表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ!】異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが ~職業街の人でも出来る宿屋経営と街の守り方~【WEB版】  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!
5 異世界転生したら花の国があったんだが

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

272/697

二百七十一話 紅茶巡り紀行 9 光る桜情報と夜の港様


 花の国フルフローラにある紅茶の産地ローズアリア、ラベンダルと巡り、俺達は美味しい紅茶を手に入れることが出来た。


 王都に開くカフェで出す紅茶はこれで大丈夫だろう。


 選んだ紅茶の味はアプティのお墨付きだし、産地もアンリーナのホテルでも出されているレベルのしっかりしたもの。



「このラベンダルから魔晶列車に搭乗、ローズアリア経由でビスブーケへと戻ります。お時間は五十分ほど、午後七時半に到着予定となっています」


 目的を達成した俺達はアンリーナの指示の下、ラベンダルの駅で魔晶列車に乗り込み、すっかり夜になった風景を車窓から楽しみつつビスブーケへと向かう。



 今回は観光ではなく紅茶探しの目的で来たから、あまり他に目を向けられなかったなぁ。それはちょっと残念だった。


「余裕があったら、今度観光でこの国に来てみようか。なんかのんびり回ってみたいと思ったんだけど……」


「はいっ! 私賛成です! お花で満たされた街と景色は私大好きです!」


 俺が言うと、ロゼリィが目を輝かせ食い気味に賛成を表明してきた。どうやら絵本のような雰囲気はロゼリィにとって憧れらしく、移動中も終始笑顔で車窓を見ていたからなぁ。相当花の国フルフローラを気に入った模様。


「そうだね~今回は紅茶が目的だったからローズアリア止まりだったけど、その先に行くとこの国の王都フルフローラがあるからね~。王都には多くの桜が植えられていて~綺麗なんだ~」


 向かいの席に座るラビコが、足を色っぽく組み替えながらニヤニヤ言ってきた。おお、なんとエロいんだ。


 そして桜とな。

 こっちにも桜があるのか。元日本人としてそれは見に来たいなぁ。


「この国の桜はちょっと特殊でさ~咲く花が魔力を帯びていて、夜になるとピンク色にほのかな光を放つのさ~。その木がたくさん植えられているロゼオフルールガーデンはとっても幻想的だよ~」


 魔力を帯びていて光る桜。


 なんとも異世界チックじゃないか。それはぜひとも見たいぞ。


「私も知っていますわ。数回見たことがありますが、あれはいいものでした。日も落ちた暗闇の中、幻想的に光る桜の花。その柔らかな光が愛する二人を優しく包み込み、自然と見つめ合う──そして二人は互いを求めるように激しく──! ──!! ──!」


 アンリーナが一見有意義な情報と見せかけて、いつもの妄想話に花が咲きだした。花だけに。

 ……たまにはいいだろ、ダジャレだよ。


 そしてロゼリィが目を見開いて食い入るようにアンリーナの話を聞いている。俺は後半の話から聞き流したから内容は知らん。


 桜の木ですら魔法が使えている世界だってのに、なんで俺は何も使えないんだよ。




 ラベンダルからローズアリア、そして列車は花の国フルフローラ最大の港町ビスブーケへと入っていく。


「さぁ皆様ビスブーケ駅に到着となりますわ。お忘れ物のないようにお気をつけください」


 アンリーナが座席をチェックし、荷物の確認。

 

「グラナロトソナスⅡ号が港に泊まっていますので、まずはそちらに向かい出発の時刻を調整いたしますわ」


 そうだった。ここまではアンリーナの船で来たんだったな。時刻は午後七時半。そのままソルートンに向けて出港するのだろうか。愛犬ベスを入れているカゴを抱き、下車。

 

 ビスブーケ駅を出て、十分ほど歩くと港へ到着。夜でもかなり人が多くいるな。さすが花の国最大の港町、か。



 ビスブーケ港で一番目立つ巨大な船、アンリーナのグラナロトソナスⅡ号。速度が通常の船の二倍近く出せる、アンリーナご自慢の豪華高速魔晶船。


 何度も乗せてもらっているが、本当にこの船すごいよな。近くに停まっている船と比べるとよく分かる。大きさ、設備、武装の数が素人の俺が見てわかるぐらい違う。


 この船のおかげで早く、安全に移動が出来ているんだ。ありがたいことだ。



「皆様、軽く船内にて夕食をいただきまして、午後十一時にソルートンへ向けて出港となりますわ」


 船内にてアンリーナがクルー達と相談し、時間が決まった。そういや夕飯食べてないんだよな、助かる。どう考えても街で食べるより、アンリーナお抱えのシェフが作るご飯のほうが美味いからな。


「アンリーナ。夕飯後、出発までの時間街に出ていいかな。お土産を買いたいんだ」


 移動移動で紅茶を探す以外、何も出来ていないんだよな。当然お土産も買えていない。さすがに手ぶらでは帰れないぞ。


「ああ、さすがです師匠……。花の国フルフローラ最後の夜に熱い思い出を私とお作りになりたいと……! 分かりました、それでは食後は夜の港街デートですね!?」


 えーと、お土産を買いたいんだ。俺ちゃんと言ったよな? まぁ、いいか。



 帰る前に花の国フルフローラ最大の港街ビスブーケの夜をみんなで満喫しよう。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ