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十八話 レンタルアーマー計画様

 

「もう、とぉってもいいお話で~」




 水着にロングコート姿の女性ってラビコじゃん。ついて来たのかよ。


「まったく……せっかく尾行していたってのに~、キスの一つもしやがらないんで、飽きたから話しかけちゃった~あっはは~」


 そういう心の声は聞こえるように言わないように。




「じゃ、邪魔しにきたんですか! せっかく二人きりなのに……」


 ロゼリィが敵を見るような目をする。


「ロゼリィさぁ~なんの為に露出多めにしたの~? パンツの一つでも見せて襲っちゃえばいいのに~」


「な、何を言っているんですかー!! あなたとは違うんです!」


 二人が笑顔で睨みあっている。うーん、怖い。




「っとぉ、目的はからかいじゃあなかったっけ~。いいお話のほう。社長お金ないんだよね~?」


 ラビコが俺の顎をいやらしく撫でてきた。それは言うな。


「私への借金も増えるばかりの未来はお先真っ暗~。でも私は社長のこと気に入っているからいつまででも待つよ~。そして~こうなったら借金が多少増えたところで誤差だと思うんだよね~」


 つーか俺ラビコを雇った覚えは無いぞ。ホラ、書類とかないし……ね? 


 え、無理? 逃げられないの?


「二人は~私が上位職で高位な魔法使いだってこと忘れてない~? 当然装備品だって一級品をたくさん持っていて~中には国宝級の物まであって~」


 うーん、ってか俺ラビコが魔法使ってんの見たことないんだが。まぁ、嘘ではないのだろうが。


「私の自慢のコレクションから何点か貸し出してもいいんだけど~?」


 貸し出す? 


「レンタルアーマー始めましたぁ~ってことかな~。あ、お金は出世払いでいいよ~」





 ラビコはここに来るまでに数々の大規模戦闘に参加したらしい。


 魔王クラスとも戦ったとのこと……って魔王ってやっぱいんのね、この世界。


 その際の戦利品をあちこちの国の倉庫に厳重に保管しているとのこと。


「ラビコって……すごい魔法使いなんだな……なんか信じられないけど」


「あっはは~、いつか見せてあげるよ~。社長にドーンってね~」


 俺に撃つのはやめろ。



 うーむ、お金は無いが、命は惜しい。


 ならラビコに頼るのも一つの選択肢か。いいさ、稼いで返せばいいのだ。


 俺だって男だ、覚悟を決めた。……もちろん頑張るのは主に愛犬ベス、だが。



「確かに社長には冒険者の力は無いかもだけど~社長は人と人を繋ぐ不思議な力があるって気付いてる~? それは私には無い~とっても強大な力。私が社長の部下になったのは、あなたに王の力を感じたからってね~あっはは~」


「お、王!? おぅ……あのなラビコ、いきなり長いセリフで冗談言うなよ」



 ラビコは笑みを浮かべ、じーっと俺を見ている。え、なんなのこの子……。





 




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