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三十一話 返品レンタルアーマー様


 

夕食後、再びラビコの部屋に集結。




「そういえば~二人はなんか初対面じゃなかったみたいだけど~?」


「は。お昼に公園でお会いしました。ラビコ様のお知り合いとは知らず、剣を抜いてしまいました。申し訳ありません……」


 マジびびったぞ。ベスがいなかったらどうなっていたか。



「へぇ~リーガルがそんな焦るなんてね~めっずらし~」


 ラビコが食後のココアを片手に笑っている。


「今まで一度も失敗したことがなかった姿隠しを、いとも簡単に突破されたので心が乱れてしまいました……。命の危険を感じ剣を抜いてしまい、そして剣を噛み砕かれて返り討ちに遭いました……いや、なんともお恥ずかしい。自分の未熟を痛感いたしました」



 命の危険を感じたのはこっちのほうだ。俺何もしてないってのに。



「あっはは~まさかリーガルが落とされるとはね~ペルセフォス一の隠密の名が泣くね~」


 ラビコがニヤッニヤしながら、ココアを飲む。


 美味そうだな、俺もあとでココア貰ってこよう。





「社長~これこれ~。ぴったりの装備を国からリーガルに持って来てもらったんだよ~」


 ラビコがベッドに置いてある布で巻かれた物を指した。


 やけに豪華な装飾の布。何か格好いいマークが入っている。


「……しかしよろしいのですか……これはかつての大戦のルナリアウェポンの一つ。おいそれと……」


「いいのいいの~あんの女ったらしはもう使わないだろうし~。有効利用有効利用~」


 女ったらしのお下がりとか、俺のイメージがついに地下に潜りそうなんだけど。




「ほらほら社長~着て着て~」


 豪華な布で巻かれた物をラビコから受け取る。そういや、ラビコって一体何者なんだろうか。


 国が厳重に保管してた物を引っ張ってこれるって……。




 自分の部屋に戻り中に入っていた物を着てみる。


 サイズはピッタリ。結構かさばる装備にも関わらず、恐ろしく軽い。



「………………なんじゃこりゃあああああ!」


 俺はズボンを履いたところで思わず叫んでしまった。



「あはははは~何々~どったのぉ~? ぶっ……うっはははは~! 似合う~」


 俺の叫び声を聞いたラビコとリーガルが走って俺の部屋に入って来た。


「こ、これは……す、すごいデザイン……なんです、ね」


 ラビコは腹抱えて爆笑。リーガルも言葉をかなり選んで発言している。



 オレンジのマント、オレンジの手甲、オレンジの靴……ま、まぁここまでは許そう。


 ズボンは普通でジーパンのような色と素材。……がそのズボンには加工がしてあって、オレンジの矢印が模様として施されており……これが全て股間に向かっている。


 なんでこれズボンだけこんな股間を強調するデザインなんだよ! 初対面でも明らかに矢印を辿って俺の股間に目線が行くようになってるじゃねーか!


「あっはははは……これこれ~ひっさしぶりに見た~……歩く変態オレンジ……ぶっはは……」



「な、なんですか今の悲鳴! なにかあったので……!? きやぁぁあああああ!」


 ロゼリィも二階の俺の部屋に上がってきた。そして俺を見るなり悲鳴。



 知り合いがこの反応だぞ、これで街歩いてみろ。大変なことになるぞ。



「何がなんたらウェポンだ! こんなん履けるかーー!! 返品じゃー!!」






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