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十七話 意味があった見た目がゴリラ様


「えーと、服屋ってこの辺ですかね」




 商店街の服屋さんが固まって立地している場所に来た。


 防具屋ではなく服屋さん。防御力はゼロで見た目にステータス全振りの物。



「……ほわ……ほわ……」


「ロゼリィさーん。おーい、聞いてますー?」


 ロゼリィが自分の右手をぼーっと見ている。


「……力強くて優しい握り方…………はっ! ここどこですか!?」


 もうフォローしなくていいよね?





「失礼しました……コホン。はい、この辺りが最近流行りの物が買えるスポットですね。ちなみにどういう服をお探しなんです?」


「え、うーん。フィーリング?」


 特に理想は無い。安くて動きやすくて、今の真オレンジジャージよりオシャレなやつ……かな。


「……一応冒険者さんなのですから、鎧とかどうです?」


「あ、いえ普段着に使える物が欲しいかなぁと」


 ロゼリィがうーんと少し考え、防具屋に飾ってある鎧を指して言った。


「なんか……出かける度にお怪我をして帰ってくるので、私毎日心配で……。怪我を減らす意味でも鎧を装備して欲しいです」


 ロゼリィ……なんてええ子なんや! でも鎧は高いしなぁ。


「鎧や装備品は攻撃を直接防ぐばかりではなく、見た目の力も大きいと思うのです」



 見た目の力? なんだろう。


「例えば私が包丁持って切りかかってきたときと、宿にたくさんいらっしゃるゴッツゴツの鎧を着たゴリラさんみたいな見た目の大男にハンマーで襲われた場合、どちらが怖いですか?」


 そりゃあ……ゴリラかな。


「私達生き物は、自分より大きな相手に恐怖心を覚えます。ですから動物達は自分の身を守るとき、自分の体を大きく見せるように威嚇してきます。それはモンスターにも言えることです」


 なるほど、そういやそうだな。


「薄着で弱そうな見た目だと何も警戒せず襲われたりしますが、見た目で強そうな相手には警戒をして攻撃をする頻度が減ります。これが見た目の力だと思います」


 おお……何もせず敵の攻撃回数を減らせる……と! 結果、こちらの怪我も減る、と。


「宿の酒場によくいらっしゃる、ゴツゴツ鎧で大きい剣やハンマーを持っている冒険者さんの何人かは、使えないのに威嚇する為だけに持っているとおっしゃっていました」


 マジかよ! あいつらそんな計算ずくな行動だったのかよ!? いかにも頭悪そうなのに……。




 ロゼリィに説得され、俺は防具屋さんに来てみた。


 ナイトの鎧、1000G。凶戦士の鎧、1500G。ミラーアーマー、2000G。


「た、高いなぁ……」


 十万、十五万、二十万円ぐらいか。


 どう逆立ちしようが買えない値段だぜ。最近収入ないからなぁ。




「やぁやぁ~ご両人。とぉってもおいしいお話がありますよぉ~?」

 








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