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百九十五話 四つ目の感謝の指輪様


「こういうのはどうだ?」



 後ろにいるメンバーは気にせずアンリーナとの買い物を続ける。



 

 今いるのはフラロランジュ島の繁華街の一角、ちょっと高級なお店が集まるスポット。


 周りは観光客だらけ。皆荷物をいっぱい両手に持ち、お土産を楽しそうに選んでいる。



 この島は果物が有名で、それを使った商品が多い。


 さーて宿のみんなの追加お土産は何にしようか。まずはアンリーナに今回含め、日頃の感謝を込めた指輪を買って贈ろう。



「いえ、こういう物は突起の少ないシンプルな物がいいのです。そのほうが何十年と形が変わらないので、二人の愛が変わらず続くという証になるのです」


 俺が宝石が入った綺麗な指輪を指すが、アンリーナは何の飾りもないシンプルな銀の指輪を手に取った。


 お値段はそこそこ、いやお店のラインナップ考えたらかなり安い部類の物。てっきりアンリーナは高級志向かと思ったが、そうでもないのか……いや、俺に気を使ったのか。


「えーと、正直金ならあるぞ。今回の船に乗せてもらったりしたこと考えたら、もっと高いやつでもいいんだぞ」


 シンプルな銀の指輪のサイズを選んでいたアンリーナにこっそり小声で伝える。


「いえ、これでいいのです。二人の愛は値段の問題ではないのです」


 まぁアンリーナがそれでいいと言うのならいいか。


 サイズも選び、お会計を済ましアンリーナに指輪の入った袋を渡す。



「俺のアンリーナへの感謝の気持ちだ。受け取って欲しい」


「はい! これからはずっとこの指輪をつけています。師匠の想いが詰まった指輪、とても嬉しいです」


 アンリーナが袋を開け、さっそく指輪を左手薬指につける。


 ああ、やっぱりそこなのね……つけるの。


 嬉しそうに微笑んでくれているし、まぁいいか。





「あ、旦那終わったんですかい? なら向かいの食器のお店が見たいんだが……」


 シュレドがうずうずと体を揺らしながら、向かいのお店をチラチラ見ている。


 ふむ、さすがに料理人。そういうものには目がないのか。ついでにそこで宿のみんなの追加お土産でも買うか。



 アンリーナがヌヌゥヌヌゥ唸っていたが、手を引っ張り向かいのお店へ。


 ロゼリィ、ラビコ、アプティ、シュレドもついてくる。うん、これ二人きりのデートじゃないな。


「はぅ! 師匠の手が私の手を取って楽園へと誘って……」


 何か言っているが気にせずアンリーナの手を握ったまま商品を見る。


 観光客向けの食器が多くならんでいる感じ。島の特産であるオレンジやバナナが模様として入った物が多く並んでいる。普段使い用ではないな。



「ロゼリィ、宿のみんなのお土産でいいのないかな」


「あ、それではこれはどうでしょう。すごく綺麗なんです」


 ロゼリィがガラスのコップを持ってうっとりしている。オレンジ色で模様が入っていて確かに綺麗な物だ。ふむ、これでいいか。オレンジ色で俺のお土産っぽくていいだろ。


 宿の従業員の人数分購入し、シュレドが小さめのフライパン、ラビコとロゼリィがオレンジのイラストが入ったお揃いのマグカップ、アプティは紅茶用にとティーカップを持ってきたのでそれもまとめて俺が購入。


「悪いね~社長~」

「ありがとうございます、嬉しいです」

「マスター……これで私の紅茶ライフがレベルアップです……」

「旦那、わりいな。でもこれで美味いもん作ってやっからよ」


 うむ、問題ない。


 お土産があったほうが思い出になるし、記憶にも残るしな。




 そのままアンリーナの手を握ったまま、他のメンバー含め商店街をブラブラ見て歩き、時間になったので船へと戻る。




「はうぅ……師匠の手が……情熱的に私を包んで離さないのです。これはきっと夜は激しいプレイが……」


 船の客室に戻り荷物を部屋へ置く。


 アンリーナが何やらブツブツ言いながら、ふらふらと自分の部屋へと消えていった。







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