時。


 俺は宿屋で朝ごはんをいただいている。昨日いただいたメロンもそうだが、この街の物は素材からしてすでにうまい。特に加工しなくても、そのままうまい食材が溢れているのだ。


 俺がいた日本では北海道の物はなんでもうまいと認識していた。よく近くのお店で物産展がやっていたのでよく行ったが、ミニトマトすらうまかった。余計な味付けはいらん、そのままでうまいのだ。


「え……? あれ、これって宿泊のセットのメニューじゃないんですか?」


 焼きたてのパン、コーンスープ、目玉焼きにベーコン、何かのジャムがかかったヨーグルト、キンと冷えた牛乳。うん、朝食のフルコースだ。愛犬ベスもあてがわれた犬用メニューにがっついている。


「ふふ、ちょっとしたアピールです!」


「……?」


 ふむ、確かにこんな美人なお姉さんの作ったご飯が食べられるなら宿屋の集客のアピールになるな。うまいし。お姉さんがパチパチと俺にウインクをしている。なんだろう。



「ごちそう様でした。いやーうまかった! これは宿に帰ってくるのが楽しみになります」


「ふふ、よかった。今日の夕食も期待して下さいね」


 おお、夕食にも期待しろってか。たまらんなぁ。ご飯がうまいって本当に素晴らしい、生きているって実感するぞ。

 昼は出ないからどっかで済ませるか。何にしようかなぁ、本当にここはおいしい食べ物が多いから悩む。どうもこの世界はパンが基本らしい。しかし生粋の日本人としてはお米が恋しいところである。


「よし、お昼はお米のものが食べられるお店を探してみよう」





  ベス用の犬装備が揃わない以上、ベスにモンスター討伐はあまりさせたくない。大事な愛犬だし。

 かといって俺は戦力なし。となると、肉体労働か。

 

 冒険者センターで探してみるか。


 ベスを引き連れ、うまいご飯を食べるための日銭稼ぎに出発。





 

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