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二百三十五話 カモン俺の世間体を守る鉄壁の盾様


「師匠、お話はまとまりましたわ。もう私が完成が楽しみで仕方ないぐらいです」


 カフェ出店場所の向かいにあるペルセフォス国立図書館。そこの王族専用テラスで本を読んでいたら、アンリーナが興奮しながら俺の元までやってきた。




「お、悪いなアンリーナ。俺は専門知識が無いもんだから、こういうときはアンリーナに頼ってしまう。助かるよ」


 アンリーナの家は魔晶石販売と化粧品等の販売で世界的に有名なローズ=ハイドランジェという会社の一人娘。商売系の話はどうしてもアンリーナに任せてしまう。そのほうが間違いがないしな。


「構いませんわ。師匠のお役に立てるのならこのアンリーナ、この身すら差し出してもいいと思っています。当然見返りは師匠の甘い抱擁とか熱い口づけ……」


「はは、君の周りは優秀な人物が多くて参るな。ああ、今回のことでどうしても個人的にお礼がしたいというのなら、デートの次のステップがいいだろうか」


 後ろからサーズ姫様も現れ、ニヤニヤと微笑む。う、やはり何か見返りはないとだめだよな。どうしたもんか。あとサーズ姫様は制服姿で見慣れていたから、このスカート短めのウエディングドレス風の私服とやらが俺の目には眩しくて仕方がない。

 さすがに王族、その美貌は半端ない。ぼーっと見てしまうレベル。



「はいそこまでさ~。残念ながらうちの社長は女には事足りているんでね~お引き取りを~あっはは~」


 ぼーっとしていたらラビコが見かねて助け舟を出してくれた。それはいいんだが、誤解を与えるようなフォローはよしてくれ。女に事足りている生活なんて送って……いるかもしれない。すまん、俺の周りって美人揃いだった。異世界最高。


「はは、いいかラビィコールよ。このペルセフォスは一夫多妻が認められている。まぁ歴史上これを利用した例はそうないが、世界に影響を与えられるほどの力を持った男はこの制度を利用するのも悪手ではないと思う。その才能は多く引き継ぎ、残すべきである」


 それは男にとってとても夢のある制度だが、実際はかかるお金、人間関係が複雑化することのトラブル増加と悪い面も多い。

 だが俺はお金ならある。贅沢しなければ、何人いようがそこそこの生活なら保証できるぞ。人間関係は……どうだろうな、今でもよく揉めるしな……。


「なおさら事足りているね~社長が誰を選ぶか分からないけど~私なら何人だろうが社長との子供を作るのさ~あっはは~」


 ラビコが堂々と高笑い。そしてここは静かな図書館、集まる視線……俺に。



「よしっ、もう出ようか! 用事も済んだしな、さぁ出ようすぐ出よう」


 俺は立ち上がり、ラビコとサーズ姫様の手を引っ張り図書館を出る。皆も本をカウンターに返し、慌てて俺達のあとを付いてくる。

 サーズ姫様に今年のウェントスリッターのハイラ、ペルセフォス国王と同等の権力を持つラビコとただでさえ目立つ面子なのに、これ以上注目を浴びたら敵わん。俺はソルートンでの失敗は繰り返さないぞ、王都では変な噂は無しで紳士な男でいきたいんだ。




「あっはは~このペルセフォスで私と変態女を同時に引っ張れる男なんて社長ぐらいかね~」


 図書館を出たあたりで手を離すが、ラビコが離した俺の手をぐっと握ってきた。


「そうだな、この私とラビィコールを天秤にかけられる男は君だけだろうな。そして悪いが私は負ける気はないし、選ばれるのを待つような奥ゆかしい女ではないぞ。こちらから袋小路に追い詰め、逃げられない状況を作るまでだ。はは」


 サーズ姫様も俺の手をぐいと握り、ラビコを睨む。うっへ、図書館出ても意味なかった。外を歩いている人の視線がぐいっと俺に集まっている。

 ロゼリィとアンリーナは割って入ろうとするも、さすがに身分の上な二人にはどうしたものか、と常識的な態度。

 ハイラは気にせず俺の左側に突撃してくる。


「二人が揉めているうちに横から掠め取る、というのはどうでしょう。とてもナイスな作戦なんじゃないかと。ね、先生」


 だめだ、俺には世間体を守るということは出来ないらしい。いくら自己防衛しようが、外部要因のイレギュラーが対処出来ねぇ。



 こういうときの為の異世界転生じゃねーのか、ほら、チート的なやつ。


 カモン、世間体ディフェンス!





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