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4 異世界転生したら魔法の国があったんだが

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二百十三話 再び王都へ 9 よく分からない暴露大会と朝ご飯様


 ペルセフォス王都のお城二階にある客人用の部屋。



 ベッドは天蓋付きの豪華なのが四つ、そしてここの部屋は二階があるのだ。正確には吹き抜けの一部に出っ張りがあり、階段を登るとロフト状になっている。

 そこに予備の布団が置いてあるので、ちょうど階段で分けられるから俺はここでいいや。女性陣四人が一階の天蓋ベッド。


 前回は四人だったので俺もそこで寝たが、今回はアンリーナがいるので俺はロフトに移動。ベスは好きなとこに寝るだろ、とカゴから開放。元気に走り回り、一階壁際のソファーを安住の地としたようだ。


 一階にはキッチンやちょっとしたお風呂もあるので、普通にここで生活が出来るレベル。



「あ~社長~分かったぞ~。そうやって紳士を気取って一人二階に行ったけど、上から私達の着替えを覗くつもりなんだろ~エロロ~」


 ラビコが階段を登る俺にニヤニヤと笑みを向けてくる。アホかそんなこと誰がするか……あ、なるほど……確かに上からだと一階が丸見えだな。ほう、ふむ。


「え、あ、そういえば上からだと一階が丸見えなんですね。ちょっと恥ずかしいかもです」


 ロゼリィがもじもじし始めた。


「信じられません、私には信じられません!」


 あれ、アンリーナが怒っているぞ。いや、マジで覗かないって、多分。豪快な足音を立てながらアンリーナがロゼリィの目の前に移動する。


「こんな立派な物を持っているというのに、見せるのが恥ずかしいとかどういうことですか! 私ならこれを使って師匠をゴリゴリと誘惑するっていうのに……! 悔しいです」


「ひいっ! あはは! くすぐったいですってアンリーナさん! あはは!」


 ロゼリィが震えながら笑いだした。アンリーナにその大きな胸やお尻をモニモニ触られ、豊かなお胸様やお尻様がフルフルと揺れる。ああ……これはすごい……。くそ、この光景を動画で撮りたい……神様、僕にカメラを下さい……今すぐに! 早く!


 って覗ける状態の俺を怒ったわけではなく、アンリーナの怒りは豊満なボディを持つロゼリィに向いたのか。女心ってのは難しいものなんだな。



「あっはは~まぁまぁアンリーナ。ロゼリィは男経験のない純情ちゃんだから~しょうがないよ~」


「う……! そ、そういうラビコはどうなんですか! 余裕ぶっているってことは経験あるんですか!?」


 ロゼリィがラビコに突っ込む。うーん、これ以上俺は聞かないほうがいいんじゃ。


「あ、あ、あるに決まっているだろ~。わ、私は社長と濃厚な口づけを交わした仲だし~。ホラ、経験者じゃないか~」


 あれか、銀の妖狐との戦いでのやつか。あれさ、俺生まれて初めてのやつなんだよね……。なので俺のファーストはラビコということになるのか。ああ、すまん。俺の赤裸々な告白なんていらなかったな。



「それなら私だってあります! 隣町からの帰り道のキャンプ場で、とても優しく口づけをしてもらいました! おでこですが……」


 ああ、ロゼリィのあっちが先か。でもおでこだしなぁ。


「そ、それなら私もフォレステイのお風呂屋さんで、師匠の頬にキスをしましたですわ! ど、同等です!」


 吠えるアンリーナ。これなんの争いなんだよ。こういうのって自慢するもんじゃなくて、心に大事にとっておくものじゃないの? 俺純情過ぎか?



「はぁ、ほら寝るぞみんな。ベスはもう寝てるんだから静かにしような」


 これ以上騒がれるのもあれなので寝ているベスを引き合いに落ち着くように言い、全員の頭を撫で気持ちを静めてもらう。


「ん~……やっぱこれ落ち着くな~」

「はい、この優しい撫で方はもはや武器です」

「申し訳ありません師匠……少し興奮してしまいましたわ……」


「……マスター、私も」


 あいよ、俺はアプティの頭も撫で寝るように指示を出す。


 今日はもう寝ようぜ……さすがに疲れているわ。





翌朝、皆も疲れていたようで素直に寝てくれたようだ。全員それぞれのベッドで目を覚ます。


「ふあ~おっはよ~」


 ラビコがベッドから起き上がり、いつものフード付きロングコートを水着の上に羽織る。


 全員が起きたところにハイラが元気よく部屋に入ってきた。


「おはようございます! 朝ご飯に行きましょう、食堂にご案内します」


 食堂……ああ、そういえば前回もお世話になったな。王都の騎士達が利用出来るいわゆる社員食堂。ペルセフォスは物価が高いから、お城の食堂で食べるのが一番安く済む。味もまぁ、普通だったはず。



 ハイラに案内されお城の一階にある食堂へ。


 広さ、天井の高さは学校にある体育館ぐらいの巨大な施設。さすがにペルセフォス王都にいる騎士さんの数は相当のものだろうしな。それを賄えるよう、食堂は大きく設計されているようだ。

 窓も大きく取られ、入ってくる太陽の光が眩しい。


「うっは、なんつー混雑っぷり。さすがに王都は違うなぁ、人の数がソルートンの十倍以上ありそうだな」


 時刻は朝八時過ぎ。食堂は朝ご飯を食べている騎士さんでごった返していた。見渡す限りペルセフォスの白と青を基調とした制服を着た騎士さんで溢れている。ごつい戦士さん、スマートな剣士さん、魔法使いさん……多種多様だ。


 うーん男もカッコイイ人多いし、美人な女性も多くいるなぁ。洗練されているというか、垢抜けていて、騎士でもオシャレな人が多い。



「アンリーナはここ初めてだったか」


「はい、さすがにここは騎士の方しか入れないところですし、とても貴重な経験になりますわ」


 後ろにいるアンリーナに聞くが、物珍しそうに周りを見ている。



「おお、来たか。こっちだ、一緒に食べようじゃないか」


 奥の方、少し隔離された場所に手を振る人がいる。サーズ姫様じゃないか、王族もここで食べるのか? 

 食堂の奥、警備の騎士が数人立つ先に、植物などで区切られた豪華なスペースがある。


「王族専用とかか。すごいな……」


 サーズ姫様に呼ばれ、警備に通してもらい豪華なスペースへ入る。一般の騎士用とは違い、壁の装飾からテーブル、イスが完全に王族仕様。俺のオレンジジャージはすごい場違いだぞ。



「やぁ、おはよう。さっそくなんだがお願いがあるんだ」


 全員席に座ると、サーズ姫様が俺に微笑んでくる。うーん、朝の太陽に輝くサーズ姫様もとても美しい。俺がぼーっと見ていると、右隣のラビコに肘で小突かれた。



「明日魔法の国、セレスティアに一緒に行ってくれないかな」


 サーズ姫様が少し申し訳なさそうに言う。

 魔法の国セレスティア? そういえばケルシィからの帰り道、ラビコに通信システムを構築できないかと聞いたとき、魔法の国の協力を得られればとか言われたな。



 魔法の国、うん、いい響きだぞ。行けるなら俺は絶対行ってみたい。






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