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百七十五話 さぁ、ケルシィへ! 8 ケルシィ到着とローズ=ハイドランジェコラボ計画様

「水着はアンリーナさんからお借りしました。どうですか? 似合います……?」



 船のデッキの椅子に座り、上からフラロランジュ島の空気を楽しむ。



 海とかによく置いてある寝そべれる椅子こと、ビーチチェアが船のデッキにあったので使わせてもらう。


 寝そべった瞬間、愛犬ベスが俺の胸の上で丸くなる。


 ……おいベス、くっそ暑いからどいてくれ……。



「ど、どうでしょう……」


 ベスと格闘していたら、ロゼリィがじわじわと近づいてきて何やらアピールしてくるが、俺はあまりお目にかかれない素晴らしいものをベスを見るふりしながらチラチラ見る紳士の行動。しっかしスタイル良すぎだろロゼリィ。


「あ、ああ。直視出来ないぐらいすごいぞ」


「う~わ、社長~エッロいこと考えてる~」


 ラビコがニヤニヤ。ち、違うわ。今この楽園の空気を楽しんでいるんだよ、妄想なんてしてません。



「大事な仲間でそんな妄想するか。俺はケルシィに想いを馳せているんだよ」


「ふ~ん、じゃあ立ち上がってみてよ」


 ラビコが俺の俺部分をじーっと眺めながら言う。


 そ、それは……また今度な。今は都合が悪い。



 アプティが静かに俺の背後に回る……な、何だ?


「アプティ~持ち上げちゃって~」


「失礼します……マスター……」


 アプティが俺を背後から持ち上げ、皆のほうに股間部分を向ける。ベスはさっさと降りてロゼリィに絡みつく。


 俺は抵抗するも、ものすごい力で圧倒してくるアプティ。


 これ、あかん……アプティの大きなお胸様が背中にがっつりくる。



「あっはは~ほ~らみたことか~若さってすっごいよね~あっはは!」


「うわ……へぇ、テントみたいですね……」

 

 ラビコとロゼリィが俺の強調された俺をじっくり見て言う。


「これが見慣れたいつものマスターです……」


 ……アプティさん? 見慣れたってどういう……。


「はぅ! これが師匠の師匠部分の高まり……! すごい……」


 ああ……ついに年下のアンリーナにもこの状態見られたじゃねーか……。






 補給も終わり、船が港を出る。



「なんにも出来なかった……」


 せっかくのリゾート地だったってのに、砂浜ちょっと歩いて終わってしまった。フルーツが多く取れる島らしいので、ぜひ現地で食べたかったが結局船のレストランにお世話になった。


 くそうぅ、筋肉達さえいなければ水着美女を眺めながら海の家的な場所でご飯出来たのに。まぁ、ラビコ、ロゼリィ、アプティ、アンリーナの水着姿で十分満足は出来たけどさ。







 船は順調に進み、翌日の夕方ケルシィの港町ランヤーデに到着。



「皆様、長旅お疲れ様でした。あれがケルシィ最大の港町ランヤーデですわ。私はここで商談がございまして、皆様にお付き合い出来ないのが残念です」



 時刻は十七時過ぎ、オレンジに染まる空と海。


 ついに俺達は他国であるケルシィに到着した。



 ペルセフォス以外の国は初めてなので地理も習慣も分からず少し怖いが、ラビコがいればなんとかなるだろう。


「ありがとうアンリーナ。俺達はここから北にあるマルタートというところに向かうよ」



 イケメンボイス兄さんの弟さんがそこにいるみたいだし。


 ラビコに聞くと、この町に魔晶列車の駅があるので列車で北に向かう予定とか。ケルシィは魔晶列車が発達していて、国のほぼ全域を魔晶列車が通っているんだと。


 国の特産であるお酒を運ぶの為、交通網に国がかなりお金をかけたらしい。いいなぁ、ソルートンにも魔晶列車通らないかね。そしたら王都に行きやすくなるんだが。




「師匠、皆様しばしのお別れですわ。商談が終わればしばらく用事はないので、師匠達の用事が終わるまでここに滞在していますので、戻ってきましたらお声をお掛け下さい」


 アンリーナが握手を求めてくる。


「分かった。何から何まで悪いなアンリーナ。今度何かお礼をさせてくれ」


 俺も手を出し、アンリーナの小さな手をがっしり握る。


「ああ……この力強い大きな手……たまりませんわ……。お礼ですか、でしたらフラロランジュ島に二人きりで行くか、王都に婚前旅行とかどうでしょう!」


 アンリーナが興奮しながら俺の手をさすってくるが、ここは流していいだろう。



「あ、そういえば師匠達のケルシィでの御用事とはなんでしょうか?」


 ああ、そういや言っていなかったっけ? 俺は王都にジゼリィ=アゼリィの支店を出す計画の話を簡単に話す。



「あら、ジゼリィ=アゼリィをカフェ特化で王都に支店を出すのですか……。それいいですねーうちも王都にはお店はありますが、ちょっとジゼリィ=アゼリィの集客力に便乗させていただきたいです。どうでしょう、うちの商品である化粧品やシャンプーや関連小物のお店と併設で出店というのは」


 アンリーナの顔が商売人に変化。


 ローズ=ハイドランジェと併設出店か……それはすごいありがたいぞ。



「おお、それかなりいいかも。プラス、王都ジゼリィ=アゼリィ限定メニューでローズ=ハイドランジェと共同開発コラボメニューとかどうだろう。例えば美容にいいとか、健康志向メニューとか」


 王都に出すならそこオンリーの強みが欲しい。これは俺にとって願ったり叶ったりだ。


「うちとの共同開発コラボメニューですか……! それいいです! すっごい、いいです! お肌トラブルを防ぐのに効果のある食べ物を組み合わせたメニューとか……ああ、すっごい頭が回転してきました!」


 お、反応いいぞ。これはこの話進めても大丈夫そうだな。


 さすがに王都に単独出店は不安要素が多かったけど、アンリーナのハイドランジェブランドの力を借りれるなら百人力だ。



 よし、その為にも頑張ってイケボ兄さんの弟さんを勧誘しよう。









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