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二十一話 ジゼリィ=アゼリィ限定お弁当様


「ド、ドキドキするね……僕緊張で喉渇いて凄いよ……」




 イケメンボイス兄さんが、かなり緊張した面持ち。


「大丈夫ですって! あんなに念入りにメニュー考えて、宣伝で街中にビラ撒きましたし。




 お弁当販売開始、当日。


 実は俺も震えているが、隠すしかない。これ、かなりの予算と人員使ってしまったから、売れないと結構やばい。


 作ったお弁当は、とにかくカラフルになるようなメニューを厳選した。


 オムライスを真ん中に配置で目立つ黄色、見た目のかわいい小さなブロッコリーで緑、スパゲティナポリタンで赤。そしてこれが一番大変で予算のかかったオレンジジャムを載せたチーズケーキ。あとは山菜の煮付け、おまけでイチゴ二個。


 これでしめて10G。日本感覚だと1000円ぐらいか。


 素材は一流品、料理人の腕も一流。この値段でいけると思う。


 目標個数は100個。




「あと5分で開始しますよー! みなさん準備はいいですかー!」


 ロゼリィがみんなに声をかける。



「お待たせしました! 本日限定販売、ジゼリィ=アゼリィ、カラフルトート。よろしくお願いしまーす!」


 ロゼリィが元気良くセールストーク開始。


 今回ロゼリィはかなり頑張ってくれた。オーナーの説得、予算配分、人員経費、ビラ作り&ビラ撒き。


 俺発案だと聞き、寝る時間を削り協力してくれた。本当にありがとう。


 ジゼリィ=アゼリィと言うのはお店の名前。そのままロゴを使った。薄い水色のトートバックに入れてお渡し。見た目も綺麗だと思う。


 宣伝効果で結構な人数の列が出来ている。ありがたい。


「ありがとうございましたー」

「はい、3個ですね。30Gになります」

「あ、少々お待ちを。只今調理場フル稼働で追加を製作中です!」





 お昼。


 予備の材料が底をつき、これにて販売終了。


 それでも並んでくれていたお客様の為に、明日の臨時販売分優先券を配布した。



「やった……やったよ! 君のおかげだ、300個全部完売したよ!」


 イケボ兄さんが歓喜している。


 よ、良かった……売れなかったら俺マジやばかったぞ。



「しかし君……イレギュラー対応の早さがすごいね。僕なんかどうしたらいいか分からなくてオロオロしていたよ」


 あ、まあ……日本でよくTVやネットの色んな情報見ていたからなぁ。それが役立った。



「君の言ったとおり女性のお客さんがすごい来てくれたよ。こういう感覚が大事なんだなぁ」


「毎日はきついかもしれませんが、一定期間ごとにやるといいかもしれませんね」


 イケボ兄さんと俺はがっちり握手をした。




 これでお店の宣伝効果も出るだろうし、実店舗に足を運んでくれるお客さんも増えるかもしれない。増えるといいなぁ。さて明日の臨時販売分の仕入れをしないとな。



 バイト代、今回のお弁当計画の臨時報酬で俺は300G、日本感覚三万円を得、即宿屋に宿泊延長を申し込んだ。



 とりあえず、まだ常宿に出来そうだ。






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